1 本願商標
本願商標は、「CAVAS MURVIEDRO」(「S」と「M」間の半文字程度の間隔を含む。)の欧文字を横書きしてなり、第33類「果実酒」を指定商品として、平成10年8月10日に登録出願され、その後、指定商品については、同11年11月18日付手続補正書により第33類「ぶどう酒」に補正されたものである。
2 原査定の理由
本願商標は、「スペイン東部の都市サグント(旧称ムルビエドロ)で生産されたスパークリングワインの一種であるカヴァ」を認識させることも決して少なくない 「CAVAS MURVIEDRO」の欧文字を普通に用いられる方法で表してなるものであるから、これを本願指定商品中「ぶどう酒」に使用するときは、単に商品の品質、産地、販売地を表示するにすぎないものと認める。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
本願商標は、前項1に記載のとおり「CAVAS MURVIEDRO」の文字からなるところ、構成中「CAVAS」と「MURVIEDRO」の間の間隔を含め全体を一連に外観上まとまりよく一体的に表されているものである。
そして、「CAVAS」の文字部分は、スペインの発泡性ぶどう酒(スパークリングワイン)を表す「CAVA」とその綴り文字を異にし、しかも、請求人提出の手続補足書甲第4号証によると、「CAVAS」の文字は英語で「WINE CELLARS」と訳され「酒蔵」を意味する語とみられるものであり、また、「MURVIEDRO」の語は、スペイン東部に在る都市サグント(Sagunt)の旧称と紹介されている文献があるとしても、その地名が商品、特にぶどう酒の産地又は販売地を表し又はそのように使用されている事実は発見されない。
してみると、本願商標は、その構成中に「CAVA」の文字、及びスペインの旧都市名である「MURVIEDRO」の文字が含まれているとしても、それがスペインの都市サグントで生産された発泡性ぶどう酒の一種であるカヴァ(CAVA)を意味するものとなっているとは認められず、むしろ、それらの語がわが国においてあまり親しまれていないスペインにおける語及び旧都市名であることを考慮すると、全体が一種の造語からなる一体不可分の商標とみるのが相当である。
なお、請求人(出願人)提出のスペイン登録証である意見書甲第5号証及び手続補足書甲第9号証によると、本国であるスペインにおいて、本願商標と同一綴り文字からなる商標が第33類「VINES DE TODAS CLASES」(全種類のワイン)を指定商品として1953年に登録出願、翌年2月5日に登録(登録番号274715の2)され、その登録は更新により2003年11月2日まで有効となっていることが認められる。
してみれば、本願商標は、指定商品の品質、産地又は販売地を表示するものとはいえないものであり、かつ補正後の指定商品に使用するとしても商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるとは認められないものである。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして拒絶すべきでない。
その他、本願ついて拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。