Trademark Appeal Case
著名人名略称の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90562(T2001−90562/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4471103号商標(以下、「本件商標」という。)は、商標の構成を標準文字により「monica armani」の欧文字とし、指定商品を第20類「家具」として、平成12年7月10日に登録出願、平成13年4月27日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立理由
登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、本件登録異議の申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第221号証を提出した。
本件商標は、その構成中にイタリアの服飾デザイナーとして世界的に著名な「GIORGIO ARMANI」の著名な略称である「ARMANI」を含むものであり、また、申立人が使用する商標として著名な引用各商標の略称及び各登録商標「ARMANI」(アルマーニ)と同一の文字をその構成中に有するものであるから、本件商標をその指定商品に使用するときには、これに接する取引者、需要者は、恰も申立人若しくは申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であるかの如く認識し、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同法第4条第1項第15号に該当するから、その登録は取り消されるべきものである。
3 本件商標の取消理由
当審において、商標権者に対して平成14年3月11日付取消理由通知書をもって、本件商標の登録を取り消す旨通知した本件商標の取消理由は次のとおりである。
(1)申立人の提出した甲各号証(甲第79号証ないし甲第142号証、甲第146号証、甲第207号証ないし甲第212号証、甲第220号証)によれば、次の各点が認められる。
(ア)「Giorgio Armani」(ジョルジオ アルマーニ)は、1934年イタリア生まれのデザイナーであり、1975年にイタリアでファッション・デザイン会社を設立し、「GIORGIO ARMANI」の標章を付した紳士・婦人用既成服を製造、販売すると共に、1981年にはブランド「EMPORIO ARMANI」を発表し、これらの商標を付したネクタイ、靴下、帽子、手袋、傘、眼鏡、ハンドバック等を取り扱っている事実が認められる。
(イ)「Giorgio Armani」(ジョルジオ アルマーニ)のデザインした商品は、1979年には「ニーマン・マーカス賞」を受賞、1980年、1981年、1984年、1986年、1987年の5度にわたり「カティ・サーク国際トップ・ファッション・メンズ・デザイナー賞」を受賞、1981年には最高のファッション・デザイナーを選ぶ「G/Q」雑誌「メンズ・スタイル賞」を受賞、1983年にはアメリカ・ファッション・デザイナー協会より「国際デザイナー賞」を受賞、1988年にはアメリカ・ファッション・デザイナー協会より「メンズウェア・ライフタイム・アチーブメント賞」を受賞、マドリッドにて国際ベスト・デザイナーとして「クリスタル・バレンシアガ賞」を受賞、1989年には日本で繊研新聞より「繊研賞」を受賞する等、数多くの賞を受賞している事実が認められる。してみれば、同氏は、イタリア・ファッションの有数なデザイナーとしての地位を確立し、アメリカのラルフ・ローレンなとどと並んで広く知られる国際的デザイナーの一人と認められる。
(ウ)我が国においても、ジョルジオ アルマーニ(Giorgio Armani)及びそのデザインに係る商品がファッション誌や一般誌、各種書籍にも多く取り上げられ、いわゆるデザイナーズキャラクターブランドとして日本国内にも紹介されてきたことが認められる。また、申立人は、我が国において、「ジョルジオアルマーニジャパン株式会社」を設立して、東京、大阪、名古屋、神戸、札幌等に直営店を設けその事業展開と相俟っていわゆるアルマーニ(ARMANI)製品の輸入、販売及びその広告・宣伝活動が活発に行われてきた状況を窺うのに十分である。
これら事情よりして、前記デザイナーの氏名ないしその作品群またはそれら取り扱いに係る商品を表示する「GIORGIOARMANI」(ジョルジオアルマーニ)商標は、我が国において、本件商標の登録出願時前には既に需要者一般に広く認識されるに至っていた著名商標と認められるものである。
(エ)デザイナーの氏名ないし商標としての「GIORGIOARMANI」(ジョルジオ アルマーニ)は、一方において、甲各号証の専門紙、一般誌、書籍等の記事、見出し中によれば、単に「ARMANI」または「アルマーニ」の略記(略称)をもって取り扱われている事実があり、ファッション関連分野において「ARMANI」(アルマーニ)といえば前記デザイナーに係る商品を表示するものとして需要者間に広く認識されているものと認められる。
(オ)申立人は、わが国において「GIORGIO ARMANI」(登録第1387404号商標、登録第1519529号商標ほか)、「GiorgioArmani/ジョルジョアルマーニ」(登録第1640446号商標)、「EMPORIOARMANI」(登録第1742581号商標、登録第2103380号商標ほか)、「ARMANI」(登録第2653840号商標、登録第3087185号商標、登録第3123225号商標ほか)、「アルマーニ」(登録4132921号商標)等の商標を登録し使用権確保と他人による使用を排除すべく、被服、ネクタイ、手袋、傘、化粧品を始めとし、多数の各種商品分野に登録出願を行い、その後も引き続き関連商標について商標登録し権利確保を図ってきた状況が認められる。さらに、関連商標として「ARMANI JEANS」、「GIORGIO ARMANIJUNIOR」等「ARMANI」と他の文字とを結合して使用しているとするほか、指定商品第20類「家具」を含む「ARMANI CASA」(国際登録第739282号、国際登録第739506号)の権利取得をしており、これを使用し家具製品を取り扱う状況が認められる(甲第204号証ないし甲第206号証)。
以上、(ア)ないし(オ)の各点よりして、「ARMANI」または「アルマーニ」の略記商標は、「GIORGIO ARMANI」(ジョルジオアルマーニ)商標と同様に、デザイナーズキャラクターブランドとして商品「紳士服、婦人服、ネクタイ、靴下、帽子、手袋、傘、眼鏡、ベルト、ハンドバッグ、宝飾品」等の各商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日はもとよりそれ以前において既に我が国の需要者間に広く知られ周知著名に至っていたものであり、その周知著名性は現在においても継続しているものと認められる。
(3)そこで、本件商標をみると、本件商標はその構成前記のとおり「monica armani」の欧文字よりなるところ、これを常に全体として一体不可分に把握されるとするような特段の事情は存せず、上記したとおり、「GIORGIO ARMANI」及び「ARMANI」が周知著名であること、他に「ARMANI」の文字を含む標章を使用し、その中には「ARMANI CASA」標章を商品「家具」に使用していること、本件商標の指定商品が「家具」であること等を考慮すれば、本件商標をその指定商品に使用する場合は、これに接する需要者は、「ARMANI」を小文字で表したにすぎない構成中の「armani」の文字部分に着目して、「GIORGIO ARMANI」または「ARMANI」商標を容易に想起するとともに、その商品が「GIORGIO ARMANI」(ジョルジオアルマーニ)のデザインに係る商品、若しくは、同人と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるとものと認める。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消理由通知に対し、所定の期間を経過するも、何らの意見を述べるところがない。
5 当審の判断
本件商標についてした商標法第4条第1項第15号を理由とする先の取消理由は妥当なものと認められる。してみれば、本件商標の登録は、この理由をもって商標法第43条の3第2項により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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