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Trademark Appeal Case

役務区分の解釈と不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2000−31004(T2000−31004/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4027260号商標の指定役務中「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出しおよびこれらの類似役務」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4027260号商標(以下「本件商標」という。)は、「PREMIERE」の欧文字を横書きしてなり、平成7年2月2日登録出願、第38類「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出し,テレビジョン放送,有線テレビジョン放送,ラジオ放送,報道をする者に対するニュースの供給,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、平成9年7月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証を提出している。

1 請求人の調査によれば、本件商標はその指定役務中、「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出しおよびこれらの類似役務」について継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないので、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。

2 弁駁の理由

(1)乙第1号証のウェブページに表示されたものは「PREMIERE」という雑誌の表題と、「PREMIERE」という雑誌の表紙部分が表示されているのみで、単に「PREMIERE」という雑誌の広告であって、「PREMIERE」という商標を用いて、「電子計算機端末による通信」をしたという立証がなされていないというべきである。

(2)社団法人発明協会発行、市川利光編「商標実務者のための概説類似群コード」(甲第3号証) の第319頁において、「電子計算機端末による通信」の定義として、「電子計算機を端末として利用して行う電気通信の役務である」と記載され、更に、「なお、...『情報の提供』を行う役務は、提供される情報の内容によって各類に分かれる」と記載されている。前記記載の「情報の提供」とは、「電子計算機端末による通信」の解説中に記載されているところから、当然ながら「電子計算機端末による情報の提供」と解されるべきである。

(3)前記観点から乙第1号証を見ると、その内容は全体の趣旨から判断して、「PREMIERE」という雑誌に掲載された記事に関する情報の提供というべきであって、乙第1号証の内容は「PREMIERE」という商標を、雑誌に掲載された記事に関する情報の提供に使用しているというべきである。これは、被請求人自身が、その答弁書第3頁第5行目〜同第6行目において、「...コンピュータの端末装置による情報の提供に本件商標が使用されている」と記載していることからも明白である。

(4)したがって、本件商標は第38類の「電子計算機端末による通信」に使用されたものではなく、甲第3号証第375頁所載の第42類の「その他の情報の提供(他の類似群に属するものを除く)」中の「電子計算機端末による雑誌に掲載された記事に関する情報の提供」(類似群42G99)に使用されていると解すべきである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第7号証を提出している。

1 本件商標は、本件審判の請求前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者であるアシェット婦人画報社(東京都港区西新橋2丁目9−1所在 、以下「通常使用権者」という。)により、その指定役務「電子計算機端末による通信」ついて使用されている。被請求人は、この事実を乙第1号証及び乙第3号証により証明する。

2 被請求人は、新たに前回提出した乙第1号証ないし乙第3号証と関連する乙第4号証ないし乙第6号証並びに乙第7号証を提出する。これらと本件商標の通常使用権者との関連性は、WWWブラウザが同一であることからウェブ・マスターが同一人であることが判る。

3 請求人は、乙第1号証のウェブページに表示されたものは「PREMIERE」という雑誌の標題と、「PREMIERE」という雑誌の表紙部分のみが表示されているので、これは単に「PREMIERE」という雑誌の広告であって、社団法人発明協会、市川利光編「商標実務者のための概説類似群コード」(甲第3号証)の第319頁の「電子計算機端末による通信の定義とは、電子計算機端末を利用して行う電気通信の役務である」の定義からして被請求人の「PREMIERE」という商標の使用は、「電子計算機端末による通信」をしたという立証がなされていないと主張している。

しかしながら、問題となっている「電気通信」の定義は、特許庁商標課編「商品及び役務区分解説(改訂第3版)」の第199頁(乙第7号証)の注釈にあるとおり、「、、、主として、少なくとも一人の者が感覚を手段として他の者と通信することを可能にする役務であって、他の者へメッセージを伝達する役務をも含む」とされている。

4 乙第4号証ないし乙第6号証の左上隅の「PREMIERE」の下段に表示されている”The Interactive Movie Magazine”は、コンピューターが、画面や音声などで示す内容に対して、人間から指示や答え、要求などを入力し、さらにコンピューターはそれに対しての答えや次の指示/要求内容を示すなど、双方から情報の交換を行う形態による操作方法が施されている。

