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Trademark Appeal Case

結合商標の称呼と要部

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2001−90475(T2001−90475/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4462214号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4462214号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年7月3日に登録出願され、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第16類「文房具類」を指定商品として、同13年3月23日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記3件の登録商標(以下これらの商標をまとめて「引用各商標」という。)を引用しており、いずれの商標権も現に有効に存続している。

(a)昭和43年6月7日に登録出願され、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、同46年8月9日に設定登録された登録第921188号商標(以下「引用A商標」という。)(なお、指定商品及び商品の区分は、その後、指定商品の書換登録により、第2類、第8類及び第16類を商品区分とする商標登録原簿に記載のとおりの指定商品となっている。)

(b)昭和60年3月15日に登録出願され、別掲(3)のとおりの構成よりなり、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、同62年7月23日に設定登録された登録第1965445号商標(以下「引用B商標」という。)

(c)昭和37年6月25日に登録出願され、「マックス」の文字を横書きしてなり、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として、同38年12月9日に設定登録された登録第631394号商標(以下「引用C商標」という。)

(2)商標法第4条第1項第11号の該当性について

本件商標は、前半と後半とで書体および文字の大きさを異にし、かつ、全体を一連として見ると冗長であることから、「PAPER MATE」と「gel.max(gの文字は筆記体。以下同じ)」の2つの文字群の結合商標とみられるものであり、需要者・取引者は、特に大きく表されている「gel.max」部分に着目することも十分に考えられる。

そして、「gel.max」のみを捉えても、特定の意味合いを表現する熟語として親しまれているものではなく、一体として称呼、観念すべき格段の事情は存在しない。加えて、ピリオドがあることから「gel」と「max」のそれぞれに分離して看取され、更に、「gel」部分は商品の識別性が希薄であり、「max」部分は、申立人の著名商標であることから、本件商標からは、単に「マックス」の称呼をも生ずるものである。

一方、引用商標は、「マックス」の称呼を生ずる。

したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、観念について詳述するまでもなく、称呼において類似する。

(3)商標法第4条第1項第10号の該当性について

「MAX」及び「マックス」は、申立人の商号の略称で有り、ホチキス、パンチ、ナンバリング、クリップ綴じ具等の文房具の商標として著名な商標である(甲第4号証「東洋経済/統計月報 ’98.11」、甲第5号証「日本有名商標集」)。

そのため、本件商標をその指定商品に使用すると、取引者・需要者に申立人の商品であるかのような誤解を与える可能性があることは明らかであり、取引者・需要者に対して商品の出所の混同と品質の誤認を生ずることになる。

(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号の該当性について

本件商標は、別掲(1)に示すとおりの構成からなるところ、これを一連に称呼することが困難なほど冗長なものとは認められないが、前半部分と後半部分とで書体及び文字の大きさを異にするところから、申立人が主張するように、「PAPER MATE」と「gel.max」の2つの文字群の結合商標とみられ、「gel.max」の文字部分のみを捉えて取引に資される場合のあることを必ずしも否定するものではない。

しかしながら、「gel.max」の文字部分は、「gel」と「max」の文字の間にピリオドを有しているとはいえ、全体として外観上バランスよく一体的に表現されており、これより生ずると認められる「ゲルマックス」あるいは「ジェルマックス」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、「gel」の文字部分が商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであり、他に構成中の「max」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。

そうとすれば、「gel.max」の文字部分は、その構成全体をもって不可分一体のものとして認識し把握されるとみるのが自然であるから、これよりは「ゲルマックス」あるいは「ジェルマックス」の称呼のみを生ずるものというべきである。

してみれば、本件商標から単に「マックス」の称呼をも生ずるとし、そのうえで、本件商標と引用各商標とが「マックス」の称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。

その他、本件商標と引用各商標とを類似のものとすべき事由は見出せない。

したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

(2)商標法第4条第1項第10号の該当性について

本件商標は、上記のとおり、引用各商標とは類似しないものであり、又、甲第4号証及び同第5号証として提出された書証に掲げられている商標とも、同様の理由から類似するものとは認められないから、他の要件について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

なお、商標登録異議申立書の記載によれば、申立人は、商標法第4条第1項第15号の主張をしているようにも見受けられるところがあるので付言する。

申立人の提出に係る甲各号証によれば、引用各商標は、本件商標の登録出願時においては既に、申立人の業務に係る商品「ホチキス」等を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されていたものであることを認めることができる。

しかしながら、本件商標と引用各商標とは、前記のとおり、十分に区別し得る別異の商標であり、加えて、本件商標の構成中「PAPER MATE」の文字部分は、申立人傘下の米国会社の業務に係る「ペン、ボールペン、鉛筆、マーカー」等の文房具類の商標であり、このことは、例えば、株式会社小学館発行「ランダムハウス英和辞典」、株式会社研究社発行「英和商品名辞典」等の辞典類にも掲載されているところである。

そうとすれば、両商標における明らかな差異と上記の事情をも併せみれば、本件商標に接する取引者・需要者は、「PAPER MATE」あるいは、一体的な構成の「gel.max」の文字部分を捉えて取引することがあるとしても、「gel.max」の文字部分から更に「max」の文字のみを捉えて、これから引用各商標を連想又は想起するようなことはないものとみるのが相当である。

してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。

(3)結論

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号に違反してされたと認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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