Trademark Appeal Case
エリクシール商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−10740(T2000−10740/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1本願商標
本願商標は、「エリクシール」の片仮名文字と「ELIXIR」の欧文字を上下二段に横書きしてなり、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,失禁用おしめ」を指定商品として、平成11年6月22日に登録出願されたものである。
2原査定の理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『エリクシール』、『ELIXIR』の文字を書してなるが、指定商品との関係で、英語で『elixir』は、エリキシル剤であり、アルコール含有の内用液剤で、薬品または生薬の浸出液にアルコール,水,白糖,芳香剤を混和してつくるものであるから、指定商品中エリキシル剤に使用するときは、単に品質を表すものとして、識別力がない。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3当審の判断
当審において、「elixir(エリキシル)」について、職権により行った証拠調べ(平成14年2月21日付け証拠調べ通知書)によれば、「elixir(エリキシル)」の語は、「エリキシル剤であり、アルコール・・・混和してつくるもの」であることが認められた。
ところで、本願商標は、前記したとおり、「エリクシール」、「ELIXIR」の文字を書してなるものであるところ、その構成中の「ELIXIR」の文字部分は、上記「エリキシル剤」を意味する語であることは明らかである。
そうとすると、本願商標は、その構成中に、「ELIXIR」(elixir)の片仮名表記として通常用いられない「エリクシール」の文字を有するものであるとしても、該片仮名文字は、「ELIXIR」(elixir)の通常使用される片仮名表記と称呼上極めて近似すること、商品「エリキシル剤」は、その需要者を一般の消費者とするものではなく、薬剤製造会社、あるいは薬剤師、医師等医薬品についての専門家を対象とする商品であるといえることなどを勘案すると、これら需要者が本願商標に接した場合は、その構成中の「ELIXIR」の文字部分に着目し、これより「エリキシル剤」であることを認識する場合が多いとみるのが相当である。
また、「エリクシール」の文字部分については、薬剤の分野ではドイツ語が比較的多く用いられるところから、欧文字「ELIXIR」をドイツ語風の発音を片仮名表記したものと理解するにとどまるというのが相当である。
してみると、本願商標は、その構成全体をもって、「エリキシル剤」を表すものといえるから、これをその指定商品中「エリキシル剤」について使用しても、単に商品の品質を表示するものであり、「エリキシル剤」以外の商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
なお、請求人は、わが国における「エリキシル剤」の表記は「エリキシル剤」「Elixirs」であり、証拠調べにおける表記は、「elixir」「Elixir」「エリキシル」等であるから、本願商標は、「エリキシル剤」「Elixirs」を普通に用いられる方法で表示するものではなく、また、過去に本願商標と同一の構成よりなる商標が登録がされている旨主張している。
しかしながら、本願商標は、薬剤等を取り扱う分野の実情からすれば、その構成全体をもって、「エリキシル剤」が看取されること前記認定のとおりである。そして、商標法第3条第1項第3号の「普通に用いられる方法で表示する標章」とは、一般的には文字の表示態様において、普通の態様(書体等)で表示された標章をいうものと解されるところ、本願商標の「ELIXIR」とは大文字と小文字の相違であり、その各文字を一般に用いられる方法で表示してなるものである。
また、過去の登録例は、本件とは商品区分を異にするものであり、本件と過去の登録例とを同列に論ずることはできない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3項及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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