結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2001−35069(T2001−35069/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4419585号商標(以下「本件商標」という。)は、「カラダバランス」の片仮名文字(「標準文字」による。)を横書きしてなり、平成11年11月26日に登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、同12年9月22日に設定登録されたものである。
請求人が、本件商標の登録無効の理由に引用する登録第4340228号商標(以下「引用商標」という。)は、「BODY BALANCE」の欧文字を横書きしてなり、平成10年7月23日に登録出願、第32類「清涼飲料,果実飲料」を指定商品として、同11年12月3日に設定登録、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証(枝番含む。)を提出した。
(1)本件商標と引用商標の構成は前記したとおりであるところ、引用商標を構成する前半部の「BODY」の文字は、「からだ」等の意味を表す英語として一般的に親しまれているものである。即ち、「BODY」を片仮名表記した「ボデ(ィ)一」又は「ボディ」は「からだ」の同義語として一般的な国語辞典にも掲載されている(甲第3号証の1、甲第4号証の1)。また、近年は上下つづきのからだにぴったり合った婦人用下着をボデ(ィ)一(ボディ)スーツと、入浴後の全身用化粧水をボデ(ィ)一(ボディ)ローションと、また、からだで乗る波乗り板をボデ(ィ)−(ボディ)ボードというようにからだに関する商品についてボデ(ィ)−(ボディ)○○○と表す外来語も多く(甲第5号証の1及び2)、「ボデ(ィ)一」又は「ボディ」は「からだ」の意を表す外来語として世人一般に親しまれている語であり、日常生活で使用する商品、例えば液体石鹸や化粧品に「ボデ(ィ)一(ボディ)」との記載があればそれは「からだ」用の意であることも世人一般には明らかである(甲第6号証の1及び2)。したがって、「ボデ(ィ)一」又は「ボディ」が「からだ」の意を表す外来語であることは世人一般に知られており、「ボデ(ィ)一」又は「ボディ」の英語表記である「BODY」が「からだ」の意を表す英語であることも当然に知られているため、世人は「BODY」が「からだ」の意を表すこと及び「からだ」が「BODY」の意を表すことを直感するものである。故に、本件商標「カラダバランス」を構成する「カラダ」は、「BODY」の意を表す「からだ」の片仮名表記にすぎず、引用商標「BODY BALANCE」を構成する「BODY」と観念において共通することは明らかである。
(2)また、引用商標「BODY BALANCE」を構成する後半部の「BALANCE」の文字も、「つりあい、均衡」等の意味を表す英語として一般的に親しまれているものである。即ち、「BALANCE」を片仮名表記した「バランス」は、「つりあい、均衡」の同義語として一般的な国語辞典にも掲載されている(甲第3号証の2、甲第4号証の2)。また、日常的な会話においても、世人は「栄養バランス」、「バランス感覚」等「バランス」を、「つりあい、均衡」の同義語として一般的に使用している。したがって、本件商標「カラダバランス」を構成する「バランス」と引用商標「BODY BALANCE」を構成する「BALANCE」も観念において共通することは明らかである。
(3)以上の(1)及び(2)より、本件商標「カラダバランス」と引用商標「BODY BALANCE」とは、前半部において「カラダ」と「BODY」の相違を有するが、観念上、「カラダ」が「BODY」の、「BODY」が「カラダ」の意味を有することは前記のとおりであり、本件商標の後半部における「バランス」は「BALANCE」を片仮名で表記したものにすぎないから、本件商標「カラダバランス」に接した需要者が本件商標の「カラダ」は単に引用商標の「BODY」の部分を同義語に置き換えたものにすぎないと認識し、本件商標から引用商標の観念を連想して相紛れるおそれがある。
(4)しかも、本件商標「カラダバランス」は、「カラダ」という日本語と「バランス」という外来語を組み合わせてなる造語商標であり、本件商標に接した需要者は日本語どうしを組み合わせた商標や外来語どうしを組み合わせた商標に比べて違和感があり、かつ「カラダ」も「バランス」も容易に一義的な意味を把握することができる一般的な言葉であるため、「カラダ」と「バランス」の夫々の語から意味を把握することとなる。即ち、本件商標「カラダバランス」に接した需要者は「力ラダ」からは「からだ」を、「バランス」からは「つりあい、均衡」を一義的に直感するため、引用商標「BODY BALANCE」の「BODY」から「からだ」を、「BALANCE」から「つりあい、均衡」を一義的に直感することと相紛らわしく両商標の間で混同が生ずる。
