Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−19507(T2000−19507/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「らくらくメール」の文字(標準文字)を書してなり、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,レコード,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,金銭登録機,現金自動預金支払機,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、平成11年9月22日に登録出願され、その後、指定商品については、平成12年9月28日付手続補正書により「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,レコード,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,金銭登録機,現金自動預金支払機」と補正されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4167179号商標(以下「引用商標」という。)は、「らくらく英文メール」の文字を横書きししてなり、平成9年3月24日登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成10年7月17日設定登録がなされたものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「らくらくメール」の文字を書してなるところ、「らくらく」及び「メール」の各語を結合させたものである。
他方、引用商標は、前記のとおり「らくらく英文メール」の文字を書してなるところ、「らくらく」「英文」及び「メール」の各語を結合させたものである。
ところで、本願商標及び引用商標構成中の「メール」の文字は、本来的には「郵便、郵便物」を意味する英語「mail」の発音を片仮名で表記したものであるが、近年の情報通信産業の発展は目覚ましく、コンピュータが各企業はもとより家庭にも普及しているところ、「コンピュータネットワークに接続できる環境を持っている人宛てに、メッセージを記録したデータを配信するシステム」を電子メール(electronic mail;e−mail)と称し、そのデータを送信し、受信することが郵便のイメージに近いことから「メール」の名称が使用されていると認められるから(日経BP社発行「日経パソコン新語辞典99年版」参照)、「電子メール」を表したと容易に認識させるというべきである。そして、電子メールにおいても手紙による通信と同様に多種の言語が用いられていることからすれば、引用商標構成中の「英文メール」の文字は、通信内容が英語により書かれた文章であることを認識させるというべきである。本願の指定商品中の通信等との関係において、「メール」及び「英文メール」の各語は、一般に使用されている語であって、取引者、需要者に強い印象を与えるものではない。これに対して、「らくらく」の文字は、一般に「ゆったりしていて安楽なこと。たやすいさま。」を意味するものである。そして、電子メールが一般家庭に普及してきたとはいえ、電子メールによる通信がスムーズにできるようになるまでには、コンピュータの操作をはじめ、海外との通信には英語が使用されることが多いなど、初心者や英語が苦手な者とっては困難を伴うのが実情である。
このような取引の実情を併せ考慮すると、本願商標は、該構成文字に相応して「ラクラクメール」の称呼を生じ、「簡単に電子メールによる通信ができる」との意味合いを暗示させるものである。引用商標は、該構成文字に相応して「ラクラクエイブンメール」の称呼を生じ、「簡単に電子メールによる英文の通信ができる」との意味合いを暗示するものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観上、「らくらく」の語と「メール」の語の間に「英文」の語の有無に差異を有するが、「らくらく」及び「メール」の各語により構成されている点において共通している。また、本願商標より生ずる称呼「ラクラクメール」と引用商標より生ずる称呼「ラクラクエイブンメール」とは、中間音において「エイブン」の音の有無の差異を有するが、「ラクラクメール」の音を共通にしている。さらに、本願商標は前記のとおり「簡単に電子メールによる通信ができる」との意味合いを暗示するのに対し、引用商標は「簡単に電子メールによる英文の通信ができる」との意味合いを暗示するもので、英文を含む一般の通信か英文の通信かの差異を有するが、両商標は、「簡単に電子メールによる通信ができる」との意味合いを暗示する点において共通している。両商標は、「らくらく」及び「メール」の各語をいずれの構成中にも有し、これらの語が結合した「らくらくメール」が構成の基本となっており、外観、称呼及び観念上、この基本的な構成が取引者、需要者に強い印象、連想を与えるというべきである。「英文」の語の有無が、両商標の基本的な構成である「らくらくメール」の語による出所識別機能の同一性を妨げるものではない。
したがって、本願商標は、これをその指定商品中の「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」に使用する場合、時と所を異にして同種商品に使用する引用商標に接するときは、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあり、引用商標と類似の商標といわざるを得ない。
そして、本願商標と引用商標の指定商品は「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」において同一のものである。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて種々述べているが、これらは対比する商標の構成態様において本件とは異なるものであるから、上記登録例をそのまま本件の類否判断に当てはめることは妥当ではなく、上記登録例の存在をもって、本件における類否判断が左右されるものではないから、請求人の主張は採用することができない。
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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