Trademark Appeal Case
「MAIL」の電子メール識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第16570号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「MAIL」及び「メール」の文字を上下二段に書してなり、第9類に属する願書記載のとおり商品を指定商品として、平成10年5月8日に登録出願、指定商品については、その後、平成11年7月17日付手続補正書をもって、「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,鉄道用信号機,火災報知機,ガス漏れ警報器,盗難警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,計算尺,潜水用機械器具,アーク溶接機,金属溶断機,電気溶接装置,検卵器,電動式扉自動開閉装置」と補正されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、『MAIL』の欧文字とその表音表示である『メール』の片仮名文字を2段に書してなるものであるが、本願指定商品中の『電子応用機械器具及びその部品』との関係において、『電子計算機端末による通信上の文書のやりとり』のことを『電子メイル』ということから、このような商標をその指定商品中上記文字に照応する『電子計算機による通信を行う機器』について使用しても、『日本語情報システムを利用した電子メール』を想起させ、単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとはいえない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記に照応する商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「MAIL」及び「メール」の文字を上下二段に書してなるところ、「MAIL」及び「メール」の各文字は、「郵便、郵便物」を意味するもののほか、指定商品との関係においては、「電子メール(Eメール)」の略称として認識されているものである(広辞苑第五版 株式会社岩波書店 1998年11月11日発行)(2000−’01年版 最新パソコン用語事典 第11版 株式会社技術評論社 平成12年6月25日発行)。
ところで、「電子メール」に関して新聞記事検索(株式会社ジー・サーチの提供する「G−Searchデータベースサービス」)を行うと、「ワープロ、表計算、日本語変換ソフトなどがセットになった家庭向け統合ソフトの最新版『ジャストホーム2』を発売した。デジタルカメラ写真加工ソフトやメールソフトも搭載。」(読売新聞 2001.9.25)、「日本アイ・ビー・エムは14日、音声認識ソフト『ビア・ボイスV8』とソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)と共同開発した電子メールソフト『ポストペットビア・ボイス対応版』の最新版をパッケージにした『ビアボイススタンダードV8ウィズポストペットビア・ボイス対応版』を3月2日に発売すると発表した。」(日刊工業新聞 2001.2.15)、「キヤノンは9日、電子メールの内容を音声に変換して電話で聞ける電子メール電話読み上げシステム『きこめ〜る』を開発し、グループのインターネット情報提供会社ファストネット(本社東京)が年内に運用を始めると発表した。インターネットの情報提供会社としては、国内で初めてのサービスという。」(日刊スポーツ新聞 1996.5.14)外、多数の関連記事が発見でき、これらの記載から、電子メールのコンピュータ用プログラムを記憶させた記録媒体が現実に存在し、販売されている事実が知れる。
また、近年急激に普及した携帯電話機には、電子メールの機能を有する機種が大部分を占めていることは一般によく知られているところである。
そうとすると、本願商標は、これをその指定商品中、例えば「パーソナルコンピュータ,コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ,携帯情報端末機,メール機能を有する携帯電話機」等に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、それが上記電子メール用コンピュータプログラムを記憶させた記録媒体又は、電子メールの機能を有した商品の如く、単に、商品の品質・機能を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識とは認識し得ないというのが相当であって、かつ、前記商品以外の「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。
してみれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとしてその出願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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