1 本願商標
本願商標は、「RITZ−CARLTON」の文字を横書きしてなり、第42類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供」を指定役務として、平成4年9月30日に登録出願されたものである。
2 原審における拒絶の理由
原審において登録異議の申立てがあった結果、原査定は、「本願商標は、異議申立人『ザ リッツ ホテル リミテッド』の著名な略称である『RITZ』の文字を有してなるものであるから、役務『宿泊施設の提供,飲食物の提供』について使用したときは、該役務が恰も異議申立人又は同人と何らかの関係のある者の業務に係る役務であるかの如く、役務の出所について混同を生じさせるおそれがある。したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとの本件異議申立ては理由がある。」旨認定、判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり、同書、同大の文字を等間隔でまとまりよく書してなり、これから生ずると認められる「リッツカールトン」の称呼も、よどみなく一気一連に称呼し得るものである。
ところで、請求人が経営するリッツカールトンホテル(RITZ−CARLTON HOTEL)は、アメリカ合衆国を中心に各地にチェーン展開し、我が国にも進出しているほか、辞書(例えば、(株)小学館発行「小学館ランダムハウス英和辞典」)に掲載され、書籍(例えば、日経BP社発行「リッツ・カールトン物語」)で紹介されていること等からすると、「リッツカールトン」及び「RITZ−CARLTON」の文字は、不可分一体のものとして把握し認識され、請求人の経営するホテルを指称するものとして我が国においても需要者間に広く認識されているというべきである。
確かに、原審において異議申立人が提出した各証拠によれば、同人の経営に係るフランス、パリ在のリッツホテル(RITZ HOTEL)は、歴史のあるホテルとして世界的に広く認識されており、我が国においても、該ホテルの名称及びその略称である「リッツ」及び「RITZ」は需要者間に広く認識されているといえる。
しかしながら、「RITZ−CARLTON」の文字については、上記実情からして、本願商標の指定役務の取引者、需要者は、請求人に係る上記ホテルを直観し、異議申立人のリッツホテル(RITZ HOTEL)とは別異のものとして認識し識別するというのが自然である。
そうすると、本願商標は、その指定役務について使用しても、それに接する取引者、需要者が異議申立人のリッツホテル(RITZ HOTEL)を連想、想起するようなことはなく、該役務の出所について混同するおそれはないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものではなく、取消を免れない。
その他、本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。