(5)また、引用商標「BODY BALANCE」は、からだの内外を問わずからだのバランスを図るために必要な成分を含んでいる飲料であることを暗示させるために採択した造語商標であり、引用商標に接した需要者は容易に「からだのつりあい、からだの均衡」という観念をその全体の構成から一義的に直感する。そして、本件商標「カラダバランス」も「カラダ」からは「からだ」を、「バランス」からは「つりあい、均衡」を一義的に直感するため、本件商標に接した需要者も容易に「からだのつりあい、からだの均衡」という観念をその全体の構成から一義的に直感する。したがって、両商標はその全体の構成から生ずる観念においても類似する類似の商標である。しかも、指定商品「清涼飲料,果実飲料」も同一とする。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(6)過去の審決例においても、同様の判断がなされている例がある(甲第7号証ないし甲第9号証)。
(7)平成2年審判第17659号においては「HOLE IN THE WALL」の文字を付した図形の登録商標と登録商標「壁の穴」が観念上、非類似であるとの判断がなされているが、これは「HOLE IN THE WALL」といえば直感的に「壁の穴」を思い浮かべるほど「英語とその意味が緊密に表裏一体に認識される場合ではない」からであるが(甲第10号証)、本件商標の「からだ」と「BODY」は前記のとおり、英語とその意味が緊密に表裏一体に認識される場合であるから、平成2年審判第17659号における判断は本審判においては当てはまらず、本件商標「カラダバランス」は引用商標「BODY BALANCE」と観念において類似する。
(8)また、平成9年異議第90571号においては登録商標「いちごのお家」と登録商標「イチゴハウス/ICHIGO HOUSE」が観念上、非類似であるとの判断がなされているが、これは登録商標「イチゴハウス/ICHIGO HOUSE」からは「『いちご栽培用ハウス』の如き観念を生ずる。」と判断しているからである(甲第11号証)。しかし、本件商標「カラダバランス」からは「からだのつりあい、からだの均衡」以外の観念は生ぜず、平成9年異議第90571号における判断も本審判においては当てはまらない。
被請求人は、引用商標「BODY BALANCE」が特定の意味を有する日本語として通用する場合、「ボディー」の部分を「カラダ」に置換すると意味が通じないため、本件商標と引用商標は観念上、類似しないと主張するが、このような被請求人の主張は認められない。
(1)被請求人は、上記の主張の根拠として、乙第2号証の1ないし11に示すインターネット上のホームページを提出し、当該ホームページで使用されている「ボディーバランス」という言葉は、(a)人間の運動能力面に関して記述する場合(例として乙第2号証の1及び2)、(b)人間の個々の部位に関する肉体的な面について記述する場合(例として乙第2号証3ないし6)、(c)人間の身体的なスタイルに関して記述する場合(例として乙第2号証の7ないし9)及び(d)物や動物についての形(スタイル)の良し悪しを記述する場合(例として乙第2号証の10及び11)に使用される言葉として日本人の間においてはそれなりの意味を有する言葉としての地位を獲得していると主張する。
(2)しかしながら、乙第2号証の1ないし11に示すインターネット上のホームページをよく見てみると、当該ホームページで使用されている「ボディーバランス」という言葉は、被請求人が主張するような上記(a)ないし(d)の場合に使用されて確立した意味を有する一般的な言葉ではなく、むしろ「ボディーバランス」という言葉を使用する者が夫々の場合に夫々の意味を込めて使用している言葉であることがわかる。
(3)即ち、乙第2号証の1の「ボディーバランス」は「体の平衡感覚」の意で使用されており、「ボディーバランスボード」とは「体の平衡感覚を養うボード」の意で使用されているものと考えられる。乙第2号証の2の「ボディーバランス」はその文章中に記述されている「『身体能力面での、パワーとフレキシビリティー』のバランス」の意で使用されているものと考えられる。確かに、乙第2号証の1及び2に示すホームページで使用されている「ボディーバランス」という言葉は「人間の運動能力の面に関して記述」する場合に使用される言葉ではあるものの、その意味は上述したように全く異なるものであり、「ボディーバランス」という言葉は、使用する者によって異なる意味が与えられている言葉である。
