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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第9332号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、1997年6月4日イタリア国においてした商標登録出願に基づき、パリ条約第4条による優先権主張をし、第3類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年8月13日に登録出願されたものである。

2 原査定の引用商標

原査定において、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして、その出願の拒絶に引用した登録第2031778号商標(以下「引用A商標」という。)は、昭和59年1月31日登録出願、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第22類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、昭和63年3月30日に設定登録、その後平成9年12月24日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。同じく、登録第2440712号商標(以下「引用B商標」という。)は、昭和57年1月21日登録出願、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成4年7月31日に設定登録、その後平成14年4月2日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。同じく、登録第2470725号商標(以下「引用C商標」という。)は、平成元年2月22日登録出願、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、第21類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成4年10月30日に設定登録がなされているものである。同じく、登録第2602738号商標(以下「引用D商標」という。)は、平成元年2月22日登録出願、別掲(5)に示すとおりの構成よりなり、第24類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成5年11月30日に設定登録がなされているものである。同じく、登録第2686771号商標(以下「引用E商標」という。)は、平成3年12月13日登録出願、別掲(6)に示すとおりの構成よりなり、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成6年7月29日に設定登録がなされているものである。同じく、登録第2712934号商標(以下「引用F商標」という。)は、平成元年2月22日登録出願、別掲(7)に示すとおりの構成よりなり、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成8年3月29日に設定登録がなされているものである。同じく、登録第3272485号商標(以下「引用G商標」という。)は、平成6年11月10日登録出願、別掲(8)に示すとおりの構成よりなり、第14類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成9年3月12日に設定登録がなされているものである。同じく、登録第3320558号商標(以下「引用H商標」という。)は、平成6年11月10日登録出願、別掲(9)に示すとおりの構成よりなり、第9類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成9年6月6日に設定登録がなされているものである。同じく、登録第3320559号商標(以下「引用I商標」という。)は、平成6年11月10日登録出願、別掲(10)に示すとおりの構成よりなり、第14類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成9年6月6日に設定登録がなされているものである。

3 当審の判断

そこで、本願商標と上記引用各商標の類否について検討する。

(1)外観及び観念について

本願商標と引用各商標とは、それぞれ別掲(1)ないし同(10)に示したとおりであって、外観においては、区別し得る差異を有するものである。また、観念については、それぞれ造語と認められるから、比較することができないものである。

(2)称呼について

本願商標は、別掲(1)に示すとおり、黒塗り四角形内に「TOMASO」の文字と「Stefanelli」の文字を、共に白抜き文字で上段と下段に書してなるところ、「TOMASO」の文字と「Stefanelli」の文字とは、外観上分離して看取されるばかりでなく、両文字の間には、結合により特定の意味合いを生ずるものとは認められず、また、書体も相違し、他にこれらを常に一体のものとして把握しなければならないとする特段の理由も見出せないから、その構成中の「Stefanelli」の文字部分が独立して看者の注意を引くと共に、自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認めることができるものであり、該構成文字に相応して、「ステファネリ」の称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないものと判断するのが相当である。

そうとすれば、本願商標からは、「トマソステファネリ」「トマソ」の称呼を生ずるとともに、単に「ステファネリ」の称呼をも生ずるものである。

他方、引用A商標及び引用B商標は、別掲(2)及び同(3)に示すとおり、「STEFANEL」の文字と図形の組み合わせからなる商標、引用C商標、引用D商標及び引用F商標は、別掲(4)、同(5)及び同(7)に示すとおり、「STEFANEL」「kids」の文字と図形の組み合わせからなる商標、また、引用E商標、引用H商標及び引用I商標は、別掲(6)、同(9)及び同(10)に示すとおり、「STEFANEL」の文字からなる商標であるところ、いずれも引用各商標は、これを構成する「STEFANEL」の文字部分が独立して、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められるものであるから、該構成文字に相応して、「ステファネル」の称呼を生ずるものである。

そこで、本願商標より生ずる「ステファネリ」の称呼と、引用各商標より生ずる「ステファネル」の称呼を比較すると、両称呼は共に同数の音(6音)より構成され、その差異は、末尾音における「リ」と「ル」の音を異にするにすぎないものである。

そして、該差異音の「リ」と「ル」の音は、いずれも50音図の同行音(ラ行)に属し、舌面を硬口蓋に近づけ舌の先で上歯茎を響くようにして発する有声子音(r)と母音(前者は(i)、後者は(u))との結合した音であり、発音上近似する音であって、しかも、語尾に位置するため、聴者に与える印象の弱いものとなることから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が極めて近似したものとなり、彼此聞き誤るおそれがあるあるものと判断するのが相当である。

(3)請求人の主張について

請求人は、本願商標の要部は、「Stefanelli」ではなく、「TOMASO」であるから、引用各商標とは非類似である旨主張し、本願商標は、引用各商標の商標権者から日本を始め各国で登録を受けることについて同意を得ている旨主張し、また、2件の判決を挙げて商標の類否の判断にあたり、取引の実情を考慮していない旨主張している。

しかしながら、「Stefanelli」が、本願商標における自他商品の識別標識としての機能を果たすものであることは、前記したとおりである。そして、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比においてのみ決定されるべきものであり、請求人が、引用各商標の権利者との間で、本願商標を、我が国において登録することについて同意を得ている契約書を交わしているとしても、これらの事実をもって商標法第4条第1項第11号の適用を妨げる理由とはなり得ない。また、請求人の挙げている判決とは、事案を異にするものであって、本願商標がその指定商品の取引分野において、出所の混同を生ずるおそれがなく、また、本願商標が一体のものとして観念され、あるいは一連に称呼されるとするに足りる証拠の提出もなく、かつ、その事実を窺うこともできない。

したがって、請求人の主張はいずれも失当である。

(4)以上のとおり、本願商標と引用各商標とは、外観において、相違し、観念においては、共に造語であって、比較することができないが、称呼において類似する全体として相紛れるおそれのある商標であり、かつ、本願商標と引用各商標の指定商品は同一または類似するものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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