結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35540(T2001−35540/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4504934号商標(以下「本件商標」という。)は、「NETTAP」の文字を標準文字とし、平成12年8月31日に登録出願され、第9類「企業向けのオンライン市場調査業務を実行し専用のインタラクティブ消費者データベースを収納及び維持するよう設計されたカスタマイズされた市場調査コンピュータソフトウエアを記憶させた電子回路・磁気テープ・磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同13年9月7日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4488479号商標(以下「引用商標」という。)は、「NETAPP」の文字を標準文字とし、平成11年7月13日に登録出願され、第9類「データの蓄積・管理・配信・利用のためのネットワーク用コンピュータ並びにそのためのプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の記録媒体,情報及びデータの蓄積・保存・管理・配信に用いる電子計算機並びに電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の記憶媒体,その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,レコード,メトロノーム,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,家庭用テレビゲームおもちゃ,検卵器,電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、同13年7月6日に設定登録されたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第37号証を提出した。
(1)外観
本件商標は「NETTAP」の欧文字を標準文字で横書きしてなるものであり、引用商標は「NETAPP」の欧文字を同じく標準文字で横書きしてなるものである。しかして、両商標は、ともに「N」「E」「T」「A」「P」の欧文字のみで構成され、その構成において重複して表示されている文字が、第3文字の「T」か第5文字の「P」であるかの差異点のみを有すものである。
以上の点に鑑みると、これらが簡易迅速を旨とする商取引の実際において同一又は類似の商品に使用され、しかも、隔離的に対比されることを考えれば、両商標は外観において極めて相紛れるおそれの高い類似商標であるといえる。
(2)観念及び称呼
本件商標及び引用商標は、いずれも日本語として対応する意味が無く、何らの観念も生じない。したがって、観念においての類否は問題とならない。しかしながら、以下に述べるようにその称呼において著しく類似している。
本件商標からは、「ネタップ」又は「ネッタップ」の自然的称呼が生じると考えられる。一方、引用商標からは、「ネタップ」の自然的称呼が生じると考えられる。そうすると、本件商標が「ネタップ」と称呼された場合、本件商標と引用商標は同一の称呼を生じる類似の商標である。
また、本件商標が「ネッタップ」と称呼された場合、同称呼と引用商標の「ネタップ」の称呼を対比するに、両称呼は、第2音以下を共通にし、その語頭音の「ネ」が促音を伴うか否かの差異点のみを有する。よって、両称呼を一連に称呼するときは、その語感語調が極めて近似するものであり、簡易迅速を旨とする商取引の実際において需要者・取引者がこのような徴差を聴取し得るとは到底考えられないことから、極めて相紛れるおそれの高い称呼といえる。したがって、この場合も、本件商標と引用商標は称呼上類似の商標である。
なお、「ネッタップ」と「ネタップ」の称呼が互いに類似するものであることは、甲第3号証ないし同第25号証に示される審決からも明らかである。
(3)指定商品の類似
本件商標は「企業向けのオンライン市場調査業務を実行し専用のインタラクティブ消費者データベースを収納及び維持するよう設計されたカスタマイズされた市場調査コンピュータソフトウエアを記憶させた電子回路・磁気テープ・磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク,その他の電子応用機械器具及びその部品」を指定商品としており、引用商標は「データの蓄積・管理・配信・利用のためのネットワーク用コンピュータ並びにそのためのプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の記録媒体,情報及びデータの蓄積・保存・管理・配信に用いる電子計算機並びに電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の記憶媒体,その他の電子応用機械器具及びその部品」をその指定商品に含み、これら商品は、明らかに、同一又は類似の商品である。
