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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30395(T2001−30395/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第0602140号商標の指定商品中、「第7類 リノリューム製建築専用材料、プラスチックス製建築専用材料、合成建築専用材料、アスフアルトおよびアスファルト製建築または構築専用材料、その他の建築または構築専用材料」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第602140号商標(以下「本件商標」という。)は、「EPOLON」及び「エポロン」の文字を二段に横書きしてなり、昭和36年9月13日に登録出願、第7類「建築又は構築専用材料、セメント、木材、石材、ガラス」を指定商品として、昭和37年12月8日に設定登録、その後、昭和48年6月14日、昭和58年2月22日、平成5年4月27日の三度にわたり、商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、その証拠方法として、甲第1ないし第6号証を提出した。

(1)本件商標は、指定商品中、「リノリューム製建築専用材料、プラスチックス製建築専用材料、合成建築専用材料、アスフアルトおよびアスフアルト製建築または構築専用材料、その他の建築または構築専用材料」については、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないのみならず、その不使用について何ら正当な理由が存するとも認められないものであるから、商標法第50条の規定によりその登録は取り消されるべきである。

(2)被請求人の答弁に対する弁駁

(ア)被請求人が本件商標を使用しているとする「合成建築“専用材料”」とは、専ら建築又は構築に用途を限定されたものとして取引される材料をいう。

したがって、合板が後にたまたま建築に使用されることがあっても、用途を限定しないで単に“合板”として取引される場合は第7類「木材」に属する(甲第3号証)。

(イ)被請求人は、使用の事実を立証しようとする「『合成板』及び『合成棒材』は、薄く切削した木材の単板に熱硬化性樹脂を含浸、これを積層してプレスしたものであり、主に『ドアの取っ手』、『手すり』等の部材として利用され、これらはいずれも本件商標の指定商品中の『合成建築専用材料』に属する商品である。」と主張している。そして、本件商標「EPOLON/エポロン」を「合成板」等に付して「弘進電気工業株式会社」及び「昌立工業株式会社」へ販売した実績を「送品明細書」で示すことで立証せんとしている。

そこで、被請求人の該答弁に対して詳細に反駁する。

(a)被請求人は、「合成建築専用材料」である「合成板」、「合成棒材」を製造・販売している旨を主張しているが、同人のホームページによれば「事業内容」は「半導体パッケージ、電気絶縁材料、エポキシモールド変圧器・コンデンサ等の製造、販売」であり、また、製造している「製品」は「製品紹介」によれば「電子材料・電子部品」、「電気絶縁材料・工業材料・加工品」、「電気機器」のみである。

したがって、被請求人の乙第1号証の「強化木よりなる『合成板』」及び乙第2号証の「強化木よりなる『合成棒材』」の製造は極めて疑わしい。また、乙第1及び第2号証に付されている「登録商標」は、パソコンを用いて簡単に作成しシールで張り付けることができるので、これが現実に市場に流通している事実も同様にその真偽のほどが疑われる。

(b)答弁書には、「本件商標を使用した強化木よりなる『合成板』を大阪市天王寺区南河堀町10番4号に本社を有するコバヤシ産業株式会社の注文により平成12年12月13日に同社の取引先である大阪府大阪市北区大淀中4−14−12に所在する弘進電気工業株式会社に納品しており、そのことは、乙第3号証の証明書に添付の送品明細書に示すとおりである。」と記載されている。

しかし、「強化木よりなる合成板を示すものである。」との記載は認められるが、「専ら建築又は構築に用途を限定されたものとして取引される材料」であることを示す記載は全く認められない。また、「証明書」には、「商品のサンプル」と記載されており、「送品明細書」には全く金額の記載もされていない。かかる「商品サンプル」は、金銭のやり取りがないため商取引の対象とされておらず商標法上の商品足り得ない。さらには、「合成板」を「弘進電気株式会社」に納品したとあるが、同社の目的は「電気機械器具の製造並に修理加工、電気絶縁材料及電気材料の製造販売、鉄道車両信号用部品の製造販売並修理加工、各種繊維製品の販売、前各号に附帯する一切の業務」であり「建築」を事業目的としていないことから「ドアの取っ手」、「手すり」等を製造・販売することは通常考えられないため証拠の真偽が疑われる(甲第5号証)。

