Trademark Appeal Case
複合商標の要部と称呼
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第18903号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「SHS本設地盤アンカー」の文字よりなり、第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,土木一式工事に関する助言・媒介・取次,土木機械器具の修理又は保守,土木機械器具の貸与」を指定役務として、平成8年11月26日に登録出願、指定役務については、平成10年8月5日付けの手続補正書により、第37類「地盤アンカー工法による山留め工事,地盤アンカー工法による山留め工事に関する助言・媒介・取次」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3218765号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年9月7日に特例商標登録出願され、第37類「建築一式工事」を指定役務として、平成8年11月29日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、「SHS本設地盤アンカー」の文字よりなるところ、請求人提出の資料7ないし資料9、また、株式会社産業調査会事典出版センター発行の「建築工事工法事典」中の「アンカー式山留め工法」及び「永久アンカー工法」の項を総合すると、本願指定役務を取り扱う業界においては、アンカー式山留め工法の一種に「永久アンカー工法」と同義として使用されている「本設地盤アンカー工法」なる工法名が認められる。
そうすると、本願商標をその指定役務に使用した場合、取引者・需要者は、本願商標構成中の「本設地盤アンカー」の文字部分は、上記「本設地盤アンカー工法」を想起し、役務の質を表示するものとして認識するに止まり、これより「SHS」の文字部分に自他役務識別機能を見出し、取引に資する場合も決して少なくないものと認められるから、該文字に相応して「エスエッチエス」の称呼をも生ずるものといえる。
他方、引用商標は、別掲のとおり、「SHS」の文字よりなるものであるから、構成文字に相応して「エスエッチエス」の称呼を生じること明らかである。
してみれば、本願商標と引用商標は、外観上相違し、観念上比較すべくもないとしても、それぞれより生ずると認められる「エスエッチエス」の称呼において共通する類似の商標であり、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を含むものである。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標は一体不可分であり、引用商標とは区別されるべきである旨述べ、さらに、たとえ識別力自体が薄いとしても、本願商標は出願人が土木業界において長年の広範な使用の結果、全国的に広く普及し自他役務の識別標識としての機能を有するに至った旨主張し、その証拠方法として、資料3ないし資料9を提出しているが、商標が、その構成において分断され認識される場合があるか否かは、単に構成文字の種類の差異のみならず、その指定商品、指定役務との関係等をも考慮し判断されるべきであって、この点において請求人が示す登録例は本件と事案を異にするものであり、同一に論ずることができない。また、資料7ないし資料9に「SHS本設地盤アンカー」という語が使用されている事実は認められるが、それが直ちに本願商標が常に一体不可分にのみ認識、把握される客観的な証拠とはなり得ず、上記認定判断を左右するものとはいえない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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