(4)出願日
本件商標は平成12年8月31日に出願されたものであり、引用商標は平成11年7月13日に出願されたものである。
以上のように、本件商標は、引用商標と類似し、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(1)請求人の業務に係る商品であるファイラー又はファイラーソリューションと称されるコンピュータハードウエア及びコンピュータソフトウェアを表示するものとして使用している「NetApp」標章は、需要者の間に広く認識されているものである。それを裏付けるものとして以下の証拠を添付する。
(ア)1995年12月13日付けの「日刊工業新聞」に掲載された記事(甲第26号証)は、請求人がファイルサーバー「NetAppF330」を開発し、伊藤忠テクノサイエンスを代理店として日本国内の市場に進出している旨を取り上げている。
(イ)1996年2月6日付けの「日刊工業新聞」に掲載された記事(甲第27号証)は、請求人が開発したファイルサーバー「Ne tAppF220」を伊藤忠テクノサイエンスが日本国内の市場で発売した旨を取り上げている。
(ウ)1998年9月16日付けの「日刊工業新聞」に掲載された記事(甲第28号証)は、請求人の日本における関連会社がファイルサーバー「NetAppF700シリーズ」を発売した旨を取り上げている。
(エ)請求人の日本語のウェブサイト上の1999年ニュース・リリースのページ(甲第29号証)には、「NetApp」ファイラーの再販に関する1999年10月11日付けのプレス・リリースを掲載している。
(オ)請求人の日本語のウェブサイト上の2000年ニュース・リリースのページ(甲第30号証)には、「NetApp」ファイラー及びファイラー・ソリューションに関する2000年3月15日・3月21日・3月29日・4月20日・5月24日・6月5日・6月26日・6月27日・7月19日・8月2日・8月23日付けのプレス・リリースを掲載している。
(カ)請求人の日本語のウェブサイト上の2000年度年次報告書のページ(甲第31号証)には、1996年乃至2000年の財務ハイライトを掲載している。その一部(売上高)を以下に示す。
1996年 46,632,000米ドル
1997年 93,333,000米ドル
1998年 166,163,000米ドル
1999年 289,420,000米ドル
2000年 579,300,000米ドル
また、「NetApp」の商標が、請求人の業務に係る上記商品等を表示するものとして、本件商標出願の時(平成12年8月31日)以降も、需要者の間に広く認識されていることを裏付けるものとして、以下の証拠を添付する。
(キ)請求人の日本語のウェブサイト上の2000年ニュース・リリースのページ(甲第30号証)には、「NetApp」ファイラー及びファイラー・ソリューション等に関する2000年9月13日・9月18日・9月26日・10月2日・10月17日・10月18日・10月24日・11月7日・11月13日・11月15日・11月16日・11月20日・11月28日・11月29日・12月4日・12月5日・12月11日・12月20日付けのプレス・リリースを掲載している。
(ク)請求人の日本語のウェブサイト上の2001年ニュース・リリースのページ(甲第32号証)には、「NetApp」ファイラー及びファイラー・ソリューション等に関する2001年1月8日・1月10日・1月15日・1月16日・1月17日・1月30日・2月7日・2月14日・2月21日・2月28日・3月5日・3月8日‐3月12日・3月29日・4月10日・4月24日・4月25日・5月1日・5月2日・5月24日・6月4日・6月18日・6月19日・6月20日・7月10日・7月18日・7月30日・8月15日・8月28日・9月4日・9月5日・9月25日・10月9日・11月5日・12月10日付けのプレス・リリースを掲載している。
(ケ)請求人の日本語のウェブサイト上の2001年11月13日付けニューズノイベントのページ(甲第33号証)では、2002年上半期の財務報告を掲載しており、同期の売上を395,100,000米ドルと発表している。
(コ)伊藤忠テクノサイエンス株式会社のウェブサイトでは「NetApp」ハイエンド・ファイラーが紹介されている(甲第34号証)。
(サ)丸紅ソリューション株式会社のウェブサイトでは「NetApp」ファイラーが紹介されている(甲第35号証)。
(シ)東芝ITソリューション株式会社のウェブサイトでは「NetApp」ファイラーが紹介されている(甲第36号証)。
(ス)株式会社日立製作所のウェブサイトで「Ne tApp」ファイラーが紹介されているページ(甲第37号証)
