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Trademark Appeal Case

「COFFEE」の識別力と要部

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2001−35493(T2001−35493/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4431970号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4431970号商標(以下「本件商標」という。)は、平成11年8月19日登録出願、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第42類「コーヒーバー・サンドイッチバー・カフェ・カフェテリア・アイスクリームパーラー・レストラン・セルフサービス式のレストランにおける飲食物の提供,その他の飲食物の提供」を指定役務として、平成12年11月17日設定登録されたものである。

2 請求人の引用する登録商標

請求人が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する登録第4403471号商標(以下「引用A商標」という。)は、平成11年4月9日登録出願、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、平成12年7月28日に設定登録されたものである。同じく、登録第2247932号商標(以下「引用B商標」という。)は、昭和62年10月20日登録出願、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、第29類「コーヒー」を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録されたものである。同じく、登録第2202284号商標(以下「引用C商標」という。)は、昭和62年7月4日登録出願、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、第29類「茶、コーヒー、ココア、清涼飲料、果実飲料、氷」を指定商品として、平成2年1月30日に設定登録されたものである。

3 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第13号証を提出している。

(1)申立ての根拠

本件商標は、その証拠及びその理由から、明らかなように商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第15号に該当するものである。

(2)第4条第1項第11号について

本件商標は、欧文字「COFFEE」を横書きし、該「COFFEE」の下段に同じく欧文字「REPUBLIC」を同書同大に併記してなるもので、上下二段表示の「COFFEE」「REPUBLIC」の右肩部に、逆円錐台形を主体とするコーヒー飲料等が入ったコップを図案化した抽象的な図形を表わした商標である。上段に表された「COFFEE」は英語「coffee」に通じ、かつ「コーヒー、コーヒー飲料」の語導を有する語として我が国では日常、親しまれた語句として邦語化しているものである。下段に表示の「REPUBLIC」より生じる語義は、英語「Republic」に通じ、かつ「共和国」「団体、〜社会、〜界」「公の、公共の、公開の、一般の人々」等の意味を有するものである。かかることから、本件商標にかかる上段表示の「COFFEE」の欧文字は我が国においては、外国語とはいえ、ほとんど邦語化され親しまれている語であり、一般世人をして「コーヒーあるいは、コーヒー飲料」を直感、認識するものである。

よって、本件商標にかかる「COFFEE」の欧文字部分は、その役務の提供の用に供する物であり、商品「コーヒー」あるいは「コーヒー飲料」を指称する語句である上下段の上段に表示されている態様と相俟って、「COFFEE」文字部分は本件商標の要部となり得ないものといえるものである。かかることから、本件商標における自他識別力のある部分は、下段に顕彰されて右肩に図案化された抽象的な図形をもつ「REPUBLIC」の欧文字部分にあることは明らかである。

欧文字「COFFEE」と「REPUBLIC」は同書同大でそれぞれ一連に横書きされているが、上記したとおり上下二段に表示されていることから、「REPUBLIC」だけが分離されて認識されることがある。とくに上段の「COFFEE」については、役務に提供される飲食物を表す一般名称である。また図案化されたコップ状の図形についても、役務に提供される飲食物を入れる食器を表しており、自他識別力に乏しい。そして、「COFFEE」と「REPUBLIC」の欧文字並びに図形は一連不可分ではなく、それぞれ別々に認識される。

してみれば、本件商標は迅速を旨とする取引裡において、単に「REPUBLIC」「リパブリック」の称呼、観念で取引に供される場合も少なくないものと考察され、商標において「リパブリック」の称呼の生じる引用A商標及び引用B商標にその称呼を共通にする類似の商標であり、また本件商標は「コーヒーリパブリック」の称呼も生じるから、「コーヒーリパブリック」の称呼が生じる引用C商標にも類似するものであることは明白である。

