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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2002−35029(T2002−35029/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4459021号商標(以下「本件商標」という。)は、「ルルディ」の文字と「LULDIE」の文字とを二段に横書きしてなり、平成12年3月15日に登録出願、第3類「化粧品、香料類、せっけん類」を指定商品として、平成13年3月9日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第66124号商標(以下「引用A商標」という。)は、「LULU」の文字を横書きしてなり、大正3年5月1日に登録出願、第1類「化学品、薬剤及医療補助品一切」を指定商品として、大正3年6月22日に設定登録、その後、昭和8年10月23日、昭和28年10月8日、昭和49年10月30日、昭和59年6月20日及び平成6年5月30日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。同じく登録第590192号商標(以下「引用B商標」という。)は、「ルル」の文字を横書きしてなり、昭和35年9月12日に登録出願、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、昭和37年6月20日に設定登録、その後、昭和47年10月18日、昭和57年6月25日、平成4年6月29日及び平成14年1月8日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。以下、これらの商標を一括していう場合は「引用各商標」という。

3 請求人の主張

請求人は、「本件商標の登録は、無効とすべきものとする、審判費用は、被請求人の負担とする」との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第53号証を提出した。

(1)請求人の提出に係る、昭和59年10月20日、同63年6月20日、平成3年9月21日、同6年11月20日及び同9年10月1日、商標調査会発行の「日本商標名鑑’84」、「日本商標名鑑’88」、「日本商標名鑑’91」、「日本商標名鑑’94」及び「日本商標名鑑’97」(甲第7号証ないし同第11号証)、1970年及び1998年社団法人日本国際工業所有権保護協会(AIPP1・JAPAN)発行の「FAMOUS TRADEMARKS IN JAPAN日本有名商標集」(甲第12号証及び同第13号証)、昭和26年10月24日、薬事日報社発行の「薬事日報」第1446号(甲第14号証)、平成7年11月30日、同9年11月10日及び同11年7月30日、株式会社薬業時報社発行の「一般薬 日本医薬品集1996−97」、「一般薬 日本医薬品集1998−99」及び「一般薬 日本医薬品集2000−01」(甲第15号証ないし同第17号証)、1993年6月21日及び1998年4月9日、株式会社富士経済発行の「’93 一般用医薬品データブック(上巻)」及び「’98 一般用医薬品データブック(中巻)」(甲第18号証及び同第19号証)、昭和50年5月10日、同55年8月20日、同60年7月25日、平成2年8月10日、同7年8月8日、同8年8月8日、同9年8月8日、同10年8月7日及び同11年8月6日、薬事日報社発行の「医薬品・医療衛生用品価格表」(甲第20号証ないし同第28号証)及び昭和47年9月5日、商標研究会発行の「新版日本有名商標録」(甲第29号証)の各記載によれば、引用各商標は、請求人の業務に係る商品「総合感冒薬」を表示するためのものとして、少なくとも昭和26年以降、今日に至るまでの永年の間、継続して使用され、かつ、請求人による盛大なる宣伝、広告活動がなされているばかりでなく、上記甲第18号証及び同第19号証に示すとおり、請求人の業務に係る一般大衆用医薬品の市場占有率(マーケットシェア)は、日本全国で第2位を占めており、しかも、「ルルブランド」はその柱となっている事実等と相俟って、本件商標の登録出願以前より、取引者及び需要者の間において、極めて広く認識されているものである。

(2)また、引用A商標については、日本分類及び国際分類の26もの商品の区分において防護標章登録がなされており(甲第4号証)、また、同じく、引用B商標についても、日本分類の6つの商品の区分において防護標章登録がなされている(甲第6号証)。これらの事実からしても、引用各商標は、周知著名であることに外ならない。

(3)そして、請求人の業務に係る、商品「総合感冒薬」には、「ルルA」及び「ルルK」の商標が使用されており(甲第15号証ないし同第19号証及び同第21号証ないし同第28号証)、このような観点から、本件商標をみるときは、恰も「ルルD」(ルルディ)であるかの如く、把握され理解されるものであり、本件商標は、請求人の引用各商標の構成要素である「LULU」及び「ルル」の各文字から生ずる「ルル」の称呼と類似すること明らかな「ルル」及び「LUL」の各文字を、自他商品を区別するための商標の識別上、最も重要な要素となり、かつ、印象の強い語頭に有しているものであるから、両者は、これらに接する取引者及び需要者をして、互いに相紛れるおそれのある商標であるといわなければならない。

(4)そうであるとするならば、引用各商標から生ずる「ルル」の称呼と類似すること明らかな本件商標を、その指定商品について使用をするときは、請求人の業務に係る、上記著名商標を付した商品「総合感冒薬」等の一般保健市販薬が、最近、コンビニエンスストアやスーパ一等で、販売されることが認められ、また、本件商標の指定商品もこれらの外、薬屋又は薬局と称する同一の販売場所において、相近接して陳列されている実情に鑑みるとき、本件商標を付した商品は、請求人の業務に係る上記商品と、同一の取扱者に係る商品であるかの如く、それら商品の出所につき、取引者及び需要者をして、誤認、混同を生ぜしめるおそれのある商標であるといわざるを得ない。

(5)請求人の上記主張理由の正当性を立証すべく、著名商標との出所の混同の有無を争点とする審決例を挙げる(甲第39号証ないし同第48号証)。

(6)更に、請求人が、別件、平成7年商標登録願第9899号に対してなした商標登録異議申立事件において、「ルルココ」 「LULUCOCO」の文字よりなる商標が、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるという理由をもって、理由があるものとの決定を受けている事実がある。