(2)本件商標と請求人の周知・著名商標である「NetApp」は、以下に述べるように外観及び称呼において類似の商標である。
(ア)外観
本件商標は「NETTAP」の欧文字を標準文字で横書きしてなる商標であり、請求人の周知・著名商標である「NetApp」は標準的な文字で横書きされてなる商標である。そうすると、両者が欧文字の大文字・小文字において若干相違するも、これらが簡易迅速を旨とする商取引の実際において類似の商品に使用され、しかも、隔離的に対比されることを考えれば、両商標は外観において相紛れるおそれのある類似商標であるといえる。
(イ)称呼
本件商標からは「ネタップ」または「ネッタップ」の自然的称呼が生じると考えられる一方、請求人の周知・著名商標である「NetApp」からは、「ネタップ」の自然的称呼が生じると考えられる。これらの称呼が極めて相紛れるおそれの高いものであることは、前記1において述べたとおりである。
(ウ)本件指定商品と請求人使用商標の商品
請求人の周知・著名商標である「NetApp」は、ファイラー又はファイラーソリューション(甲第34号証ないし同第37号証参照)と称されるコンピュータハードウエア及びコンピュータソフトウェアについて使用されており、それら商品と本件商標の指定商品である「企業向けのオンライン市場調査業務を実行し専用のインタラクティプ消費者データベースを収納及び維持するよう設計されたカスタマイズされた市場調査コンピュータソフトウエアを記憶させた電子回路・磁気テープ・磁気ディスク・光ディスク・光磁気ディスク,その他の電子応用機械器具及びその部品」は明らかに類似するものである。
したがって、本件商標は、請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標に類似するものであって、その商品又はこれらに類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。
(1)次々に新しい商品が投入され、近年めざましい発展を続けている電子応用機械器具の分野において、商標等のブランドネームは、需要者にとってそれら商品の購入意思決定の際に商品の性能・品質・信頼性等を判断する基準となる非常に重要な因子であり、また、使用する者にとっては、それら商品に係るマーケティング戦略において事業の明暗を分ける非常に重要な役割を果たすものである。そのような分野に属する請求人の業務に係る商品の需要者は、ブランドに対して極めて高い意識を有しており、請求人に係る周知・著名商標である上述の「NetApp」なる商標が何ら特定の意味を有さない造語であり高い識別力を有していることとも相挨って、その「NetApp」なる商標を請求人の業務に係る商品を表示するものとして認識している。
(2)本件商標と請求人の周知・著名商標である上述の「NetApp」は、外観及び称呼において類似の商標であり、また、その使用に係る商品が類似するものであることは、2において述べたとおりである。したがって、本件商標は、他人である請求人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるものであるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
被請求人は、何ら答弁していない。
本件商標は、上記のとおり「NETTAP」の欧文字を書してなるものであるから、該文字に相応して「ネタップ」または「ネッタップ」の称呼が生ずるというのが相当である。他方、引用商標は、「NETAPP」の欧文字を書してなるものであるから、該文字に相応して「ネタップ」の称呼が生ずる。そうとすれば、本件商標と引用商標は、「ネタップ」の称呼を共通にしており、また、両者より生ずる「ネッタップ」の称呼と「ネタップ」の称呼を比較した場合においても、「ネ」の音に促音が伴うかの差異であり、彼此紛らわしい称呼といえる。
さらに、両商標は、その外観についてみても、構成各文字「N」「E」「T」「A」「P」を同一にし、しかも、その並び順もともに前記の順であって、重複して表示されている文字「T」と「P」も比較的印象に薄い中間及び語尾に位置していることから、これを時と所を異にし離隔的に観察する場合には、外観上紛らわしいものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観及び称呼において類似する商標であり、かつ、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品に包含され、同一または類似する商品に使用するものである。
したがって、本件商標は、請求人の他の無効理由を判断するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定に基づき無効とすべきである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。