結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−30865(T2001−30865/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第3171001号商標(以下、「本件商標」という。)は、「SPIRAL」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月24日に登録出願、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,美容,理容,入浴施設の提供,写真の撮影,オフセット印刷,グラビア印刷,スクリ―ン印刷,石版印刷,凸版印刷,気象情報の提供,求人情報の提供,結婚又は交際を希望する者への異性の紹介,婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供,葬儀の執行,墓地又は納骨堂の提供,一般廃棄物の収集及び処分,産業廃棄物の収集及び処分,庭園又は花壇の手入れ,庭園樹の植樹,肥料の散布,雑草の防除,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものに限る。),建築物の設計,測量,地質の調査,デザインの考案,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,建築又は都市計画に関する研究,公害の防止に関する試験又は研究,電気に関する試験又は研究,土木に関する試験又は研究,農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,通訳,翻訳,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,あん摩・マッサ―ジ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,健康診断,歯科医業,調剤,栄養の指導,家畜の診療,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,編機の貸与,ミシンの貸与,衣服の貸与,植木の貸与,計測器の貸与,コンバインの貸与,祭壇の貸与,自動販売機の貸与,消火器の貸与,超音波診断装置の貸与,展示施設の貸与,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テ―プその他の周辺機器を含む。)の貸与,布団の貸与,ル―ムク―ラ―の貸与」を指定役務として、同8年6月28日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のとおり述べた。
本件商標は、指定役務中、「あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,健康診断,歯科医業,調剤」について、継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきである。
(1)答弁の趣旨
本件審判請求は成り立たない、審判の費用は、請求人が負担する、との審決を求める。
(2)答弁の理由
被請求人は、証拠方法として、乙第1号証ないし同第15号証(枝番号を含む。)を提出し、答弁の理由を以下のとおり述べた。
乙第1号証ないし同第12号証をもって、以下に証明するとおり、本件審判請求に係る予告登録前3年以内に、被請求人はその子会社「東京都港区南青山5−6−23在 株式会社ワコールアートセンター」(乙第1号証及び同第2号証)に対して本件商標の使用を許諾し、「株式会社ワコールアートセンター」は、同社が同地において営む「ワコールトータルビューティサロン『amoem(アモ園)』」(乙第3号証ないし同第7号証)において、本件商標をその指定役務「マッサージ」について使用している。
被請求人は、「株式会社ワコールアートセンター」に対して本件商標の使用を許諾したところ、「株式会社ワコールアートセンター」(以下、「通常使用権者」という。)は、同社が営む「東京都港区南青山5−6−23 ワコールトータルビューティサロン『amoem(アモ園)』」において、本件予告登録前から、本件商標を指定役務「マッサージ」に使用しているものである。乙第4号証は、ワコールトータルビューティサロン「amoem(アモ園)」において、本件予告登録前からホームページを作成して発信している営業内容を宣伝、広告しているページであるところ、該ページ左上には、「Spiral」が表示されている。
また、前掲「amoem(アモ園)」が発行している営業案内パンフレット(乙第5号証)及び「Esthetic Menu」(乙第6号証)の各裏面にも、それぞれ「spiral」が表示されている。株式会社ワコールアートセンター発行の営業案内パンフレットにも、裏面等に「spiral」が表示されているとともに、前掲「amoem(アモ園)」の営業が掲載されている(乙第7号証)。これら「Spiral」「spiral」の表示は、本件商標の使用の範囲内ものである。
そして、乙第4号証には、「パックマッサージコース」を提供している旨、乙第6号証には、「アモ園オリジナルコース」、「リフレクソロジー」に係る役務として、「脚の付け根までのマッサージにより脚の疲労・むくみを解消いたします。」と役務「マッサージ」を提供している旨記載されている。
以上のとおり、通常使用権者は、本件商標を指定役務「マッサージ」について使用しているものである。
しかして、乙第6号証に示すとおり、通常使用権者の提供する役務は「マッサージ」に当たるものである。