さらに、本件商標は第42類を役務の区分とする役務商標であるが、商標法第2条第5項の規定に基づき役務と指定商品とを類否につき対比しサービス取引の実情、経済界、流通業界の現状、及び役務の提供と商品の製造、販売が同一の業者によって行われているのが一般的か否か、役務と商品の用途及び役務にかかる商品と指定商品の同一性、役務の提供場所と商品の販売場所の同一性、需要者の範囲の同一性等を考察してみると、本件商標にかかる役務の提供場所としてわが国における一般的な場所は、喫茶店、パーラー、コーヒー店、カフェ、カフェテリア、であり、引用A商標と指定役務が同一若しくは類似することはもとより引用B商標及び引用C商標の指定商品「コーヒー、コーヒー飲料」の製造、販売にかかる事業者は、通常、喫茶店、パーラー、コーヒー店、カフェ、カフェテリア、の事業者と共通しているのがわが国での一般的業務態様である。

本件商標にかかるサービス(役務)で提供される飲食物と各引用商標にかかる商品の用途とは、共通していることは明らかである。また、その提供場所と商品の販売場所とにおいても、その需要者の範囲においても同一に近い類似の場所で、あるいは共通の需要者の範囲で行われていることは疑義のないものある。

してみれば、本件商標は、「リパブリック」あるいは「コーヒーリパブリック」の称呼上、引用A商標.引用B商標.引用C商標に類似若しくは同一であり、本件商標と引用A商標とは指定役務が類似若しくは同一であり、さらに本件商標が役務の提供をするとき、提供される飲食物は、引用B商標、引用C商標にかかる指定商品「コーヒー」「コーヒー飲料」に類似することが明らかであることから、本件商標は指定役務が飲食物の提供である第42類の商標審査で引用A商標の存在が見逃されたのに加えて、本件商標は類を超えた商標審査(クロスサーチング)が行われることなく、登録されたものと推察されるものである。

よって、本件商標と引用A商標、引用B商標、引用C商標とは、「REPUBLIC・リパブリック」及び「COFFEE・REPUBLIC」の称呼、観念を共通にする同一若しくは類似の商標であり、また指定役務及び指定商品はその軌を同一にして、類上はもとより類を超えても互いに類似の商標であるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号には違反してなされたものである。

(3)第4条第1項第15号について

請求人保有にかかる引用C商標は、昭和62年より、請求人にかかる商品を表すものとして、商品「コーヒー」に使用され、宣伝、広告されてきた商標であり、権利者である請求人の信用が化体した商標でもある。また、引用C商標の要部を引き継いで引用A商標が請求人の役務を表す商標として現在使用されているものである(甲第6号証〜甲第13号証)。

なお、甲第6号証及び甲第9号証のパンフレットは1000部印刷し、1989年6月から通信販売先へ配布したものである。また、甲第7号証の写真は請求人が所有するビルの1階に1997年1月から開店している喫茶店「COFFEE・REPUBLICS」(コーヒ一・紅茶・砂糖・珈琲器具などの小売店を同店内に併設)の外観を示す写真である。甲第12号証は、月刊経済誌「EXAMINER/イグザミナ(1998年2月号)」(平成10年1月15日発行・発行所:(株)イグザミナ)の掲載記事で、喫茶店「COFFEE・REPUBLICS」の店内写真も掲載されている。また、甲第13号証は月刊誌「神戸商工だより・1997年・9月号」(平成9年8月25日発行・発行所:神戸商工会議所・発行部数15000部/月)に掲載された、引用商標「REPUBLICS」を用いた商品広告で、同種の広告を1996年6月から現在まで継続して毎月掲載している。このように、商標「REPUBLICS」及び「COFFEE・REPUBLICS」は、請求人の商品「コーヒー」について神戸はもとより各地で周知になっている。

また、請求人は、商品「コーヒー、コーヒー飲料」に関連する器具類にも登録商標「リパブリック/REPUBLICS」を保有しているものである(甲第5号証)。

本件商標の役務の提供を受ける需要者及び引用A商標の役務の提供を受ける需要者、並びに引用B商標、引用C商標の指定商品の分野における需要者は、「COFFEE・REPUBLIC」あるいは「REPUBLIC」の文字を有する本件商標がその指定役務に使用されるときには、請求人の業務にかかる指定商品との間において出所の混同を生じることは明らかである。

