Trademark Appeal Case
BS・CS・110°の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−994(T2001−994/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「BS・CS110°」の文字を書してなり、第9類「アンテナ,放送受信用チューナー,テレビジョン受信機,ビデオテープレコーダー,放送受信用コンバーター」を指定商品として、平成11年1月27日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、これをその指定商品中『放送衛星・通信衛星用の各商品』に使用しても、『通信衛星及び放送衛星用の受信をする商品』であることを認識させるにとどまり、単にその商品の品質、機能等を表示するにすぎないものと認められ、また、前記以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記の構成よりなるところ、本願の指定商品との関係においては、その構成中の「BS」の文字は「放送衛星(Broadcasting Satellite)」の略語として、同「CS」の文字は「通信衛星(Communications Satellite)」の略語として、また、同「110°」の文字は「BS及びCSの軌道である東経110度」を意味するものとして、容易に理解されるものである。
このことは、たとえば、「現代用語の基礎知識」(株式会社自由国民社2002年1月1日発行)の情報・メディア欄の放送・映像の項に、「放送衛星」の見出しで「赤道上空3万6000キロメートルの静止軌道上に浮かぶ放送衛星(BS)及び通信衛星(CS)から家庭に直接電波を届ける放送。......」、「BS放送」の見出しで「衛星放送の中でも、放送衛星(BS broadcasting satellite)を使った放送。......」、「通信衛星(CS)[communications satellite]」の見出し、「CS放送」の見出しで「通信衛星(CS)を使った放送。......」及び「東経110度・BS−CS」の見出しで「BSAT−1a[NHKのBS(放送衛星)やWOWOWなどが使用している衛星]と同じ軌道位置である東経110度に、CS(通信衛星)N−SAT−110が打ち上げられるが、...BS・CS両放送の共用受信が可能になり、視聴者は1つのパラボラアンテナで多くの番組を経済的に簡単に楽しめる。......BSとCSが初めて同じ位置に上がることになる。そのためそれぞれ1つずつ必要だったアンテナとチューナーが1つだけですみ、...」等の記述があること、また、「知恵蔵」(朝日新聞社2002年1月1日発行)の社会欄の放送の項に、「衛星放送/BSテレビ」の見出しで「放送衛星(BS)を経由した放送サービス。......」、「CSデジタル放送」の見出しで「通信衛星(CS)を用いて、直接、契約世帯にサービスを提供するデジタル放送。......」及び「110度CS放送」の見出しで「東経110度に打ち上げられる通信衛星(CS)を用いて提供する放送サービス。......110度CSは、放送衛星(BS)と軌道位置が同じことから、BS放送受信用のパラボラ・アンテナでも受信することができる......」等の記述があることから、容易に確認することができる。
ところで、本年3月から東経110度に位置するCSの放送利用が開始され、それに伴いそれを受信するための機器が開発・発売されているところ、前記「現代用語の基礎知識」等の記述からもわかるとおり、需要者にとっての当該CS放送開始による最大のメリットは、CSとBSが東経110度という同一軌道上に位置することから、BS放送との共同受信が1つの機器で可能となることである。
しかして、本願商標は、上記各文字を「BS・CS110°」と一連に表してなるものにすぎず、これをその指定商品に使用した場合、上記の実情よりすれば、これに接する取引者、需要者は、該商品が当該BS及びCSの両衛星放送の受信に対応したものであることを認識するにすぎないと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、その指定商品中、「当該BS及びCSの両衛星放送受信用の商品あるいは両衛星放送受信対応の機能をもつ商品」に使用するときは、単にその商品の品質(機能・用途)を表示するにすぎないものであり、また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとの原査定の判断は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、登録例を挙げて種々主張しているが、その事例は商標の具体的構成において本願商標とは事案を異にするばかりでなく、その事例をもって本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でないものであって、本願商標については前記認定を相当とするものであるから、その主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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