Trademark Appeal Case
ウレタンポリマー加工の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−15459(T2000−15459/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ウレタンポリマー加工」の文字を横書きしてなり、第37類「自動車の洗車及びつや出し,自動車の修理又は整備」を指定役務として、平成11年3月30日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『ウレタンポリマー樹脂を用いて行う加工』という意味合いを直観させる『ウレタンポリマー加工』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願指定役務に使用しても、これに接する需要者及び取引者は、ウレタンポリマー樹脂を用いた車体の保護・つや出しや補修という程度の意味合いを認識するに止まり、単にその役務の質(内容等)を表示したものと認識されるにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「ウレタンポリマー加工」の文字よりなるものであるところ、その構成中の「ウレタンポリマー」の文字部分は、接着剤、塗料、コーティング剤等の原材料として普通に使用されているものである。
そして、請求人以外の者が、自動車のつや出し、自動車の塗装等の自動車整備分野において、前記ウレタンポリマーを原材料とする塗装剤及びつや出し剤を使用して車の整備(加工)を行い、それを「ウレタンポリマー加工」と称している実情がある。
そうすると、このような自動車整備関連分野の実情からすると、前記構成よりなる本願商標をその指定役務について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、車の整備方法を表示するものと理解するにとどまり自他役務を識別するための商標であるとは認識し得ないとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができないものである。
請求人は、「本願商標は、商標法第3条第2項に該当する。」旨主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第209号証を提出した。
ところで、商標法第3条第2項の趣旨は、同法第3条第1項第3号ないし同第5号に該当するような本来的には自他商品又は役務について、識別力のない商標を特定の者が永年独占的にその業務に係る商品又は役務について使用した結果、それら商品又は役務の需要者、取引者の間において当該使用者の商品又は役務を表示するものとして広く認識されるに至った場合に初めて、その商標登録を認めようとするものである。
そのため、その適用が受けられる商標(登録出願に係る商標)は、特定の者の業務に係る商品又は役務として広く認識された商標と同一の商標及びその商標が使用されていた商品又は役務と同一のものに限られるものと解される。
そこで、本願商標が、商標法第3条第2項に該当するか否かについて検討するに、請求人の提出した資料を徴すれば、甲第1号証ないし甲第154号証は、いずれも、画一的な証明書に、請求人と、取引あるいは顧客の関係にある者が署名捺印したものと推認されるところ、その署名者は、ほとんどが新潟県所在の者であるばかりではなく、その証明書の一部には捺印のないものもあり、また、いかなる根拠により「ウレタンポリマー加工」標章の著名性を証明したものであるか明らかでない。
また、甲第155号証ないし甲第209号証は、新潟県を対象に販売されている雑誌や頒布されたと認められるチラシ類、道路脇の立て看板の写真、上越産業フェアにおける写真等であるところ、これらに表示された標章は、必ずしも本願商標とその構成を同一にするものではないのみならず、その証拠中、甲第157号証、甲第159号証、甲第160号証、甲第174号証、甲第192号証は、請求人以外の者が「ウレタンポリマー」、「ウレタンポリマー加工」なる語を使用していることが認められる。
そうすると本願商標は、請求人が提出したこれらの証拠によっては、請求人の業務に係る役務を表示する商標として需要者間に広く認識されているものとは認めることはできないから、いまだ、商標法第3条第2項の適用を受けるに至っているものということはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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