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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の証拠

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−31274(T2001−31274/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第729851号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、昭和40年8月31日登録出願、同42年1月16日に設定登録され、その後、昭和52年4月18日、同62年7月22日、平成9年6月27日の3回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、「本件商標はその登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

1.請求の理由

請求人は、本件商標を引用商標とした拒絶理由通知を受けたものであり、本件不使用取消審判に及んだ次第である(甲第2号証及び甲第3号証)。

請求人は、本件審判を請求するに先立ち、本件商標の使用について、本件商標権者の社員に電話で確認したところ、「JUN」や「ジュン」と該当する商品は扱っていない、との回答を得た。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者または通常使用権者のいずれもが、その指定商品について登録商標を使用していないものと認められるから、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録は取り消されるべきものである。

2.答弁に対する弁駁

(1)乙各号証について

ア.乙第1号証の1ないし3(「乙第1号証ないし乙第3号証」は誤記と認める。)について

乙第1号証の1ないし3には、1983年4月にグラフィック・コンピュータの製造販売を開始する、と記載されているが、本件審判請求の登録前3年以上も前のことであり、期間的に「使用」の要件を満たしていない。

また、乙第1号証の1の1ないし3までは、前記乙号証の拡大写真ということであるが、前記のように期間的に「使用」の要件を満たしていないので、たとえ拡大写真に写っていたと仮定しても、使用したことにはならない。

しかも、「4D BOX」としか見えない。乙第1号証の1の3の写真では、「JUN」のようにも見えるが、その製品の中身が被請求人の製造販売に係る製品かどうかは不明である。この表示のみでは、実際に使用したという証明にはならない。いずれにしても、本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたという証拠がない。

イ.乙第2号証の1ないし3について

乙第2号証の1ないし3は、1985年に作成されたものであるから、この証拠資料は、本件審判請求の登録前3年以上も前に作成されたものであって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用されていたことを証明する証拠としては認めることはできない。

ウ.乙第3号証の1及び2について

乙第3号証の1及び2は、1998年1月の資料であって、この資料も、本件審判請求の登録前3年以上も前の作成であるから、本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたという証拠にはならない。

エ.乙第4号証について

乙第4号証は、1998年11月の資料ということであるが、この資料の印刷が1998年11月というだけであって、実際に公に頒布されたという証拠にはならず、よって商標を実際に使用したという証拠にはならない。実際に頒布された日付けの記載も証拠もないので、本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたという証拠にはなり得ない。

オ.乙第5号証について

乙第5号証(注文書)に記載の物件名はすべて「アップルコンピュータ株式会社」や「エプソン販売株式会社」の製品であって、これらの製品に被請求人の「JUN」という商標が使用されているという証拠にはならない。

また、被請求人は、乙第5号証を他の各乙号証との関連で総合的にみると、商標「JUN」を使用していることになると主張するが、前記のとおり、他の各乙号証は、本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたことを証明する証拠にはならない。

(2)以上のように、どの乙号証を見ても、「JUN」という商標が本件審判請求の登録前3年以内に使用されていたとは思われない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)を提出した。

なお、被請求人は、答弁書において、「8 証拠方法」として「(2) 乙第1号証の1の1から3 乙第1号証の3の写真を拡大した資料」と記載しているが、これに該当する証拠には、「乙第1号証の2の1、乙第1号証の2の2、乙第1号証の2の3」が付されているものである。そこで、請求人の弁駁、被請求人の答弁、当審の判断においては、証拠に付された「乙第1号証の2の1」を「乙第1号証の1の1」と、「乙第1号証の2の2」を「乙第1号証の1の2」と、「乙第1号証の2の3」を「乙第1号証の1の3」と置き換えた。

1.被請求人は、1958年12月に設立された法人であるが、広範囲にわたり各種商品の製造販売、サービス業に従事してきた(乙第1号証の1ないし3;JUN GROUP PROFILE)。

乙第1号証の2(HISTORY OF JUN)には、1983年4月にグラフイック・コンピュータの製造販売を開始した旨の記載がある。

また、乙第1号証の3には、このコンピュータを「4D BOX」と称していることが記載されている。そして、このコンピュータは特殊なソフトとハードにより構成されているものである。これを拡大したものを乙第1号証の1の1ないし3として提出する。

拡大したコンピュータの写真中には、「JUN」の文字が商標として表示されていることが認められる。

2.「4D BOX」と称しているグラフイックコンピュータがどのようなものであるかを明らかにするために、1985年に作成された乙第2号証の1から3の資料を提出する。これにより、「4D BOX」と称するコンピュータがどのようなものであるかがはっきりと分かる。

3.乙第3号証の1及び2(「JUN Co.,Ltd.P&E PROJECT」VOL.59/1998.JANUARY」)には、「JUN 4D BOX」の文字が顕著に表示され、また、「4D BOX」は登録商標である旨が記載されている(乙第3号証の1)。さらに、「JUN 4D BOX」の「System Network」が分かり易く図示されている。これにも「JUN」の商標が表示されていることが認められる(乙第3号証の2)。

