Trademark Appeal Case
称呼類似と著名商標混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90159(T2002−90159/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4527529号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成13年6月14日に登録出願され、「CHOCOLATES BY BERNARD CALLEBAUT」の欧文字を横書きしてなり、第30類「チョコレート」を指定商品として、同13年12月7日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)引用商標
登録第1772430号商標(以下、「引用商標」という。)は、昭和54年12月17日に登録出願され、「CALLEBAUT」の欧文字を横書きしてなり、第30類「菓子、パン」を指定商品として、同60年5月30日に設定登録され、その後、平成7年5月30日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は上記した通り英文字「CHOCOLATE BY BERNARD CALLEBAUT」からなる商標である。このうち「CHOCOLATE」は指定商品の普通名称「チョコレート」を示すものであり、「BY」は「...によって、...による」の意味を有する英語であることは我が国においても良く知られているものである。したがって、本件商標中「CHOCOLATE BY」の部分には自他商品識別力なく、商標として機能するのは「BERNARD CALLEBAUT」の部分のみである。
さらに、「BERNARD CALLEBAUT」を全部称呼するには冗長であるため、需要者及び取引者においては、これを省略して「BERNARD」或いは「CALLEBAUT」のみを称呼する可能性がある。然るときは、本件商標から「カレボー(カルボウ)」の称呼も生ずるものである。
これに対し引用商標は英文字「CALLEBAUT」から成る商標であるから、ここより「カレボー(カルボウ)」の称呼が生ずることは明らかである。
したがって、本件商標は引用商標と称呼上類似し、また、本件商標の指定商品「チョコレート」は引用商標の指定商品「菓子、パン」に含まれる商品である。
(3)商標法第4条第1項第15号について
引用商標はチョコレートについて30年以上も使用され続けた結果、我が国において著名な商標となっているものである。即ち、申立人は1972年より総合商社ニチメンを通じて日本にベルギーチョコレートを輸出し、そのシェアは40%にも上っている(甲第5号証)。主な取引先は、明治製菓、森永製菓、不二家、グリコ、ブルボン、明治乳業、森永乳業、雪印、山崎パン、パスコ、モロゾフ、コージーコーナー等の大手会社であって、当業界において「CALLEBAUT」を知らない者はいない。
また、1997年から2002年までの日本における売り上げは甲第6号証に示す通り膨大なものである。ニチメンと申立人の間における1992年11月から1993年2月までの取引書類(甲第7号証)を提出する。当然これらは全取引書類のうちのほんの一部にすぎないものであり、要求に応じて更なる取引書類を提出する用意がある。
さらに、インターネットにおいて「CALLEBAUT」をキーワードもこ検索してみると30件以上のページが見つかり、これらは、「CALLEBAUT」が末端需要者においても著名であることを証明するものである(甲第8号証)。
これらのうち、「楽天市場」のウェブサイトによれば「...ベルギーのチョコレートの世界的な名声は、原料チョコレートの質の高さが支えている。ベルギーのチョコレート・メーカーのうち70%までもが、カレボー社(原社名はバリー、カレボー社)の原料チョコレートを使用している...」との記載があり、申立人が1911年にチョコレート製造を開始したが、1945年以降は事業をチョコレート原料に特化し、400種以上の製品を開発したこと、世界トップの品質を誇るチョコレート原料メーカーとして確固たる地位を築いていることや売上高が650億円にも上ることが紹介されている(甲第9号証)。また、申立人自身もウェブサイトにおいて自己の商品や業務内容について紹介していることは勿論である(甲第10号証)。
なお、ここで、申立人は登録第4312989号商標「Barry Callebaut」(甲第11号証)をも所有していることを付言しておく。
このように、「CALLEBAUT」は日本国内において著名であることから、「CALLEBAUT」を含む本件商標がチョコレートに使用された場合には、需要者及び取引者において申立人の商品であると誤認することは大いに考えられるところである。即ち、本件商標は引用商標と商品の出所混同を生ずるおそれのある商標である。
したがって、本件商標を指定商品であるチョコレートに使用した場合、需要者及び取引者において引用商標と同一の出所によるものであると混同し、又は引用商標と何らかの関連がある商標であると誤認させるおそれがある。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「CHOCOLATES BY BERNARDO CALLEBAUT」の欧文字を横書きしてなるところ、本件商標に係る指定商品は「チョコレート」であり、前半部の「CHOCOLATES BY」の文字部分は、「〜によるチョコレート」を意味していることから、自他商品識別標識としての機能を果たしているのは、後半部の「BERNARDO CALLEBAUT」の文字の部分にあるものと認められる。
しかして、 「BERNARDO CALLEBAUT」の欧文字は、本件商標権者の会社名又は氏名を表したものであると認められるばかりでなく、同じ書体、同じ大きさで、まとまりよく表示されているものであり、これより生ずる「バーナードカルボウ」の称呼も格別冗長ではなく、淀みなく一気、一連に称呼され得るものである。
したがって、本件商標は、「CHOCOLATES BY BERNARDO CALLEBAUT」の文字に相応して「チョコレートバイバーナードカレボー(チョコレートバイバーナードカルボウ)」の称呼及び「BERNARDO CALLEBAUT」の文字部分に相応して「バーナードカレボー(バーナードカルボウ)」の称呼を生ずる造語を表してなるものと認められる。
また、本件商標中「CALLEBAUT」の文字部分のみが、取引者、需要者に分離して観察される事情はないというべきである。
これに対して、引用商標は、「CALLEBAUT」の欧文字を横書きにしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「カレボー(カルボウ)」の称呼を生ずる造語を表してなるものと認められる。
そうとすれば、本件商標中の「CALLEBAUT」の文字部分のみを捕らえ、当該文字部分より「カレボー(カルボウ)」の称呼をも生ずるものとし、その上で本件商標と引用商標とが称呼上類似するという申立人の主張は、採用することができない。
また、本件商標と引用商標とは、外観においては、判然と区別し得る差異を有するものであり、観念においては、比較できないものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても、非類似の商標といわざるを得ない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標とが、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのないこと、上記(1)で述べたとおりである。
また、申立人の提出している証拠によっては、引用商標が申立人の販売に係る商品「チョコレート」を表示するものとして、本件商標の登録出願時、既に我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたことを証明するには不十分なものであって、これを認めることができない。
したがって、本件商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者が申立人及び申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同するおそれはないものといわなければならない。
(3)結び
本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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