Trademark Appeal Case
バリアーフィルムの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第13283号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「IBバリアーフィルム」の文字よりなり、第40類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成10年2月4日登録出願され、指定役務については平成11年5月26日付手続補正書により「布地,被服又は毛皮の加工処理(乾燥処理を含む。),裁縫,ししゅう,紙の加工,ゴムの加工,プラスチックの加工,食料品の加工,石材の加工,セラミックの加工,電気メッキ,フライス削り,焼きなまし,焼戻し,溶融めっき,剥製,木材の加工,映画フィルムの現像,写真の引き伸ばし,写真の焼付け,写真用フィルムの現像,製本,金属加工機械器具の貸与,写真の現像用・焼付け用・引き伸ばし用又は仕上げ用の機械器具の貸与,食料加工用又は飲料加工用の機械器具の貸与,製材用・木工用又は合板用の機械器具の貸与,製本機械の貸与,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具の貸与,耐しょく用樹脂加工,樹脂の射出成形,グラビア製版その他の製版,磁気ストライピィング処理,プリント基板のエッチング加工,プリント基板のめっき,プリント基板の組立加工,集積回路組立加工,受託によるプラスチック製包装用フィルムの製造,受託によるプラスチックフィルム製包装用容器の製造」と補正されたものである。
2 原査定による拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、役務の品番、種別等を表す記号・符号の一類型として普通に採択使用されているアルファベット2文字の『IB』と『傷や錆等を阻むための薄い被膜あるいは塗膜を施す加工』、いわゆる役務の質(内容)を表す『バリアーフィルム』の文字とを『IBバリアーフィルム』と横書きしてなるにすぎないから、これをその指定役務中『紙の加工、建築資材又は材料の表面加工、鋼板のグラスライニング、耐しょく用樹脂加工、金属加工』に使用しても、これに接する取引者、需要者が何人の業務に係る役務であるかを認識できないものであり、前記指定役務以外の役務に使用するときには役務の質について誤認するおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。
3 当審における証拠調べ結果の通知
当審において、本件審判事件につき、改めて職権に基づく証拠調べをした結果、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当すべきものとする新たな証拠を発見したので、商標法第56条において準用する特許法第150条の規定により、請求人に対し期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した証拠調べ結果の内容は次のとおりである。
(1)本願商標「IBバリアーフィルム」に関して新聞記事データベース情報及びンターネット情報によれば、以下の事実が認められるところである。
a「凸版印刷、セラミックス蒸着フィルムを使用、液体用紙容器の実用新案件を取得」との見出しのもと、「EP−PAK・GLはセラミックスを真空蒸着したバリアーフィルム『GLフィルム』と長期保存、流通が可能な液体紙容器を組み合わせた。」との記事中に「バリアーフィルム」の文字及び記号・符号としてのローマ文字の二字の表示が用いられていること(「日刊工業新聞」1995年4月28日)。
b「宝酒造、業界初の紙カップ清酒『松竹梅紙200』発売」との見出しのもと、「容器内面には、アルミ箔にかわり透明ハイバリアーフィルムを使用しているため廃棄性にも優れているばかりでなく、容器のまま電子レンジや湯煎などに使用できる利点もある。」との記事中に「バリアーフィルム」の文字が用いられていること(「日本食糧新聞」1998年6月17日)。
c「機械・副資材特集:脱酸素剤・品質保持剤動向=脱酸素剤・鮮度保持剤」との見出しのもと、「同社のハイバリアーフィルム『GLフィルム』と『CKタイプ』との組み合わせが、従来フィルムと他社の脱酸素剤との組み合わせに比べてカビの発生が抑えられた、〜Cタイプは、CWタイプを新しいCKタイプに切り替えたことで好調さを取り戻している。」との記事中に「バリアーフィルム」の文字及び記号・符号としてのローマ文字の一字あるいは二字の表示が用いられていること(「日本食糧新聞」2000年1月31日)。
d「呉羽化学工業、下期からハイバリアーフィルム『ベラーセ』本格発売」との見出しのもと、「呉羽化学工業(株)は、平成10年度から市場での評価を調査してきたハイバリアーフィルム『ベラーセ』を平成12年度から本格発売する。〜『ベラーセ』は、従来のハイバリアー性フィルムに比較して、耐屈曲性、耐引張性に優れ、加工後も性能が安定していて、透明性も優れている。」との記事中に「バリアーフィルム」の文字が用いられていること(「日本食糧新聞」2000年11月8日)。
e「無機・有機複合素材をコートすることによって革新的なバリアーフィル ムを完成させました。」との表示が用いられていること(インターネット情報...アドレス http://www.daicel.co.jp/film/news)。
カ「“バリアロックス”は、PETフィルムの表面に酸化アルミの超薄膜を蒸 着した、完全に無色透明なバリアーフィルムです。」との表示が用いられていること(インターネット情報...アドレスhttp://www.toray.co.jp/envi/envi12_pro02.html)。(7)「長年培ってきた真空蒸着技術から生まれた化ケイ素蒸着フィルムは、数多くのバリアーフィルムの中で最も性能バランスのとれた高機能フィルムです。」との表示が用いられていること(インターネット情報...アドレスhttp://www.oike-kogyo.co.jp/goods/pack_02.htm)。
(2)以上の事実に照らせば、本願商標の構成文字中「バリアーフィルム」の文字は、食品等の包装材料関連の業界においては、従来より使用されていたアルミ箔に代わる包装材料として開発された「シリカをナイロンフィルムなどに蒸着して造られる防湿性、酸素遮断性に優れたフィルム」を表す語として普通に使用されているといえるものである。
そして、構成中前半の「IB」の文字は、商品や役務の品番、内容等を表示すための記号、符号として一般に採択、使用され得るローマ文字の二字を表すものと理解されるものであって、上記バリアーフィルム関連記事中においても、ローマ文字の一字あるいは二字が商品の品番、内容等を表示するための記号、符号として普通に使用されているところである。
そうとすれば、「IBバリアーフィルム」の文字よりなる本願商標は、これをその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者に対し、上記実情から、該役務が「バリアーフィルム技術による加工処理」、「バリアーフィルム技術による加工処理を行うための機械器具の貸与」等を表す役務のうちの個別役務を表示するものと認識させるに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当であり、また、これを前記役務以外の役務に使用するときは役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの原査定の拒絶の理由は妥当であって、取り消すべきものとすることはできない。
3 当審の判断
当審において新たに示した上記証拠調べ通知に対し、請求人は指定した期間を経過するも何らの応答もしていない。
そして、当審が上記証拠調べ通知によって示したとおり、「IBバリアーフィルム」の文字よりなる本願商標は、これをその補正後の指定役務中「バリアーフィルム技術による加工処理」又は「バリアーフィルム技術による加工処理を行うための機械器具の貸与」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、上記実情から該役務が「シリカをナイロンフィルムなどに蒸着して造られる防湿性、酸素遮断性に優れたフィルムを用いた加工処理」又は「シリカをナイロンフィルムなどに蒸着して造られる防湿性、酸素遮断性に優れたフィルムを用いた加工処理を行うための機械器具の貸与」等を表す役務のうちの個別役務を表示するものと認識するに止まるから、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当であり、また、これを前記役務以外の役務に使用するときは役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの原査定の拒絶の理由は妥当であって、取り消すべきものとすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。