(c)答弁書には、「本件商標を使用した強化木よりなる『合成棒材』及び『合成板』を大阪市北区豊崎2丁目6番15号に本社を有する昌立工業株式会社の注文により平成12年9月14日、同年11月13日、同年12月25日及び平成13年1月9日に同社の塚口工場及び宝塚工場に納品しており、そのことは、乙第4号証の証明書に添付の送品明細書に示すとおりである。」と記載されている。

「証明書」には、「商品のサンプル」と記載されており、「送品明細書」には全く金額の記載もされていない。かかる「商品サンプル」は、金銭のやり取りがないため商取引の対象とされておらず商標法上の商品足り得ない。さらには、「合成板」を「昌立工業株式会社」に納品したとあるが、同社の目的は「電気絶縁材料の販売及加工、前号に附帯関連する一切の事業」であり「建築」を事業目的としていないことから「ドアの取っ手」、「手すり」等を製造・販売することは通常考えられないため証拠の真偽が疑われる(甲第6号証)。

(ウ)以上のとおり、本件商標がその指定商品に使用されていないこと及び本件商標の不使用の正当理由もないこと明らかであるから、被請求人の答弁には理由がなく、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、その証拠方法として、乙第1ないし第4号証を提出した。

(1)被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標をその指定商品に属する商品である「合成建築専用材料」に使用している。

本件商標のその商品における使用態様の一例を示すと、乙第1及び第2号証の写真のとおりであるが、乙第1号証の写真にある商品は強化木よりなる「合成板」で、乙第2号証の写真にある商品は強化木よりなる「合成棒材」である。

この「合成板」及び「合成棒材」は、薄く切削した木材の単板に熱硬化性樹脂を含浸、これを積層してプレスしたものであり、主に「ドアの取っ手」、「手すり」等の部材として利用され、これらはいずれも本件商標の指定商品中の「合成建築専用材料」に属する商品である。

(2)被請求人は、本件商標を使用した商品を取引先である建築設備を取り扱う企業等に販売しているが、その一例を挙げると、本件商標を使用した強化木よりなる「合成板」を大阪市天王寺区南河堀町10番14号に本社を有するコバヤシ産業株式会社の注文により平成12年12月13日に同社の取引先である大阪府大阪市北区大淀中4−14−12に所在する弘進電気工業株式会社に納品しており、そのことは、乙第3号証の証明書に添付の送品明細書に示すとおりである。

さらに、本件商標を使用した強化木よりなる「合成棒材」及び「合成板」を大阪市北区豊崎2丁目6番15号に本社を有する昌立工業株式会社の注文により平成12年9月14日、同年11月13日、同年12月25日及び平成13年1月9日に同社の塚口工場又は宝塚工場に納品しており、そのことは、乙第4号証の証明書に添付の送品明細書に示すとおりである。

(3)商標の仕様態様は、乙第1及び第2号証の写真に示すとおり、「エポロン」の片仮名文字と「EPOLON」の欧文字を上下二段に書した構成のものである。これは、本件商標と社会通念上同一の範囲を逸脱しない商標である。

(4)以上のとおり、請求人の主張は事実に反し失当であり、被請求人が、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品に属する「合成建築専用材料」について使用していることは明らかであるので、本件商標の登録は商標法第50条の規定によって取消されるべきものではない。

4 当審の判断

(1)被請求人は、本件商標を本件審判の請求に係る指定商品中の「合成建築専用材料」に使用している旨主張しているところ、被請求人が「合成建築専用材料」として具体的に提示しているのは、乙第1及び第2号証の写真(なお、これと同一と推認される写真が乙第3及び第4号証の証明書にも添付されている。)にある商品であり、被請求人は、これらの商品を、薄く切削した木材の単板に熱硬化性樹脂を含浸、これを積層してプレスした強化木よりなるもので、主に「ドアの取っ手」、「手すり」等の部材として利用される「合成板」及び「合成棒材」(以下、「使用商品」という。)であると主張している。

