Trademark Appeal Case
氏名と物質名の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−17049(T2000−17049/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「浅井ゲルマニウム」、「アサイゲルマニウム」及び「ASAIGERMANIUM」の文字を三段に書してなり、第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,原料プラスチック,パルプ,工業用粉類,肥料,写真材料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬品」を指定商品として、平成11年8月6日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、ありふれた氏と認められる『浅井』の文字とその表音及びローマ字表記である『アサイ』『ASAI』の文字と『ゲルマニウム、ゲルマニウムを原材料とした商品』であることを認識する『ゲルマニ
ウム』『GERMANIUM』の文字を『浅井ゲルマニウム』『アサイゲルマニウム』『ASAIGERMANIUM』と書してなるにすぎないものであるから、これを指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり「浅井ゲルマニウム」、「アサイゲルマニウム」及び「ASAIGERMANIUM」の文字からなるところ、構成中上段の前半に書された「浅井」の文字は、ありふれた氏と認められるものであり、中段の前半及び下段の前半に書された「アサイ」及び「ASAI」の文字は、上段の前半に書された「浅井」の文字の片仮名表記及びローマ字表記として理解され、ありふれた氏「浅井」を認識するものである。
また、構成中上段の後半及び中段の後半に書された「ゲルマニウム」の文字は、希有金属の一種「ゲルマニウム」を表すものであり、下段の後半に書された「GERMANIUM」の欧文字は、前記「ゲルマニウム」の英語表記として理解されるものである。
してみれば、本願商標は、ありふれた氏「浅井」の文字、これに通じる「アサイ」及び「ASAI」の文字、希有金属の一種である「ゲルマニウム」の文字と、その英語表記としての「GERMANIUM」の文字からなるものと容易に理解されるものというべきである。
ところで、「ゲルマニウム」は、「マグローヒル科学用語大辞典(改訂第3版)」の記載によれば、半導体、合金、ガラスに用いられていることが明らかである。また、各種新聞に以下のような記載が認められる。
(1)2001年4月19日 共同通信 「薄膜の光トランジスタ開発 超高速計算機に応用へ 産業技術総研チーム」を見出しとして、「この光トランジスタは、樹脂製基板の上に酸化銀の膜を乗せ、その上にゲルマニウムなどの化合物の結晶でできた記録膜を乗せた構造。記録膜には微細な記録パターンが刻んである。」との記載がある。
(2)2001年10月3日 日刊工業新聞 26頁「産総研とキレスト、セルロース活用のゲルマニウム吸着材を開発」を見出しとして、「ゲルマニウムはポリエチレンテレフタレート(PET)の合成用触媒や光ファイバーおよび蛍光灯やブラウン感の蛍光体などに使われている。」との記載がある。
(3)2001年12月4日 繊研新聞 4面「帝人 ポリエステルで重金属不用の新触媒技術開発、染色性・鮮明性が向上」を見出しとして、「ポリエステルの製造触媒は、繊維、フィルム、ペットボトルなどの用途に合わせてアンチモン系、ゲルマニウム系触媒が一般的に用いられているが、地球環境に対する負荷の問題が市場でも懸念されている。・・・触媒とは、ポリマーを製造する時に入れる添加剤。・・・ポリエステルの製造触媒では、繊維製品にはアンチモン系、フィルム、ペットボトルにはゲルマニウム系触媒が用いられる。」との記載がある。
(4)2002年2月25日 日刊工業新聞 7頁「欧米の先端技術は今(39)不況下でも進む半導体開発競争、未踏領域へ」を見出しとして、「このような環境下、昨年業界を騒がせたのがシリコン・ゲルマニウムの高速ICへの実用技術開発だった。シリコントランジスタに少量のゲルマニウムを添加することで、電子の流れを促進し格段のスピードアップが実現できる。」との記載がある。
以上のことからすれば、「ゲルマニウム」は、本願指定商品中の「化学品」に属するものと認められる「半導体製造用化学剤」や、「ポリエステル製造用触媒剤」の原材料に用いられる物質として、一般に知られているものといわなければならない。
してみれば、ありふれた氏と認められる「浅井」の文字と、これに通じる「アサイ」及び「ASAI」の文字、「ゲルマニウム」及び「GERMANIUM」の文字からなるものと容易に認識される本願商標を、その指定商品中、例えば、「化学品」に属する「ゲルマニウムが添加された化学剤、ゲルマニウムが添加された触媒剤」に使用したときは、需要者をして、いずれの「浅井」の氏を有する者の製造、販売に係るゲルマニウム添加商品であるかを識別することができないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるから、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
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