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Trademark Appeal Case

品質表示と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−20978(T2000−20978/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第11類に「食器洗乾燥機,その他の家庭用電熱用品類」を指定商品として、平成11年4月2日に登録出願され、その後、指定商品については同12年10月10日付け手続補正書により「食器洗乾燥機」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は『日本のキッチンに、』の文字の下に太字で表わした『これなら』の文字が併記され、それに続けて倍の大きさからなる『置』の文字とその影を現し、そこに重ねて『け』の文字を書してなり、次にやや大きめの『る』の文字に『!』が付された構成態様からなるものであり、工夫がみられるところだが、普通に用いられる範囲にとどまるものであり、全体としての意味は、『日本の台所に置いておくのに最適の大きさ・かたちであること。』の意味を表わしたものとみるのが相当であり、これを本願指定商品に使用しても、取引者・需要者は『日本の台所の広がり、空間を考慮に入れてつくられた形状・大きさを強調したもの』と理解・認識するにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎず、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有しないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲のとおり「日本のキッチンに、」と「これなら置ける!」とを組み合わせ、その構成中の「置」の文字を図案化した形態よりなるものであるところ、近時、商号、商標等の全部もしくは一部を図案化して、企業の独自性をアピールするなど、コーポレート・アイデンティティの重要性が広く企業一般に浸透している実情にある。また、レタリングの技法においても、様々な技法が考案され、例えば文字と文字とを詰める手法、文字と文字とを続ける手法、文字を立体風にみせる手法等があることが認められることを考慮すれば、本願商標は、その構成中「日本のキッチンに、」を他の文字に比較して小さく左上段に配置し、「これなら」をその下段に、その次に図案化した「置」の文字を他の文宇より一回り大きく斜め向きに立体的に表し、同「置」の文字の次に「ける!」を一部重なるように配置したものではあるが、一体的に「日本のキッチンに、これなら置ける!」の文字を書したものと容易に理解されるものといえる。

また、わが国の住宅事情を取り巻く社会的状況において、使用目的、使用場所等に適した種々の家庭電気製品が製造、販売され、例えば、少ないスペースを有効に活用することを付加価値とした商品が多数市場に出回っていることは周知の事実である。このような商品は、本願指定商品である食器洗乾燥機の分野においても、例外ではなく、台所のスペースを有効に利用する機能性商品と称して市販されている実情にある。

上記取引の実情よりすると、「日本のキッチンに、」「これなら置ける!」の文字よりなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「日本のキッチン(台所)に置ける商品」すなわち、「日本のキッチン(台所)に無理なく置くことができる大きさ、形状の商品(食器洗乾燥機)」なる意味合いを表したものと容易に理解し、商品の出所を識別する標識たる商標とは認識し得ないものとみるのが相当である。

してみると、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、単にその商品の品質を表示するにすぎないものといわざるを得ない。

請求人は、「置」の文字が特徴を有しており、普通に用いられる範囲を越えた特徴を有している旨主張している。

しかしながら、本願商標は、上述したとおり、「置」の文字部分が図案化されているとはいえ未だ必ずしも特異な字体とは認められず、構成全体としても容易に「日本のキッチンに、これなら置ける!」を表したものであることを認識させ、指定商品「食器洗乾燥機」に使用するときは、「日本の台所に無理なく置くことができる大きさ・形状の食器洗乾燥機」であることを印象づけるにすぎないものであるから、未だ「普通に用いられる範囲」の域を脱しているとは認められない。

また、請求人は、本願商標は同人が商品「食器洗乾燥機」に使用し識別力を有する旨主張しているが、その提出する甲第1号証ないし甲第3号証(枝番号を含む。)によっては、本願商標が商品の出所識別力を有するに至ったものであるとの事実を認めるに足りない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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