Trademark Appeal Case
著名商標と非類似商品の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90109(T2001−90109/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4431080号商標(以下「本件商標」という。)は、平成11年7月19日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第19類「プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,建造物組立セット(金属製のものを除く。)」を指定商品として、平成12年11月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第11号証を提出した。
(1)本件商標は、申立人の名称の著名な略称である「OTIS」の文字を含む商標であって、その使用に当たって申立人の承諾を得ていないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(2)本件商標は、昭和24年3月28日に登録出願され、「OTIS」の欧文字を横書きしてなり、第17類「客用及貨物用昇降機、扛重機、巻揚機、移動階段無端運搬機、熔鉱炉扛重機、螺旋式重力運搬機、昇降機扉開閉機、昇降機扉懸吊具、ダムウェーター、ガイドレール潤滑具並に之等の各部、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和29年2月27日に設定登録された登録第441284号商標(以下「引用商標」という。)と類似するものであり、また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、審査基準上、類似関係は認められていないが、互いに構築物を製造する専用材料を含むものであり極めて近似する類似の商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)引用商標は、申立人の業務に係る商品「エレベーター、エスカレータ」等について世界的に著名なものであり、また、申立人のハウスマークとしても著名なものであるから、本件商標をその指定商品に使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)本件商標は、著名な引用商標「OTIS」及びその自然的称呼である「オーティス」の文字からなるものであり、申立人と何ら関係のない本件商標権者が、その商標を出願し登録しようとすることは、引用商標の信用をフリーライドするもので不正の目的をもって出願・登録されたものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
まず、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品の類否について検討すると、それぞれの指定商品は前記したとおり、本件商標の指定商品は主に「プラスチック製建築専用材料、合成建築専用材料」であるのに対し、引用商標の指定商品は主に「産業機械器具、動力機械器具」であって、商品の類否を判断するに際して基準となる、生産部門が一致するかどうか、用途が一致するかどうか又は需要者の範囲が一致するかどうか等の点において、両者の商品は一致することの少ない非類似の商品と判断するのが相当である。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼において類似するとしても、本件商標は、引用商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものとは認められない。
また、申立人より提出された証拠によれば、引用商標「OTIS」が申立人の業務に係る商品「エレベーター」を表示するものとしては、この種業界において相当程度知られていることが認められるとしても、提出された証拠によっては「OTIS」及び「オーチス」が申立人の略称として取引者・需要者間に周知著名性を確立するに至ったものとは認めることはできない。
してみれば、本件商標は、他人の名称の著名な略称を含む商標に該当するものといえない。
そうすると、本件商標は、別掲に示したとおり、その頭文字「O」をかなりデザイン化してなる構成態様であるのに加え、前記したとおり申立人の業務に係る商品とは類似することのない業種を異にする商品について使用されるといえるものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、申立人の引用商標を想起させることはないといわなければならない。
そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品が申立人の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがないものである。
さらに、本件商標は、上記認定のとおりであって、申立人がその業務に係る商品に使用する商標の出所表示機能を希釈化させたり又はその名声を毀損させるなど不正の目的をもって出願されたものとは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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