3.被請求人は、乙第4号証の1及び2(「JUN Co.,Ltd.P&E PROJECT」VOL.62/1998.NOVEMBER)を提出し、乙第4号証及び乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)との関連において、乙第5号証を提出する。

乙第5号証は、株式会社日本リースから被請求人に対する、「4D BOX」コンピュータの1999年6月14日付の注文書である。

4.以上のとおり、乙第5号証について、乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)との関連において総合してみるとき、本件商標は、これと同一性を有する商標が、その指定商品中の電子応用機械器具に属するグラフイック・コンピュータについて、被請求人によって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、使用されていたことが明らかなものであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきではない。

第4 当審の判断

1.乙各号証によれば以下のことが認められる。

(1)乙第1号証の1ないし3は、「JUN GROUP PROFILE」であるところ、これによれば、被請求人は、1983年4月にP&E事業部を開設して、グラフィック・コンピュータの製造販売を開始し、該グラフィック・コンピュータは「4D BOX」の名称が付けられたことが認められる。しかし、上記「JUN GROUP PROFILE」の発行年月日は不明である。

(2)乙第1号証の1の1ないし3は、乙第1号証の3中の「P&E/ファッション産業グラフィック」部分の拡大写真であるところ、コンピュターを構成する機械の一部に「JUN」の文字が表示されていることが認められる。

(3)乙第2号証の1ないし3は、「GRAPHIC COMPUTER/4D box」(裏表紙には、「JUN」、「株式会社ジュンP&Eプロジェクト/JUN CO.,LTD.1985」などの記載がある。)なるパンフレットと認められるところ、被請求人の取扱いに係る「4D box」なるグラフィック・コンピューターの性能等についての宣伝広告が掲載されている。

(4)乙第3号証の1及び2は、「COMPUTER GRAPHIC SYSTEM/JUN 4D box」(VOL.59 1998.JANUARY)なるリーフレットと認められるところ、その表紙には、「Creative Network」、「4D box MAC/Windows95・NT」、「MacintoshにもWindowsにも対応するハイブリッドなシステムコーディネイトをご提案いたします。」などの文字が記載され、見開き部分には、「Drawing Stage」(アパレル向けの縫製仕様システム)、「刺繍デザインソフト」(Punto Creator)やファッションデザイン等に関する電子データ(The SnapFashun Library)、あるいはファッション関連企業に対する「業務支援ソフト」などのソフトウエアを販売している旨の記載があり、また、その販売に関し、「学校の先生方へ 4D box・DrawingStage・PADのソフトウエアには、教育機関向けの特別価格が設定されています。」なる記載が認められる。

さらに、裏頁には、「JUN 4D box System Network」として、「4D box」のシステムについて図解されているところ、要するに、同コンピュータシステムは、「MacintoshにもWindowsにも対応する」ものであり、「Macintosh」や「Windows」といった機種に、被請求人が開発した「4D box」(PRINT&GRAPHIC、Hi−TEX、Hi−KNIT等)のソフトウエアや、「CAD」(Drawing Stage、Punto Designer、Punto Creator等)のソフトウエアを組み込んで販売するというものと推測し得るところである。そして、コンピュータの周辺の機械器具である、「SCANER&PRINTER」は、「Fuji Pictrography 4000、EPSON ES−8000、EPSON MJ−8000C、CANON CANOSCAN600」などの機種が採用されていることが窺える。

(5)乙第4号証の1及び2は、「COMPUTER GRAPHIC SYSTEM/JUN 4D box」(VOL.62 1998.NOVENBER)なるリーフレットと認められるところ、被請求人の取扱いに係る上記グラフィック・コンピュータが、ファッション関連の専門学校に導入されたことなどの記事が掲載されているものである。また、裏頁には、乙第3号証と同様、「JUN 4D box System Network」の図解がされている。

