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Trademark Appeal Case

称呼同一と外観観念非類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第17056号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「好腸先生」の漢字を横書きしてなり、第29類「乳酸菌生産物質・酵母・デキストリンを主原料とする粉末状の加工食品」を指定商品として平成8年9月13日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第1910422号商標(以下「引用商標」という。)は、「校長先生」の漢字を横書きしてなり、昭和59年5月23日登録出願、第32類「肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として同61年11月27日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)商品の類否について

本願商標の指定商品と引用商標の指定商品を比較するに、本願商標は、その指定商品「乳酸菌生産物質・酵母・デキストリンを主原料とする粉末状の加工食品」の表示からして、いわゆる「健康食品」(以下、単に「健康食品」という。)の範ちゅうに属するものといえるものである。

一方、引用商標の指定商品は、昭和34年法における旧商品区分(昭和35年政令第19号の別表による商品区分、以下「旧政令」という。)の第32類(以下「旧第32類」という。)に掲げられた全ての商品を指定商品とするものである。

ところで、この旧第32類中に掲げられている商品概念「加工食料品(他の類に属するものを除く)」は、その括弧書きからして、他の類に積極的に属している「加工食料品」を除いた一切の「加工食料品」を包含している商品概念と解すべきである。さらに、この「加工食料品」中に具体的に包含されている商品については、昭和35年通商産業省令第13号の商標法施行規則(以下「旧省令」という。)において掲げられた旧第32類のそれぞれの概念表示、その概念下に例示された具体的商品、その材料、生産体系、販売系統等から、合理的に判断することとなる。そして、「健康食品」は、旧第32類以外の旧省令下の他の類に含まれているものといえないものであるし、「健康食品」の商品としての表示内容「特定の健康に良いとされる食品材料を加工した食品」からしても、結局のところ、「加工食料品」を包含している旧第32類に所属していた商品というのが相当である。

また、平成4年4月1日にわが国がニース協定で定める国際分類を採用し、これに即した分類体系を採った現行分類における商品は、その商品内容については旧政令及び旧省令の商品内容を実質的に引き継いでいるものである。

したがって、本願商標の指定商品「乳酸菌生産物質・酵母・デキストリンを主原料とする粉末状の加工食品」は、引用商標の指定商品中の「加工食料品(他の類に属するものを除く)」に包含される商品といわざるを得ない。

以上のとおりであるから、本願商標が引用商標と非類似の商品を指定商品とするものであるとする請求人の主張は、採用できない。

(2)商標の類否について

一般に商標が類似するかどうかは、対比される両商標が同一または類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきものであり、その類否判断をするに当たっては、両商標の外観、称呼、観念を観察し、それらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであって、上記3要素の特定の一つの対比のみによってなされるべきものではないと解されるところである。

これを本件についてみるに、本願商標は「好腸先生」、引用商標は「校長先生」の漢字よりなるものであるから、本願商標と引用商標とは「コウチョウセンセイ」の称呼を同じくするものであるが、両者は、外観において明らかに異なり、観念においても、前者が「好」と「腸」の漢字に「先生」付加した特定の意味を有しない造語であるのに対し、後者は、一般に親しまれている「学校長」の意味を有するものであるから、両者は著しく相違するものである。

また、本願商標の指定商品「乳酸菌生産物質・酵母・デキストリンを主原料とする粉末状の加工食品」は、上記(1)のとおり、引用商標の指定商品中の「加工食料品(他の類に属するものを除く)」に包含されている類似の商品ではあるが、昨今の健康志向の高まりから特にブームとなっている「健康食品」であって、その商品の特殊性から、健康食品専門店、デパート等の専門コーナーで販売されることが多く、取引者、需要者も他の一般の食品を購入する際よりも、さらに商品の出所等について注意するようになっていることを考え併せれば、単に称呼のみで商品を購入するのでなく、例えば「学校長」の「コウチョウセンセイ」のごとく連想、識別して取引に当たることも少なくないといえるものであるから、本願商標及び引用商標が各指定商品に使用されたとしても、取引者、需要者が商品の出所につき混同を来すおそれはないというべきである。

(3)以上によれば、本願商標と引用商標とは、称呼の点において一致するとしても、両商標の外観、特に観念において著しく相違するものであるから、外観、称呼及び観念を総合的に考察すると、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を来すおそれのないものであって、全体として類似する商標とみることはできないというのが相当である。

したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取り消しを免れない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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