5 乙第4号証ないし乙第6号証のタグ、例えば、′′Archives′′,′′Celebrity Search′′,′′Movie Search′′,′′Article Search′′,′′Award Search′′,′′Full Site Search′′はアンカータグと呼ばれ、テキスト中に埋め込んで制御情報を表す文字である。これらHTMLタグはハイパーリンク機能を持ち関連付けられた世界中のドキュメントに瞬時に飛ぶことを可能とし、世界中に分散している情報を相互にリンクすることで得られるものは、雑誌「PREMIERE」に掲載された内容とは直接関係がないものが多く含まれることから、請求人の「本件商標は第38類の電子計算機端末による通信に使用されたものではなく、第42類のその他の情報の提供中の、電子計算機端末による雑誌に掲載された記事に関する情報の提供(類似群42G99)である」との主張は妥当でなく、本件商標は「電子計算機を端末として利用して行う電気通信(38AOI)についての使用である」と認められるべきである。

第4 当審の判断

被請求人は、本件商標をその指定役務中の「電子計算機端末による通信」について、本件審判請求の登録前3年以内に使用しているとして、乙第1号証ないし同第7号証を提出しているので、以下検討する。

1 被請求人はアシェット婦人画報社に本件商標の使用を許諾している旨述べ、通常使用権者と認められるアシェット婦人画報社は、その指定役務に係る「電子計算機端末による通信」について本件商標を使用しているところ、乙第1号証のホームページの画面には、「PREMIERE」の文字とタイトルとして「これが、世界でいちばん読まれている映画雑誌」「PREMIERE」「プレミア日本版」「July 2000」と該映画雑誌の表紙の画像及び該映画雑誌の内容とアンケートが掲載されている。

また、乙第4号証ないし同第6号証は、ホームページの画面を印刷したものであり、各号証の左上方に「PREMIERE」「The Interactive Movir Magazine」の文字とその内容を紹介した記事と画像が掲載されている。

2 前記認定の事実よりすると、通常使用権者は映画雑誌「PREMIERE(プレミア)」を発行し、その雑誌に掲載されている内容(記事、画像)等の情報を電子計算機端末による通信を利用して提供する役務であると認めることができる。

ところで、商標法上の役務とは、「他人のためにする労務又は便益であり、独立して商取引の目的たり得るもの」と解されるところ、通常使用権者は、自己の映画雑誌「PREMIERE」の情報(記事、画像)を提供するに当たり、電子計算機端末による通信を利用したにすぎないものであり、被請求人の行っている役務は、電子計算機端末による通信ということはできず、むしろ、映画雑誌「PREMIERE」に関する情報の提供であるというべきものである。

してみると、確かに通常使用権者は電子計算機端末による通信によってデータの通信を利用して他の者へメッセージを伝達する業務を行っているものと認められるが、該通信は、第38類に属する「電子計算機端末による通信」とは認めることができない。

被請求人は、商品及び役務の区分解説の第38類の注釈及び電子計算機端末による通信の欄に「、、、主として、少なくとも一人の者が感覚を手段として他の者と通信することを可能にする役務であって、他の者へメッセージを伝達する役務をも含む」と記載されていること、また、乙第4号証ないし同第6号証は、雑誌「PREMIERE」に掲載された内容と直接関係ないものが多く含まれると主張するが、ここでいう電気通信とは、有線、無線その他の電磁的方法により、符号、音響又は映像を送り、伝え又は受ける役務であって、情報の処理若しくは情報の提供を行う役務は含まれないものであるところ、通常使用権者は前記のとおり、自己の映画雑誌「PREMIERE」の情報(記事、画像)を提供するに当たり、電子計算機端末による通信を利用したにすぎないものであるから、通常使用権者が行っているという電子計算機端末による通信は、雑誌「PREMIERE」の情報の提供に付随したものというべきである。

したがって、通常使用権者の行う役務は、電子計算機端末による通信とはいえないものであって、第38類に属する電子計算機端末による通信をおこなっているものということはできない。そして、上記認定を覆すに足りる証拠は見出せない。

3 以上のとおり、被請求人(通常使用権者)は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標をその指定役務のいずれについても使用していたと認めることができない。また、使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定役務中、「移動体電話による通信,テレックスによる通信,電子計算機端末による通信,電報による通信,電話による通信,ファクシミリによる通信,無線呼出しおよびこれらの類似役務」についての登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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