すなわち、エステティックにおける役務の提供は、従来は、顔や手、足などについて専ら外形的美しさを追究する美容が中心であったが、近時のエステティックにおいては、更に、皮膚のたるみやむくみ、加齢現象などを予防し、また、疲労や肩凝り、ストレス解消と身体のみならず精神的リラクゼーションのための役務が提供されている。この中で、マッサージについては、各種オイルなど薬液の吸収効果を高めるためのものから、筋肉や頭皮などのツボをもみほぐして血行を良くし、疲労を取り去り、また、老廃物の代謝を早める本格的なマッサージに至る役務も提供されている(乙第8号証ないし同第11号証)。
このように、現在では、美容とマッサージとの融合化が図られており、ワコールトータルビューティサロン「amoem(アモ園)」で提供している「マッサージ」は、美容を超えたマッサージの提供の範鴫に属する役務である。
この事実は、前掲「amoem(アモ園)」で提供する役務を紹介した雑誌記事に係る乙第8号証ないし同第11号証でも明らかであり、中でも乙第8号証では、常連客モデル田嶋よう子の紹介記事に、「頭皮のマッサージでむくみや凝りも解消」、「手足の先までマッサージ」、「超絶マッサージ...」の各タイトルの下で、「5種類の複雑な動きを組み合わせたハンドマッサージにはそれぞれ違う効果がある。」との記述と共に、手、足、頭皮及び肩をマッサージしている写真が掲載されていることからも認められるものであり、これらのマッサージは美容を超えた本格的なマッサージであることを証明している。そして、乙第8号証ないし同第11号証に係る雑誌はいずれも予告登録前3以内の発行に係るものである。
仮に、前示のマッサージが美容的なマッサージだとしても、社会通念上、美容効果のためのマッサージも、「マッサージ」の概念に含まれるものである(「広辞苑」第五版 2515頁乙第12号証)。
不使用取消審判制度は、登録主義の弊害を取り除くため、不使用登録商標の整理を目的とする制度であるところ、全く使用されていないような登録商標は、第三者の商標選択の余地を狭めるから、排他的な権利を与えておくべきでないことを主たる理由とするものであり(「工業所有権法逐条解説」15版1141頁乙第13号証及び後掲判決乙第14号証参照)、全く使用をしていない登録商標を取り消せば目的は達成され、この審判制度の運用においてはこの趣旨に従い、審判決もその立場を採用して、例えば、商標については、識別標識としての使用か否かに関わらず商品に付された標章は、商標の使用に該当するものであり(東京高裁 平成2年(行ケ)第48号 同3年2月28日判決 知的財産権関係民事・行政裁判例集23巻1号163頁 乙第14号証)、また、商品についても、登録商標が使用されている当該商品の実質に則して、それが真に二つの分類に属する二面性を有する商品であれば、当該二つの分類に属する商品について登録商標が使用されているとして取り扱って差し支えないとされている(東京高裁 昭和57年(行ケ)第67号 同60年5月14日判決 無体財産権関係民事・行政裁判例集17巻2号213頁 乙第15号証)。
前掲した判決例からみても、前述したとおり、通常使用権者は、本件予告登録前3年以内に、指定役務「マッサージ」について、本件商標を使用していたものである。
したがって、本件審判請求は成り立たない旨の審決がなされるべきである。
(1)商標法第50条の商標登録の取消審判にあっては、その登録商標の使用をしていないことについて正当な理由がある場合を除いて、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れないとされている。
(2)そこで、被請求人提出の乙各号証を徴するに、乙第1号証は、被請求人の「有価証券報告書」、同第2号証は、請求外「株式会社ワコールアートセンター」の登記簿謄本写し、同第3号証は、被請求人の「会社案内」であるが、これらによって示されたものは、被請求人が子会社である「株式会社ワコールアートセンター」によって、「スパイラル」なる複合文化施設を東京南青山に保有していることであり、また、乙第4号証ないし同第7号証は、その複合文化施設及びその建物内で営業している「アモ園」「amoem」が提供しているサービスの内容又は所在場所並びに施設等を示すにすぎない「インターネットホームページ」「パンフレット」「複合文化施設(スパイラル)の案内書」である。また、乙第8号証ないし同第11号証は、「アモ園」「amoem」が提供している「パックマッサージ」等を紹介している雑誌の記事の写しであり、乙第11号証ないし同第15号証は、上記提供に係るサービスが、請求に係る指定役務の範ちゅうに属するものであることを理由付ける資料である。
なお、被請求人は、平成13年11月19日付け手続補正書をもって、上記証拠方法を補強する証明書の追加提出をしているが、これが上記認定を左右するものではない。
(3)そして、以上の証明事実によれば、本件商標は、被請求人の子会社である「株式会社ワコールアートセンター」が提供する「会議、展示のための施設の提供」等の役務に使用していると認め得るとしても、請求に係る指定役務のいずれかについて使用していることを認めることができず、また、他に、使用の事実を認めることができず、さらに、その登録商標の使用をしていないことについて正当な理由があるとも認められない。
けだし、証明に係る「パックマッサージ」等が請求に係る指定役務の範ちゅうに属するか否かはさておき、該サービスについて使用されている商標は、「アモ園」「amoem」等であって、本件商標の下に提供されているものとはいい得ないからである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その指定役務中の請求に係る役務「あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,医業,健康診断,歯科医業,調剤」について、取り消すべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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