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Trademark Appeal Case

地名商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第18566号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「那須高原」(「NASUKOGEN」、「ナスコウゲン」、「なすこうげん」の文字に比較して大きく書してなる。)の漢字、「NASUKOGEN」の欧文字、「ナスコウゲン」の片仮名文字、「なすこうげん」の平仮名文字を四段に横書してなり、第33類「日本酒、洋酒、果実酒、中国酒、薬味酒」を指定商品として、平成8年10月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『栃木県那須郡にある著名な観光地である那須高原』を表す『那須高原』『NASUKOGEN』『ナスコウゲン』『なすこうげん』の文字を、普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これを本願指定商品に使用しても、単に商品の産地、販売地を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記したとおり「那須高原」「NASUKOGEN」「ナスコウゲン」、「なすこうげん」の各文字を書してなるところ、「那須高原」の語については、株式会社三省堂1989年12月15日発行「コンサイス日本地名事典 第3版」には、「那須郡那須町。那須岳南東麓の、那珂川以北に展開する高原。大丸温泉と国道4号間の扇形地域の通称。かって那須御用邸やゴルフ場となっていた程度で、広く自然景観を残していた。第二次大戦後の農業開拓地が多く、酪農のほか、土地改良による水田が見られる。国道4号や東北自動車道と関連し、現在別荘地の分譲が大規模に進められている。」との記載が、また、株式会社角川書店昭和59年12月8日発行「角川日本地名大辞典9 栃木県」には、「黒磯市と那須郡那須町、那須火山群の南東麓に開ける火山裾野の総称。・・・・山麓沿いに那須の温泉郡が分布し、スキー場・ゴルフ場・ハイランドパーク・南ガ丘牧場・自然研究路などが整備されている。最近は別荘地やレジャー施設などの観光開発が進んでいる。高原上には山麓近くに那須高原有料道路・那須山麓有料道路・那須甲子有料道路、東部には東北自動車道が通り、春の新緑と、ツツジ、夏の登山、キャンプ、ハイキング、秋の紅葉、冬のスキーと四季を通して観光・行楽地となつている。」との記載が、株式会社小学館1996年12月20日発行「日本地名大百科 ランドジャポニカ」には、「県北東部。那須岳南東麓に広がる高原。大丸温泉から国道4号までの間の、火山灰や泥流で形成された火山裾野をさす。・・・・温泉も多く、牧場、ゴルフ場、スキー場などの施設が整い、別荘地が広がる那須観光の中心地。」との記載があることが認められる。

そして、「那須高原」は、別荘地等の宿泊施設、温泉、スキー等のスポーツ施設、キャンプ場等が存在する観光地、保養地として広く一般に知られているものであり、その地において、菓子、ワイン、ハム、地ビール、日本酒等の名産品や土産品が販売されることは容易に想定できるところである。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、「那須高原」において、生産又は販売されたものと把握し、認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有する商標としては認識し得ないものと判断するのが相当である。

なお、請求人は、「那須高原」の文字が商品「焼酎」で登録され現に使用し、日本酒においても使用し請求人の商標として周知、著名であること、また、「高原」の文字を付した商標が登録されている旨主張している。

しかしながら、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、商品や役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから、何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであるから一私人に独占を認めるのは妥当ではなく、また、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を認めることができないものと解されるものであって、他に登録商標があることのみをもって、判断を拘束される法律上の根拠はないものである。そして、本願商標は、その判断時である審決時において、前記認定を妥当とするものであるから、請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき理由がない。

よって、結論のとおり審決する。

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