(4)さらに、乙第2号証の3の「ボディーバランス」は当該ホームページの〔HOME〕のホームページ(甲第12号証)に示すように無痛治療法の名前又は無痛治療法の提供についての商標として「トータルボディーバランス」を使用しており、確立した意味を有する一般的な言葉として使用されているものではない。乙第2号証の4の「ボディーバランス」も当該ホームページの「紙面広告を表示します。」をクリックすると開かれるホームページ(甲第13号証)に示すようにカイロプラクティックの提供について「KOBE」と「ボディーバランス」を組み合わせた商標として又は店の名前として使用されており、確立した意味を有する一般的な言葉として使用されているものではない。乙第2号証の5の「ボディーバランス」は、当該ホームページの記載のみではどのような意味を込めて使用されているのか不明であるものの、当該ホームページの一覧表(甲第14号証)の「からだのずれるポイント」というホームページ(甲第15号証)をみると、「身体の構造と機能のバランスをとる」との記載があるため、乙第2号証の5の「ボディーバランス」は「身体の構造と機能のバランス」との意で使用されているものと考えられる。また、乙第2号証の6の「ボディーバランス」も、当該ホームページの記載のみではどのような意味を込めて使用されているのか不明であるものの、当該ホームページの「ボディーバランスにあらわれる心と体の状態」をクリックすると開かれるホームページ(甲第16号証)をみると「体のバランスは筋肉により微妙なバランスを保っています。」等との記載があることから、乙第2号証の6の「ボディーバランス」は「体の筋肉のバランス」の意で使用されているものと考えられる。したがって、乙第2号証の3及び4に示す「ボディーバランス」は、商標、店の名前等として使用されていることから特定の意味を有さず、乙第2号証の5及び6に示す「ボディーバランス」も、「人間の個々の部位に関する肉体的な面について記述」する場合というよりはむしろ「人間の身体の構造について記述」する場合に使用されており、しかもその意味は、上記のとおり、使用する者によって全く異なることから、「ボディーバランス」という言葉は、使用する者によって異なる意味が与えられている言葉である。
(5)また、乙第2号証の7の「ボディーバランス」は、当該ホームページの「バストアップが綺麗なモデルはそれらのバランスがイイから、上半身のバランスが綺麗に決まっている」との記載があるため、乙第2号証の7の「ボディーバランス」は「上半身のバランス」との意で使用されているものと考えられる。さらに、乙第2号証の8及び9は夫々関連するホームページであり、これらのホームページの「ボディーバランス」は、当該ホームページに「肩幅は顔の3倍」、「バストとヒップが同じというのが理想的」との記載があることから、「身体の部位間のバランス」との意で使用されているものと考えられる。確かに、乙第2号証の7ないし9に示すホームページで使用されている「ボディーバランス」という言葉は「人間の身体的スタイルに関する記述」をする場合に使用される言葉ではあるものの、その意味は上記したように異なるものであり、「ボディーバランス」という言葉は、使用する者によって異なる意味が与えられている言葉である。
(6)乙第2号証の10の「ボディーバランス」は、当該ホームページの記載からは「(ルアーの)胴体の重量のバランス」の意と考えられ、乙第2号証の11の「ボディーバランス」は当該ホームページの記載からは「(ランチュウの)胴体の太さやひれの長さのバランス」の意と考えられる。これらの「ボディーバランス」は、被請求人が主張するように物や動物についての形(スタイル)の良し悪しを言う場合に使用されるものの、その意味は対象となる物や動物によって異なり、「人間の身体的スタイルに関する記述」をする場合に使用される「ボディーバランス」の夫々の意味とも異なるものである。したがって、「ボディーバランス」という言葉は、使用される対象及びその言葉を使用する者によって異なる意味が与えられている言葉である。