(7)また、請求人が審判請求人となり、別件、平成11年審判第35653号無効審判事件において、近年、郊外型の大型店舗やディスカウント志向の強い店舗が増加するなど経営形態が多様化してきているドラッグストアが、医薬品を中心に化粧品、衛生用品、日用雑貨、食料品など日常性の高い商品を販売する小売業態をとっているとして、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるという理由をもって登録商標を無効とした審決を受けている事実もある。

(8)更に、また、平成11年6月14日付をもって、「周知・著名商標の保護等に関する審査基準の改正について」(甲第51号証)が公表された。

(9)引用各商標は、特許庁ホームページに「日本国周知・著名商標検索」(甲第52号証)として掲載されており、周知・著名商標であることに疑いの余地がない。

(10)更に、平成13年7月30日、株式会社じほう社発行の「一般薬 日本医薬品集2002−03」(甲第53号証)の記載に徴し、「ジキニンカプセルD」、「小児ジキニンシロップD」、「新ジキニン錠D」、「スズレックスD」、「ストナホットD」、「ナナシロップD小児用」、「ドップェル錠D」、「トニン咳どめ液D」、「ハイトスD」、「ミオDコーワ」、「ユンケルD」、「コンケル黄帝D」、「リポビタンD2000」、「リポビタンD EX」、「リポビタンDスーパー」、「リポビタンDロイヤル」、「エスアランD軟膏」、「オイチミンD」、「シオノギD軟膏」、「新サニアD軟膏」、「新サニアゾルD」、「トレコート−D軟膏」、「ピロットD」及び「コザックD」の如く、医薬品の商標には、商品の高級感「deluxe」(デラックス)を暗示するような「D」の文字を付加したものが、非常に多く一般に使用されていることがわかる。

上記の事実よりしても、本件商標が「ルルD」(ルルディ)と認識されるおそれは充分に存するところである。

(11)してみれば、本件商標をその指定商品について使用するときには、これらの商品が請求人の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所につき、取引者及び需要者をして誤認、混同を生じさせるおそれのある商標であるといわなければならず、結局、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

したがって、本件商標は、商標法第46条第1項第1号の規定に基づいて、その登録は、無効とされるべきものである。

4 被請求人の主張

被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、本件商標は、請求人主張のような商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。したがって、本件商標の登録は、商標法第46条第1項第1号の規定により無効となるものではない、とその理由を述べた。

5 当番の判断

本件商標は、前記に示すとおり「ルルディ」及び「LULDIE」の両文字よりなるところ、これらの文字は、それぞれ同じ書体でまとまりよく一体的に表されていて、これより生ずる「ルルディ」の称呼もわずか3音と短い音構成のものであって淀みなく一気に称呼し得るものであるから、かかる構成にあっては、全体をもって一体不可分のものと認識し把握されるとみるのが自然である。

そうとすれば、本件商標は、それぞれの構成文字に相応して「ルルディ」の称呼のみを生じ、格別の観念を認識し得ない造語よりなる商標と判断するのが相当である。

これに対し、引用A商標及び引用B商標は、前記のとおり「LULU」又は「ルル」の文字よりなるものであるから、各構成文字に相応していずれも「ルル」の称呼を生ずるものである。

してみれば、本件商標は、引用各商標と外観、観念においてはもとより、「ルルディ」と「ルル」の称呼間においても、構成音数、音構成に明らかな差異を有する相紛れるおそれのない非類似の商標であり、しかも、本件商標における「ルル」に相当する欧文字は「LUL」であって、引用A商標の「LULU」の文字とその構成が異なるものであることを併せ考慮すれば、両商標は、もはや誤認、混同の生じる事由の見出し得ない別異の商標というべきであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者がこれより引用各商標を直ちに連想・想起するものとは判断することができない。

そうとすれば、本件商標は、申立人又は申立人と関係のある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないといわなければならない。

請求人は、請求人の「総合感冒薬」には、「ルルA」及び「ルルK」の商標が使用されており、このような観点から本件商標をみるときは、恰も「ルルD」(ルルディ)であるかの如く、把握され理解されるものである。また、医薬品商標には、「ジキニンカプセルD」、「スズレックスD」のように「D」の文字を附加したものが、非常に多く、一般に使用されている事実よりしても、本件商標が「ルルD」(ルルディ)と認識されるおそれは充分に存する旨主張する。

しかしながら、本件商標の「ルルディ」及び「LULDIE」の両文字とも、「ルル」と「ディ」あるいは「LUL」と「DIE」の各文字に分離して認識される余地のない一体不可分の構成よりなるものであること上記のとおりであるのに加え、本件商標には、請求人が主張する「ルルD」(ルルディ)の「D」に相当する文字部分には「DIE」(ディ)の文字が表記されていて、これらの文字は「D」の文字を感取させるものとはいえないから、引用各商標が総合感冒薬の商標として需要者の間に広く知られ著名であることを考慮しても、本件商標に接した取引者、需要者がこれを「ルルD」(ルルディ)と把握し認識するものとは認め難い。

また、請求人は、審決例、異議決定例を挙げるが、これらは、本件とは事案が異なるものであり、上記判断を左右するものではない。

以上のとおりであり、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれのある商標ではないから、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない、

したがって、本件商標は、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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