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Trademark Appeal Case

称呼の近似性と長音の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第14032号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「PHOS−LO」と標準文字をもって書してなり、第5類「腎機能障害による過リン酸塩尿症治療のためのマグネシウムステアラートを含む圧縮無水カルシウムアセテート,その他の薬剤」を指定商品として、平成9年11月5日に登録出願されたものであるが、指定商品については、平成11年2月17日付け手続補正書をもって「薬剤」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において本願の拒絶の理由に引用した登録第2592394号商標(以下「引用商標」という。)は、「ホスロ」の片仮名文字と「FOSRO」の欧文字を上下二段に書してなり、平成3年12月19日登録出願、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、同5年10月29日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は、前記したとおり、「PHOS」と「LO」の各欧文字をハイフンを介して書してなるものであるから、視覚上一体的に看取されるものである。

ところで、第1号証及び第2号証によれば、「phos」は「光」の意味を、また「lo」は「見よ」などの意味を有する英単語であり、それぞれの発音は、その音声記号により「phos」の語は「ファス」と、また、「lo」の語は「ロウ」と片仮名表記されるものと認め得るところである。

しかしながら、「phos」及び「lo」の英単語は、いずれもわが国においては馴染みの薄いものであることからすれば、本願の指定商品である「薬剤」の需要者が本願商標に接した場合に、その構成中の「PHOS」と「LO」の各文字部分について、その英語上の正確な発音をすることやその意味を理解することは困難であろうと容易に推測し得るところである。

してみると、本願商標は、前記したとおり、視覚上一体的に看取されることも相俟って、全体として特定の観念を生じない造語よりなるものというのが相当である。

そして、造語と理解される商標にあっては、これに接する需要者は、これを馴染みのある英語の発音に従って英語風に称呼する場合、ローマ字読みにして称呼する場合、あるいはこれらを組み合わせて称呼する場合があると考えられるところ、わが国においては、例えば、一般によく知られている「telephone card」や「photo」を、それぞれ「テレホンカード」、「フォト」と発音したり表記したりするように、本願商標中の「PHOS」の文字部分についても、「フォス」又は「ホス」と称呼する場合が多いとみるのが相当である。このことは、第1号証中の「phos」の綴りより始まる英単語の意味に、「ホス・・」と片仮名表記されていることからも首肯し得るところである。

また、本願商標中の「LO」の文字部分は、よく知られている英単語の「hello」を「ハロー」と発音するように、「lo」が末尾に位置する場合は、「ロー」と長音を伴って発音される場合があり、なおかつ、ローマ字読み風に「ロ」と称呼する場合もあるというのが相当である。

そうであるとすれば、本願商標は、その構成全体をもって、「フォスロー」又は「ホスロー」の称呼のほか、「フォスロ」又は「ホスロ」の称呼をも自然に生ずるものといわなければならない。

(2)引用商標について

引用商標は、前記構成よりなるものであるところ、上段に書された片仮名文字部分が欧文字部分の読みを表したと理解されるものであるから、これより「ホスロ」の称呼を生ずるものであって、構成文字全体として特定の語義を有しない造語よりなるものと認める。

(3)本願商標と引用商標との類否について

ア.本願商標を「フォスロー」と称呼した場合

本願商標より生ずる「フォスロー」と引用商標より生ずる「ホスロ」の称呼とは、第1音目において「フォ」と「ホ」の音の差異及び末尾において「ロ」の音の長音の有無の差異を有するものであるところ、「フォ」と「ホ」の音は、母音「o」を共通にする近似音であるばかりでなく、末尾における長音は、前音「ロ」の母音「o」に吸収されやすく、明瞭には聴取され難いものであるから、それぞれを全体として称呼した場合は、その語調、語感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤られるおそれがあるものである。

イ.本願商標を「ホスロー」と称呼した場合

本願商標より生ずる「ホスロー」と引用商標より生ずる「ホスロ」の称呼とは、末尾における長音の有無の差異を有するにすぎないものであるから、それぞれを全体として称呼した場合は、その語調、語感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤られるおそれがあるものである。

ウ.本願商標を「フォスロ」と称呼した場合

本願商標より生ずる「フォスロ」と引用商標より生ずる「ホスロ」の称呼とは、第1音目における「フォ」と「ホ」の音の差異を有するにすぎないものであるから、それぞれを全体として称呼した場合は、その語調、語感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤られるおそれがあるものである。

エ.本願商標を「ホスロ」と称呼した場合

本願商標より生ずる「ホスロ」と引用商標より生ずる「ホスロ」の称呼とは同一のものである。

オ.してみると、本願商標より生ずると認められる自然の称呼は、引用商標より生ずる称呼と類似するか、若しくは同一のものである。

そして、本願商標と引用商標とは、前記したとおり、いずれも特定の語義を有しない造語として理解されるものであるから、両商標の有する観念の差異が、両称呼の類否判断に影響を及ぼすということもない。

カ.したがって、本願商標と引用商標とは、外観上の差異を有するものであるとしても、称呼上類似若しくは同一の商標であって、本願の指定商品は、引用商標の指定商品中の「薬剤」において同一のものである。

(4)請求人の主張について

請求人は、本願商標より生ずる称呼は、「ファスロウ」であるとし、これを前提に、本願商標と引用商標とは称呼上非類似であると主張し、審決例を挙げているが、本願商標より生ずる自然の称呼は、前記したとおり、「フォスロー」、「ホスロー」、「フォスロ」又は「ホスロ」とみるのが相当であるから、請求人の主張はその前提において誤りがあるものといわざるを得ず、採用することができない。

(5)以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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