(7)以上のように、被請求人が提出したホ−ムページの「ボディーバランス」が示す意味もその言葉のみから特定することはできず、使用者の意図、使用されている対象等を検討して、はじめて夫々の用い方における意味を認識することができるのであるから、引用商標「BODY BALANCE」が確立した意味を有する一般的な言葉であるという、被請求人の主張は全く失当である。したがって、確立した意味を有する言葉である「ボデ(ィ)一(ボディ)スーツ」を「カラダスーツ」とすると何を意味するかわからないとする論理をそのまま引用商標「BODY BALANCE」と本件商標「カラダバランス」の関係に当てはめ、引用商標と本件商標が観念上非類似であるとする被請求人の主張は全く根拠がない。
(8)また、被請求人は、「BODY」が人間の「体」を指すのみならず、「船体、機体、胴体などを表す場合に使われる言葉」であるのに対し、「カラダ」は人間の「体や身体」について使用される言葉であるから、引用商標「BODY BALANCE」の「BODY」には人間の「体」だけを意味するものではないと主張する。しかし、引用商標にかかる指定商品は「清涼飲料,果実飲料」であり、このような商品を購入する需要者及び取引者が、引用商標「BODY BALANCE」に接した場合、「BODY」という言葉からは人間の「体」を想起するのが普通であり、「船体、機体、胴体」を想起するとは到底考えられない。即ち、指定商品との関係上、引用商標の「BODY」は「カラダ」を意味することは明らかである。それ故、本件商標の「カラダ」の部分は単に引用商標の「BODY」の部分を同義語に置き換えたにすぎないと認識され、本件商標「カラダバランス」から引用商標「BODY BALANCE」の観念を連想して相紛れることとなってしまうのである。したがって、引用商標の「BODY」の部分からは「船体、機体、胴体」を想起し得るとする被請求人の主張は、指定商品との関係で商標が認識されるという取引実情を全く無視したものである。
(9)被請求人は、「BODY BALANCE」を「カラダバランス」とは通常言い換えないから、本件商標と引用商標は観念上、類似しないと主張するが、このような被請求人の主張は認められない。
(ア)対比する商標が、観念上、類似するか否かは、対比する二つの商標が通常夫々に言い換えられているか否かではなく、被請求人自身が主張するように実際の取引市場において取引者、需要者が直感的に両者から共通の意味合いを想起できるか否かである。本件商標「カラダバランス」は、請求人が本件無効審判請求書において主張したように、日本語と外来語の組み合わせから生ずる違和感から夫々の言葉の意味合いを取引者、需要者に直感させるものである。しかしながら、被請求人は、「BODY BALANCE」を通常「カラダバランス」といういい方をするか否かに言及しているだけであり、本件商標「カラダバランス」と引用商標「BODY BALANCE」との間には共通の観念が生じないことは一切言及できていない。
(イ)さらに、被請求人は、「BODY BALANCE」と同じ意味を表す場合には「身体のバランス」又は「体のつりあい」といういい方をすると主張する。しかし、「身体」の「バランス」と「体」の「つりあい」の組み合わせは自由であるから、「体」の「バランス」即ち「カラダノバランス」といういい方もできるはずである。そして、「ボディコンシャス」を「ボディコン」と省略して称呼する等、略称をもって取引者、需要者に認識されることの多い昨今の取引においては「カラダノバランス」から「カラダバランス」を簡単に想起することができる。したがって、引用商標「BODY BALANCE」と本件商標「カラダバランス」は観念上、類似するから被請求人の上記主張は失当である。
(10)その他
(ア)被請求人は、本件商標は被請求人の商品に使用されている商標として確立した地位を得た周知商標であるから、取引市場で需要者及び取引者が引用商標と混同することはない旨を主張して、引用商標とは非類似である旨を主張する。しかしながら、請求人は、甲第17号証ないし甲第21号証に示すように、被請求人が本件商標を用いた商品の宣伝広告を開始した直後に、(a)被請求人の広告を担当する会社に対して引用商標にかかる商標権の侵害の通知(甲第17号証)を行い、(b)被請求人の会社の担当者に対しても商標権の侵害の通知(甲第20号証)を行ったが、被請求人は、(a)に対する回答書(甲第19号証)及び(b)に対する回答書(甲第21号証)のいずれにおいても「カラダ・バランス飲料」はキャッチコピーに過ぎず商標ではないとの主張を行い、引用商標に類似する商標である本件商標の無断使用を継続してきたものである。しかも、本件商標は、甲第19号証及び甲第21号証の回答書において被請求人が「キャッチコピー」に過ぎないと主張した言葉とほぼ同じ言葉から構成されるものであり、被請求人が「商標」として周知であると主張することとは全く矛盾するものである。そもそも、請求人が被請求人に対し、本件商標の使用は引用商標に類似する商標の使用である、との商標権侵害の警告を全く無視して、本件商標を使用した宣伝広告を大量に行ったこと自体が許されるべきものではないのであるから、その結果、たとえ本件商標が周知になったとしても、本件商標と引用商標とは類似しないという根拠とすることはできないはずである。
