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Trademark Appeal Case

不使用取消:保険商標の使用証明

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−30664(T2000−30664/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3259411号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3259411号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、改正法(平成3年法律第65号)附則第5条第1項による使用に基づく特例の適用を主張して、平成4年9月25日に登録出願、第36類「生命保険の引受け」を指定役務として、同9年2月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

1 請求の理由

本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定役務について使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、乙第1号証として「パンフレット『MEIJI/ダイヤモンド保険/ELLE/エル』」を提出している。

乙第1号証は、昭和60年7月作成であることから、本件審判請求の登録日である平成12年7月12日から、3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務についての登録商標の使用をしていることは証明されていない。

(2)被請求人は、乙第2号証として「パンフレット『ダイヤモンド保険/ELLE/エル/日本初の歯科治療特約』」を提出している。

乙第2号証は、平成4年6月発行であることから、本件審判請求の登録日である平成12年7月12日から、3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務についての登録商標の使用をしていることは証明されていない。

(3)被請求人は、乙第3号証として「設計書『ダイヤモンド保険/ELLE/エル・定期保険特約付養老保険』」を提出している。

乙第3号証は、昭和62年4月発行であることから、本件審判請求の登録日である平成12年7月12日から、3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務についての登録商標の使用をしていることは証明されていない。

(4)被請求人は、乙第4号証として「生命保険料控除証明書」を提出している。

(ア)乙第4号証の証明日又は作成日は、平成12年10月2日であって、本件審判請求の登録日である平成12年7月12日以降のものである。したがって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務についての登録商標の使用をしていることは証明されていない。

(イ)乙第4号証においては、保険の種類の欄に「ダイヤエル」との記載があるに過ぎない。これは、「ELLE」の欧文字と「エル」の小さい片仮名文字を配する構成の本件商標と社会通念上同一の商標とはいえないものである。

したがって、乙第4号証では本件商標の使用の証明はなされていないというべきである。そればかりでなく、乙第4号証における「ダイヤエル」と乙第1号証ないし乙第3号証のパンフレットにおける「ダイヤモンド保険ELLE/エル」との同一性も認められないことから、乙第4号証は、乙第1号証ないし乙第3号証との関連性さえも無いといわざるを得ない。

(ウ)被請求人は、この乙第4号証により、生命保険の特殊性から本件商標の機能が保険契約締結後最長30年間継続し、指定役務の需要者において、本件商標が継続して認識されていることを立証する旨主張している。

しかしながら、商標の本質的機能は、個性化された一群の役務を他群から識別し役務の同一性を表示する機能、すなわち自他役務識別機能にあるところ、本件におけるこの保険契約締結後の状態においては、商標の本質的機能である自他役務識別機能は発揮されていないというべきである。

本件商標の機能が発揮されるのは、この保険契約が締結される際であって、保険契約締結後継続して本件商標の使用といえるような状態にあるとはいえないものである。したがって、上記のような被請求人の「生命保険の特殊性から本件商標の機能が保険契約締結後最長30年間継続し、指定役務の需要者において、本件商標が継続して認識されている」との主張は妥当ではない。

なお、本件商標が保険契約締結後においても継続して使用されていることを証明するのであれば、この乙第4号証のような証拠ではなく、その期間内における新規の契約書類等の取引書類が存在するはずであるが、そのような書類は被請求人から証拠方法として提出されてはいない。

(エ)したがって、乙第4号証によっても本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務についての登録商標の使用をしていることは証明されていない。

(5)以上のことから、答弁書における被請求人の主張及び証拠方法提出書における乙第1号証ないし乙第4号証を以ってして、被請求人が「審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていること」を証明しているということはできない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。

1 答弁の理由

被請求人は、本件商標を過去3年以内に指定役務について使用しているものであるので、本件審判請求はその理由がなく、答弁の趣旨通りの審決を求める。

2 立証する趣旨

乙第1号証ないし乙第3号証により、本件商標をその指定役務に使用していたこと、及び、生命保険の特殊性から、本件商標の機能が保険契約締結後最長30年間継続するものであり、乙第4号証により指定役務の需要者において本件商標が継続して認識されていることを立証する。

第4 当審の判断

被請求人は、本件商標を使用している事実を証明するものとして乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。

しかしながら、乙第1号証ないし乙第4号証は、保険商品説明用のパンフレット、保険商品設計書及び生命保険料控除証明書と認められるところ、パンフレット「MEIJI/ダイヤモンド保険/ELLE/エル」(乙第1号証)の作成年月は昭和60年7月、パンフレット「ダイヤモンド保険/ELLE/エル/日本初の歯科治療特約」(乙第2号証)の発行年月は平成4年6月、設計書「ダイヤモンド保険/ELLE/エル・定期保険特約付養老保険」(乙第3号証)の発行年月は昭和62年4月であり、いずれも本件審判請求の登録日(平成12年7月12日)前3年以内の使用とはいえないものである。

また、生命保険料控除証明書(乙第4号証)の証明年月日は、平成12年10月2日であって、本件審判請求の登録日以降のものである。

さらに、当該証明書には、その「保険種類」の欄に「ダイヤエル」の表示があるのみであり、これは、本件商標とは社会通念上同一の商標とはいえないものである。

そして、乙第1号証ないし乙第3号証と乙第4号証との間における関連性及び継続性は一切認められない。

なお、被請求人は「生命保険の特殊性から、本件商標の機能が保険契約締結後最長30年間継続するものであり、乙第4号証により指定役務の需要者において本件商標が継続して認識されていることを立証する。」旨主張しているが、乙第1号証ないし乙第3号証と乙第4号証との間における関連性及び継続性が一切認められず、かつ、本件商標と乙第4号証において表示された商標が、社会通念上同一の商標とはいえないものであるから、この点に関する被請求人の主張は認め難い。

してみれば、被請求人は、本件商標を継続して本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品について使用していなかったものといわざるを得ず、また、これを使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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