(2)そこで、使用商品を検討するに、該商品は、乙第1及び第2号証をみると、これらが専ら建築又は構築に用いられる材料であることが判然とするような部材の形状をなしているとは認められず、また、被請求人が述べる「ドアの取っ手」や「手すり」等の部材の形状に加工(又は半加工)してある様子もなく、外見上は、単なる長方形状の木の板材と細長い木の棒材といえるものであり、特定の用途に限定された商品というよりも、むしろ、これから様々な用途に合わせた加工が可能な商品とみるのが自然である。

ところで、本件審判の請求に係る指定商品は、「合成建築専用材料」等の商品であるところ、その上位概念の商品である「建築または構築専用材料」は、本件商標の登録出願時に適用されていた商標法施行規則別表の第7類に例示の商品であり、専ら建築又は構築に用途を限定されたものとして取り引きされる材料をいい、後にたまたま建築に使用されることがあっても、用途を限定しないで取り引きされる材料は含まないと解されるものである。

そして、同規則別表の第7類においては、木材に関しては、「建築または構築専用材料」とは別途に「木材」の概念が設けられ、一般の木材と建築又は構築材料としての木材の双方の商品が「木材」の範ちゅうに含まれるものとして例示されており、例えば、薄い単板を積層して接着剤で貼り合わせた「合板」(熱硬化樹脂が接着剤として用いられることもよくあるところである。)や、薬剤を含浸させる等の処理を施してある「防腐木材」なども、「木材」の範ちゅうに入る商品として例示されている。

そうすると、使用商品は、木材以外に樹脂が使用されているとしても、それは樹脂を含浸させたにすぎず、その用途も、建築又は構築に限定されているとは認められないものであって、外見上は「木材」と認識し得るままのものであるから、使用商品は、「建築または構築専用材料」のひとつである「合成建築専用材料」に含まれるというよりも、「木材」の範ちゅうに含まれる商品とみるのが相当である。

(3)被請求人は、使用商品について、「主に『ドアの取っ手』、『手すり』等の部材として利用」されていると主張しているところ、乙第1及び第2号証によれば、商品に「建材用強化木」と思しき文字が記されたラベルが付され、乙第4号証によれば、「・・・強化木よりなる合成板は、弊社において『ドアの取っ手』等の部材として使用したものである」との昌立工業株式会社による記述がなされている(なお、乙第3号証においては、この点を証明すべき記述はない。)が、これらの記載によっては、使用商品が他の用途にも用いられるものであることは排除されておらず、使用商品が「ドアの取っ手」及び「手すり」専用の建築部材として取り引きされたと認めることはできない。

しかも、上記(2)で述べたとおり、使用商品が特定の形状等に加工(又は半加工)してある様子もなく、外見上、単なる長方形状の木の板材と細長い木の棒材といえるものであることを勘案するならば、使用商品は、後に「ドアの取っ手」及び「手すり」に加工(又は半加工)する部材(すなわち、取引段階においては、「建築または構築専用材料」になっていない。)とみることもできるから、これらの主張及び乙各号証によっては、使用商品を「合成建築専用材料」又は「建築または構築専用材料」であるとすることはできない。

そして、上記(2)で述べたように、「木材」は一般の木材と建築又は構築材料としての木材の双方の商品を含み得るものであるから、仮に、使用商品に「建材用強化木」のラベルが付されていたり、後に「ドアの取っ手」や「手すり」等の部材として利用されるとしても、これを「建築または構築専用材料」とすることはできないとした認定、判断に影響を与えるものではない。

したがって、上記(1)の被請求人の主張は、採用することができない。(4)以上のとおり、使用商品は、「木材」の範ちゅうに含まれるものであって、「合成建築専用材料」にはもちろん、「建築または構築専用材料」にも含まれない商品であるから、登録商標を本件審判の請求に係る指定商品について使用したということはできない。

そして、他に、本件審判の請求に係る商品について本件商標を使用したとする証拠の提出もない。

してみれば、その余について検討するまでもなく、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが審判の請求に係る指定商品のいずれかについて本件商標の使用をしたことを証明したとはいえないのであるから、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「リノリューム製建築専用材料、プラスチックス製建築専用材料、合成建築専用材料、アスフアルトおよびアスフアルト製建築または構築専用材料、その他の建築または構築専用材料」について、その登録を取り消すべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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