(イ)また、請求人は、平成12年8月19日付通知書(甲第20号証)の最後の部分に記載したように、引用商標が本件商標と類似するとの理由で他社からの契約を断られてしまっており、現実の取引実情においては、引用商標「BODY BALANCE」と本件商標「カラダバランス」は混同を生ずるほどに類似する商標と認識されているのである。さらに、請求人は、他社から契約を断られてしまったため現在は引用商標を付した商品を販売していないが、引用商標を付して商品を販売する予定はあり、当該商品を販売した場合には、取引市場で需要者及び取引者が本件商標を付した被請求人の商品と引用商標を付した請求人の商品と混同を生ずることは明らかである。以上から、被請求人が、請求人からの商標権侵害の警告を全く無視して本件商標を使用した宣伝広告を行って本件商標を周知にしたことを理由に、本件商標と引用商標とは観念上類似しないと主張することは、そもそも筋違いであり失当である。
3.以上の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効にすべきである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第4証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は前記したとおり、「カラダバランス」の片仮名文字よりなるところ、商標中の「カラダ」が日本語の「体(身体)」の片仮名表示であり、「バランス」が「釣り合い、均衡」等を意味する英語「balance」の片仮名表示であることは容易に認識し得るところである。
そして、本件商標は、よく知られた日本語「カラダ(体、身体)」と、よく知られた英語「バランス(均衡)」との組み合わせよりなるものであるから、個々の言葉の組み合わせよりなるものとしては理解し得るとしても、日本語と英語を単に並記したものであって、かつ、「カラダのバランス」のような説明的な表示ではないところからみて、全体としては、その正確な意味合いを容易に想起し得るとはいい得ないものである。
そうとすれば、本件商標は特定の観念を生じ得ない一種の造語と判断するのが相当であり、その指定商品との関係においても自他商品識別標識としての機能を十分に有するとみられるものである。
他方、引用商標は、「BODY BALANCE」の欧文字よりなるところ、それぞれ一般に親しまれている英語の「BODY」と「BALANCE」とからなるものであるから、全体として、これよりは、「からだ(ボディー)のつりあい、からだ(ボディー)の均衡」の意味合いを容易に想起し得るものである。
この点について、乙第2号証によれば、引用商標の片仮名表記である「ボディーバランス」の語が、各種業界において使用されている事実が示されている。
そして、これらの使用例は使用する者又は使用する対象により、その意味合が多少相違することは認めるが、「BODY BALANCE(ボディーバランス)」の本来的な意味合である「からだのつりあい、からだの均衡」と全く異なる意味合いで使用がされているわけではないから、「BODY BALANCE(ボディーバランス)」の語が一定の意味合いを有する語として一般に使用されているといえるところである。
以上のことよりすれば、本件商標と引用商標とは、本件商標が特定の観念を有しない造語であるから、引用商標が「からだのつりあい、からだの均衡」の観念を有する語であるとしても、観念上相紛れるおそれのない商標といわざるを得ない。
また、本件商標と引用商標は、それぞれの構成よりみて称呼、外観上区別し得ること明らかである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、その観念、称呼及び外観のいずれにおいても区別し得る非類似の商標といわざるを得ない。
なお、請求人はその主張を裏付けるために過去の審決例を提出しているが、これらは、本件無効審判とは事案を異にするものであるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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