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Trademark Appeal Case

キャッチフレーズの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−608(T2001−608/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「気分かえる。発想かえる。」の文字を書してなり、第20類「家具、家具移動用パッド」を指定商品として、平成12年4月19日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『気分かえる。発想かえる。』の文字を書してなるところ、これは出願人の主張などを簡明に表現したキャッチフレーズ(標語)を表したものと認められ、自他商品の識別標識としての機能を有しないから、このような商標をその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記の文字よりなり、「気分を変える。発想を変える。」との記述的な意味合いが、これより直ちに理解されるものと認められる。

ところで、企業は、その取扱商品や企業イメージに関して、消費者や需要者に親しみや好感、信頼感などの良い印象を抱いてもらうよう日常的に心掛けているといえるところ、その一手段として、標語(キャッチフレーズ)などを採択し、それを通して商品の広告、宣伝や企業イメージの向上に努めているのが実情である。

そして、これらの中には、端的な宣伝語句であるもののほか、商品や企業のイメージを向上させることを目的とする観念的、抽象的表現の標語も採択されているところである。

また、日常の生活の中で、人々は季節に合わせて部屋の模様替えを行ったり、部屋の雰囲気を一新して気分を変えたい場合、家具などのインテリアを新しくしたり配置を替えたりすることが多く見られる。その際に、発想を変えてその作業に取り組むことが有効と考えられている。

また、一般に優れた新商品を開発するには、担当者が気分を新たに発想を変えて取り組むことが必要と考えられていることは、下記のインターネットホームページの情報、各種新聞記事情報及び企業のカタログ等による記載からも裏付けられるところである。

(1)「『CAZ』1999年3月8日発売号 巻頭特集『気分を変えるインテリア大特集』大げさな模様替えを提案するのではなく、家具・小物や簡単にできる小技などを駆使して、部屋の雰囲気を変えることがテーマ。家具から雑貨まで気分を変えるインテリア大特集。」(http://www.caz.co.jp/caz/new/caz19990308.html)

(2)日科株式会社インテリア事業部のホームページに『家具・照明から壁紙に至るまで、機能的に洗練された室内環境もプロデュース。生活空間の雰囲気を変えることで気持ちが変わり、生活に新しい潤いが生まれてくるともいえます。』(http://www.lockstep.co.jp/~nikka/kaisya/interior/)

(3)「『家具にキャスター 部屋の模様替え、掃除がラクラク』気分転換に部屋の模様替えをしたいと思っても、家具の移動はなかなか大変だ。家具にキャスター(小型の車輪)を取り付けると楽に動かせ、ほこりがたまりやすい家具の裏も簡単に掃除ができる。『家具は固定するもの』という発想を変えると、暮らしにちょっと変化がつきそうだ。」(1995.9.15付 読売新聞朝刊28頁)

(4)「『ユニバーサールデザイン掘り起こせ 日本、先取りの動き』『使いやすさに新発想、高齢者の目線で商品開発』底の部分を手のひらで包み込んで使えるのが、普通のペンとの違いだ。指に障害のある人でも、握力が弱った高齢者も書きやすい。ペン先のキャップは滑りにくく工夫し、片手でもかぶせられる。『健常者も使って楽しいことも意識しました。』ペンは『鳥』の形を模し、流行の透けるボディーだ。」(2000.3.25付 朝日新聞夕刊5頁)

(5)「シンプルで上品なフォルムに、明るいチェック柄からエレガントな花模様までの張布を用意したフルカバーリングソファー。・・中略・・気分を変えたいときや、季節に合わせてカバーを替えれば、多彩な演出が楽しめます。」(カリモク家具19984月1日現在のカタログ)

(6)「時代に対応すべく一部掲載品を見直しと合わせて、新しい発想が結実した新製品を多数加えた最新カタログです。”使う人の立場に立ったモノづくり”、それがスガツネの理念です。また、時代の変化に応えた、新しい発想の製品開発にも独自のポリシーが息づいています。」(スガツネ総合カタログNo.60−2)

そこで、本願商標を見るに、これより上記認定のとおり「気分を変える。発想を変える。」との記述的意味合いが直ちに理解されるものである。そして、これを本願の指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、当該商品を購入し使用することで気分を変えることができる、若しくは発想を変えることができる商品であることを、また、当該企業がそのような商品の開発に取り組んでいることを端的に表現した一種の標語として認識するに止まり、これを自他商品の識別標識としての商標とは認識し得ないものと認められるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標というべきである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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