Trademark Appeal Case
あわせしょうゆの品質表示
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第17828号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「あわせしょうゆ」の平仮名文字を横書してなり、第30類「しょうゆ」を指定商品として、平成8年8月9日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『鰹節の煮出し汁や、みりん等の調味料を混ぜ合わせたしょうゆ』を指称する『あわせしょうゆ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるから、これを本願指定商品に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記したとおり、「あわせしょうゆ」の文字を書してなるところ、株式会社岩波書店1998年11月11日発行「広辞苑 第5版」の「あわせ」の項に、「二つ、またはそれ以上のものを、いっしょにすること。合せること。」との記載が、「しょうゆ」の項に、「調味料の一。旨味とからみとを有し、特有の香気をもつ褐色の液汁。大豆と小麦とで作った麹と食塩水とを原料として醸造する。」との記載があり、前記「あわせ」の項には、「合わせ醤油 醤油に他の調味料、あるいはさらに種々の材料をまぜたもの。」と記載されていることが認められる。
そして、「しょうゆ」は、JAS規格に基づき「濃口しょうゆ」「薄口しょうゆ」「たまりしょうゆ」「再仕込みしょうゆ」「白しょうゆ」(株式会社調理栄養教育公社平成10年12月25日改訂版第1刷発行 改訂調理用語辞典)の名称の下に分類され、それぞれの料理に合わせて用いられているところ、近時、日本人の食生活は、日常の生活の多様化等の生活環境の変化や食生活を取り巻く社会的状況において、調味料等の加工食料品の食品分野においては、鉄分、ビタミンCあるいは食物繊維等の栄養成分を添加したことを付加価値とした商品が多数市場に出回っていることは周知の事実である。
そして、このような商品は本願の指定商品である「しょうゆ」の分野においても例外ではなく、調理時間の短縮、料理の内容に合わせそれぞれの旨味を一体化したしょうゆの開発が行われて、市販されている実情にある。(例えば、さしみしょうゆ等)
上記事実と食品分野の取引の実情よりすると、「あわせしょうゆ」の文字よりなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「醤油と醤油を合わせたもの」あるいは「醤油に他の調味料あるいはさらに種々の材料をまぜた商品」なる意味合いを表したものと容易に理解し、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないものとみるのが相当である。
してみると、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、単にその商品の品質を表示するにすぎないものであるといわざるを得ない。
なお、請求人は、実際の市場において、使用による自他商品識別力を獲得している旨主張し、証拠方法として甲第5号証ないし同第9号証を提出しているが、提出された資料のみでは、あわせしょうゆを販売している事実を窺うことはできるが、反面他の業者による使用も窺うことができ、請求人の事業に係る商品を表す商標として認識されているものと認めることはできない。そうとすれば、前記の証拠をもってしては、本願商標が永年にわたり使用された結果、商標法第3条第2項に該当するに至ったものと認定するには十分なものとはいい難く、その主張は採用することができない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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