(6)乙第5号証は、1999年(平成11年)6月14日付け「注文書」であるところ、被請求人は、株式会社日本リースから上記期日に(ア)「アップルコンピュータ株式会社/P.MACNEW93」、(イ)「アップルコンピュータ株式会社/4D−boxOrizinalソフト」、(ウ)「エプソン販売株式会社/入力装置」、(エ)「アップルコンピュータ株式会社/出入力用ソフトウエア」の注文を受け、同日にこれら商品を引き渡したことが認められる。そして、上記注文書に添付の「物件明細」によれば、上記(ア)は「P.MaC NewG3/350MHZ/64MB/6 GB/DVD,32CD メモリ増設128MB」、「AdaPtec Ultra SCSIカード(AHA2930U)」、「三菱モニター21インチ(RDG21X)」、「MOドライブ3.5 ”640MB(クリーニングキット、メディア付)」、「システムラック」の記載が、同(イ)は「4D−box Orizinalソフト(HI‐Print)」、「4D−box Orizinalソフト(チャート出力)」の記載が、同(ウ)は「EPSON LP‐800C(レーザーカラープリンター)」、「増設メモリ128MB(EPSON LP‐8000用純正)」、「SCSI プリンターケーブル1式」、「EPSON ES−8000(スキャナーA3迄対応)」、「EPSON CS−5500N(コピーサーバー)」、「増設カセットユニット、3段(LPCWC1)」、「専用キャビネット(CSCPNI)」、「スーパーディスクドライブ(Panasonic 120MB)」の記載が、同(エ)は「Adobe フォトショップ5.0j」、「Adobe フォトショップ8.0j」、「Norton Utilities ver4.0 for Mac」、「Norton Anti Virus ver5.03 for Mac」の記載がある。

2.前記1.で認定した事実を総合すると、被請求人は、1983年より、ファッション関連の商品デザイン等を容易にするソフトウエアの開発、製造を行い、これらソフトウエアを組み込んだグラフィック・コンピュータ及び上記ソフトウエアをファッション関連の業界向けの商品として販売していたものと認められるところ、これら被請求人の取扱いに係るグラフィックコンピュータシステム等は、「4D BOX」若しくは「4D box」と名付けられたが、その名称とともに本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標が使用されていた。

そして、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内である1999年6月14日に、前記1.(6)の商品の注文を受け、同日に買主に引き渡したことが認められる。

しかしながら、上記注文書に記載された商品中の(ア)「アップルコンピュータ株式会社/P.MACNEW93」、(ウ)「エプソン販売株式会社/入力装置」、(エ)「アップルコンピュータ株式会社/出入力用ソフトウエア」は、注文書に添付された「物件明細」及び乙第1号証ないし乙第4号証(枝番を含む。)を詳察しても、これら商品が被請求人の取り扱うグラフィック・コンピュータ及びこれに関連する機器との間の関連性を見出すことはできず、したがって、これら商品に本件商標、若しくはこれと社会通念上同一の商標が使用されていたという事実も確認することはできない。(なお、乙第3号証及び乙第4号証中の「JUN 4D box System Network」には、1999年(平成11年)6月14日付け「注文書」に添付の「物件明細」に記載された「EPSON ES−8000」が記載されているが、該商品に本件商標、若しくはこれと社会通念上同一の商標が使用されていたという事実は確認できない。)

一方、上記注文書に記載された商品中の(イ)「アップルコンピュータ株式会社/4D−boxOrizinalソフト」についてみるに、乙第3号証に記載された被請求人によるソフトウエアの販売、並びに乙第3号証及び乙第4号証の裏頁の「JUN 4Dbox System Network」の図解とともに記載されたコンピュータに組み込まれる「4D box」なる各種ソフトウエアの存在事実からすれば、被請求人の開発したソフトウエアと認められ、前記したように、被請求人のソフトウエアを紹介するリーフレットには、「JUN」の表示が認められるものである。

してみると、被請求人は、本件商標の指定商品中、少なくとも「コンピュータ用ソフトウエア」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用し販売をしていたことが認められ、該商品は、本件商標の指定商品中の「電子応用機械器具」の範疇に属する商品である。

したがって、被請求人は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定商品中に含まれる「コンピュータ用ソフトウエア」について使用していたものと認めることができる。

3.請求人の主張について

請求人は、「乙第1号証ないし乙第3号証は、その作成年月日等から本件審判の請求の登録前3年以内に使用されたものとはいえず、証明資料とはなり得ない。」、「乙第4号証は、印刷された日付が1998年11月というものであり、頒布されたものか不明であり、使用の証明資料とはなり得ない。」、「乙第5号証は、注文された商品に『JUN』商標が使用されたという証明にはならない。」などの主張をする。

しかしながら、乙第1号証ないし乙第4号証の証明資料は、実際に取引があったことを示す取引書類(本件においては乙第5号証)に記載された商品に、登録商標が商標権者等により如何なる態様で使用されていたかを証明するための、いわば登録商標の使用状態を明らかにするための資料というべきであるから、たとえ乙第1号証ないし乙第4号証の作成年月日が本件審判の請求の登録前3年以内のものでなかったり、実際の頒布が不明であったりしたとしても、本件においては、前記したとおり、乙第3号証及び乙第4号証により、商標権者により本件商標と社会通念上同一と認められる商標が本件商標の指定商品中に含まれる「コンピュータ用ソフトウエア」について使用されていたことが明らかとなり、そして、その商品が本件審判の請求の登録前3年以内に取引があったことが認められたものであるから、上記請求人の主張は採用することができない。

4.むすび

以上のとおりであるから、商標権者である被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を指定商品中の「コンピュータ用ソフトウエア」について使用していたことを証明したものと認め得るところである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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