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Trademark Appeal Case

称呼の類否と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90302(T2002−90302/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4542970号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4542970号商標(以下「本件商標」という。)は、「Shell−i」と「シェルアイ」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成12年12月8日に登録出願、第9類「自動販売機,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,電気通信機械器具」を指定商品として、平成14年2月8日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、その構成中の「Shell」、「シェル」の部分が独立して認識されるから、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の著名な略称を含むものであり、本件商標の登録について申立人の承諾を得ていない。

また、申立人の商標「Shell」、「シェル」は、申立人及びその関連会社(両者をいうときは、以下「申立人ら」という。)の商標として世界的に周知著名であるから、本件商標がその指定商品に使用されれば、当該商品は恰も申立人の業務に係る商品であるかの如く商品の出所を誤認混同させるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に該当するから、その登録を取り消されるべきである。

3 当審の判断

申立人である「SHELL INTERNATIONAL PETROLEUM COMPANY LIMITED(シェル インターナショナル ペトロリウム カンパニー リミテッド)」は、世界的に著名な石油関連企業であることは我が国においてもよく知られているところであり、かつ、「Shell」、「シェル」は、申立人らの取扱いに係る商品である「石油、石油製品」等を表示する代表的な出所標識として、あるいは、申立人の略称を表すものとして、我が国の石油関連の商品分野の取引者、需要者の間に広く知られているものであることは認め得るところである。

一方、本件商標は、前記した構成よりなるものであるところ、「Shell−i」と「シェルアイ」の文字は、一体不可分にまとまりよく構成されているものであり、これより生ずると認められる「シェルアイ」の称呼も、一気に称呼し得る簡潔な称呼である。してみると、本件商標は、構成全体をもって一つの造語を表したと認識、理解されるものであるから、その構成中の「Shell」及び「シェル」の文字部分のみが独立して認識されないというのが相当である。

そして、本件商標の指定商品は、前記したとおり、「自動販売機,金銭登録機,硬貨の計算用又は選別用の機械,電気通信機械器具」を指定商品とするものであるところ、該指定商品と申立人の業務に係る商品「石油、石油製品」等とは、生産・販売部門、原材料、用途等を著しく異にするものである。

そうすると、本件商標は、他人の著名な略称を含む商標には該当しないのみならず、これをその指定商品について使用した場合においても、「shell」(シェル)の語が、「貝殻」を意味する英語として、我が国においてもよく知られているものであり、「shell」(シェル)の語自体に際立った独創性を有するものとは認めることができないことを併せ考えると、本件商標に接する取引者、需要者は、申立人の略称及び申立人の「Shell」、「シェル」商標を想起、連想することは極めて少ないものといわなければならない。したがって、商標権者が、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が、あたかも申立人若しくは申立人と経済的、組織的に関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。

なお、申立人は、太陽電池の研究、開発及び製造販売並びに昭和シェルサービスステーションを検索できるナビゲーションシステムの提供をしているから、本件商標を通信機械器具について使用した場合は、申立人らの取扱いに係る商品であると誤認されるおそれが高い旨主張し、甲第59号証及び甲第61号証を提出している。

しかしながら、甲第59号証のみでは、「Shell」、「シェル」が、上記申立人の取扱いに係る商品「太陽電池」を表示するものとして、わが国の取引者、需要者の間に広く認識されているものであるとは認めることはできないのみならず、甲第61号証は、ナビゲーションシステムにより昭和シェルサービスステーションの検索ができるというサービスの紹介記事にすぎないものであり、仮に、本件商標が自動車用ナビゲーション装置に使用されたとしても、通常の注意力を有する需要者であれば、サービスとしての昭和シェルサービスステーションの検索結果と自動車用ナビゲーション装置に使用される商標とを混同することは極めて少ないというべきである。

また、申立人は、本件商標は上記申立人主張の規定に該当するとして登録異議の決定及び審決例(甲第2号証ないし甲第57号証)を挙げるが、これらの事例は、必ずしも本件と事案を同じくするものではなく、審理においては、個別具体的に判断すれば足りるのであって、本件における判断がこれらの事案における判断に左右されるものではない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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