よって、本件商標が本件指定役務に役務の提供を行う場合、その役務の提供に供される飲食物の需要者が請求人と何等かの関係を有する者の取り扱いにかかる商品であるかと、商品の出所について混同を生じるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁していない。

4 当審の判断

本件商標は、別掲(1)に示すとおり、上部に「COFFEE」の欧文字、下部に「REPUBLIC」の欧文字を横書きし、これらの文字の右肩部に図形を配置したものであるところ、本件商標の図形部分と文字部分とを、常に一体不可分のものとしてのみ把握しなければならない特段の事情が存するものとは認められないから、それぞれの部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。

そして、上段に表された「COFFEE」の欧文字部分は、「コーヒー」の意味をもって商品の名称を表示するものとして普通に使用されているから、その構成中の「REPUBLIC」の欧文字部分のみを捉えて、取引に資される場合も決して少なくないものと認められ、該文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものということができる。

そうとすれば、本願商標からは、「REPUBLIC」の文字に相応して「リパブリック」の称呼、「共和国、団体」の観念をも生ずるというのが相当である。

他方、引用A商標は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなるところ、図形部分と文字部分とは、これを常に一体不可分のものとしてのみ把握する特段の事情も認められず、それぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものとみるのが相当である。そして、本件商標の文字部分は、左端の「R」はやや図案化してなるが、全体として「REPUBLIC」の欧文字を表したものと把握され、かつ、太字で描かれていることより、一層看者の注意を強く惹き、印象に残るものといえる。

そうとすれば、本件商標は、強く印象に残る「REPUBLIC」の欧文字部分より、「リパブリック」の称呼及び「共和国、団体」の観念をも生ずるものといわなければならない。

してみれば、本件商標と引用A商標とは、外観上区別し得る差異があるとしても、前記認定のとおり、「リパブリック」の称呼、「共和国、団体」の観念において類似する商標であって、その指定役務においても、本件商標の指定役務は、引用A商標の指定役務と同一又は類似するものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条の規定により、その登録を無効とすべきである。

なお、請求人は、審判請求書の請求の理由において、本件商標が役務の提供をするとき、提供される飲食物は、引用B商標及び引用C商標にかかる指定商品「コーヒー」「コーヒー飲料」に類似することが明らかであることから、本件商標は指定役務が飲食物の提供である第42類の商標審査で引用A商標の存在が見逃されたのに加えて、本件商標は類を超えた商標審査(クロスサーチング)が行われることなく、登録されたものと推察されるものである旨主張する。

しかしながら、商標法は第2条第5項において、商品と役務との間に類似関係があることを規定しているところ、商品と役務の類否を判断するに際しては、例えば、イ)当該商品の製造・販売と当該役務の提供が同一事業者によって行われているのが一般的であるかどうか、口)当該商品と当該役務の用途が一致するかどうか、ハ)当該商品の販売場所と当該役務の提供場所が一致するかどうか、ニ)当該商品と役務の需要者の範囲が一致するかどうかを総合的に考慮して具体的に判断すべきものと解するのが相当である。

これを本件についてみるに、本件商標の指定役務は、第42類「飲食物の提供」であり、この役務は一般的には、需要者が提供される場所へと出向いて、提供を受ける場合が多いものといえる。これに対し、請求人の使用に係る引用B商標及び引用C商標が表示されている指定商品は、「コーヒー」「コーヒー飲料」であって、焙煎したしたコーヒー及びそれを更に加工して粉状、顆粒状又は液状にしたもの(商品)であって、流通することを予定している商品である。

してみると、本件商標の指定役務と引用B商標及び引用C商標の指定商品とは、「コーヒー」という商品との間において、本件商標の指定役務と共通する場合があるとしても、上記した商品の販売と飲食物の提供との相違があるし、それぞれの業務に係る事業者並びに役務の提供場所と商品の販売場所が異なる上、その取引形態、流通経路等も共通にするものではないから、これら取引の実情を合わせ考えると、本件商標の指定役務と引用B商標及び引用C商標の指定商品とは類似するものと判断することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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