Trademark Appeal Case
一音違いの称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第11815号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「SYLOBEAD」の欧文字(標準文字による)を横書きしてなり、第1類「化学及び石油化学分野による脱水工程に用いられる合成ゼオライトの性質をおびた化学品,分子篩」を指定商品として、平成9年9月18日に登録出願されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして、その出願の拒絶に引用した登録第451985号商標(以下「引用商標」という。)は、昭和28年12月7日登録出願、別掲に示すとおりの構成よりなり、第1類「粒状珪酸、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和29年9月22日に設定登録、その後昭和49年10月30日、同60年1月16日及び平成7年1月30日の3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
3 当審の判断
そこで、本願商標と引用商標の類否について検討する。
(1)本件商標と引用商標の外観及び観念について
本願商標と引用商標とは、外観においては、区別し得る差異を有するものであり、また、観念については、それぞれ造語と認められるから、比較することができないものである。
(2)本願商標と引用商標の称呼について
次に、称呼よりみるに、本願商標は、「SYLOBEAD」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して「シロビード」の称呼を生ずるものと認められる。
これに対し、引用商標は、別掲に示すとおり、「シルビード」の片仮名文字を縦書きし、その下部に「SILBEAD」の欧文字を横書きしてなるものであるから、その構成文字に相応して、「シルビード」の称呼を生じるものである。
そこで、本願商標より生ずる「シロビード」の称呼と引用商標より生ずる「シルビード」の両称呼を比較するに、まず、音の配列において、第1音の「シ」と第3音の「ビー」及び第4音の「ド」は同一であり、異なるのは第2音における「ロ」と「ル」の差異にすぎない。
しかして、該差異音の「ロ」と「ル」は、50音のラ行の同行音であり、子音を共通にする近似の音である。そして、両者を一連に称呼するときは、いずれも語頭音である「シ」の音が強く発音されるのに対し、第2音の「ロ」「ル」は、これと比較して弱く響く音であり、かつ、これに続く第3音が同じ「ビ」の長音である「ビー」で、それ自体明瞭に発音される音であることから、該差異音が称呼全体に及ぼす影響は少ないものであるというべきである。
してみると、両称呼が1個の長音を含む4音という比較的短い音の構成からなるものであること、「ロ」と「ル」とが帯有母音を「o」「u」と異にするものであることを考慮しても、両称呼を一連に称呼するときは、語感、語調が互いに近似し、彼此相紛れるおそれがあるものとみるのが相当である。
(3)請求人の主張について
請求人は、本願商標が世界各国で登録されていること、また、「SYLO〜」のシリーズとして多数登録商標を取得しているから、十分識別することができる旨主張している。
しかしながら、どのようなものの登録を認めるべきとするかの判断が、専ら各国の法制に任せられた事項であることは、条約上からも当然のことであり、各国の取扱い自体が、ある商品について登録を認めるか否かについての我が国の商標法の解釈に直接影響を及ぼすことはあり得ず、請求人の主張は、立法論の根拠にしかならないものを、解釈論の根拠にしようとするものというほかないものである。また、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標(引用商標)との対比においてのみ決定されもべきものであり、たとえ他の登録商標(「SYLO〜」)との関係において、それらが登録されているとしても、そのことによって類否の判断を異にするにいたるべきものではない。したがって、請求人の主張はいずれも失当である。
(4)以上のとおり、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念上比較すべくもないものであるとしても、その称呼において類似する商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものである。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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