Trademark Appeal Case
一般名称と型式表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−13991(T2000−13991/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本審判事件に係る平成10年商標登録願第60911号(以下「本願」という。)は、商標の構成を標準文字による欧文字「ComponentAA」(以下「本願商標」という場合がある。)とし、指定商品及び指定役務を第9類及び第42類に属する本願の願書に記載の商品及び役務のとおりとして、平成10年7月16日に出願されたものである。そして、指定商品及び指定役務については、平成12年9月4日に第42類の指定役務を分割出願(商願2000−96745)し、同日付手続補正書により本願の指定商品及び指定役務は、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」と縮減補正されたものである。
2 当審の拒絶理由
当審において、請求人に対して平成12年9月4日付拒絶理由通知書をもって通知した本願商標の拒絶理由は、要旨次のとおりである。
<拒絶理由>
(1)本願商標の構成中の「Component」の文字部分は、「コンポーネント」と読まれ「本体の部品若しくはその組立品、又は特殊な用途のために必要に応じて本体に装着される部品若しくはその組立品。」(財団法人日本規格協会 発行「JIS工業用語大辞典【第4版】」)の意味を有する語として、各種工業製品の分野において知られ用いられるものといえる。また、欧文字2字は、一般に自己の生産若しくは販売に係る商品の型式、規格等を表示するための記号、符号として商取引上類型的に使用されているのが実情であって、本願商標の指定商品を取り扱うこの種業界においても例外ではなく、構成中の「AA」の欧文字部分は、これと理解し認識させるものである。
(2)そして、日経パソコン新語辞典99年版(日経PB社 発行)において、「コンポーネントソフト(component software)」を見出し語とする項に「部品単位で組み合わせて利用できる、モジュール化されたソフトのこと。ソフトウエア部品とも呼ぶ。OLEを拡張したActiveX、JavaをベースにしたJavaBeans、Mac OSが採用してるOpenDocなど・・・また最近は、DCOMを使ったネットワーク対応のコンポーネントソフトが増えている。・・・」の記述、同「ASP(Active Server Pages)」を見出し語とする項に「・・・任意の言語で書かれた各種コンポーネントを組み合わせて・・・Personal Web Serverにコンポーネントを追加することでASPを利用できる。・・・」の記述が認められ、かつ、「コンポーネントソフト」に関して産業分野の新聞である日刊工業新聞の記事において、例えば、2002年2月13日付で「NTTデータ、地銀向け市場業務をASPで提供」の記事見出しの下「・・・金融機関向け『総合経営管理システム』のコンポーネントの一つで、スワップや通貨オプション・・・」の記事、2001年9月12日付で「イーズ・マインド・クリエーション、顧客メール情報管理のASPサービス開始」の記事見出しの下「・・・インターネット対応顧客情報管理(eCRM)コンポーネントのウェブ管理サービス・・・」の記事、2000年11月27日付で「富士通、EJB対応のソフト部品をネットで提供」の記事見出しの下「・・・業務システム用コンポーネント製品48種類をダウンロードする形で提供する。事前登録したユーザーが対象で、提供開始は12月25日から。同社は、10月に日本アイ・ビー・エムなどとEJBコンポーネントに関する・・・」の記事、及び1996年3月26日付で「ジャストシステム、CIラブスのスポンサーメンバーに昇格」の記事見出しの下「・・・コンポーネントソフトウエアの標準技術『オープンドック』の普及団体である・・・」の記事等の掲載が認められる。
そうすると、これら事情からして、本願商標を指定商品中、電子応用機械器具に属する電子計算機に使用するときは、これに接する需要者等は構成前半の「Component」の文字からは「コンポーネントソフト(component software)」を表したものと、同後半の「AA」の文字は商品の型式、規格等を表示するための記号、符号を表したものとそれぞれ理解・認識するに止まり、これをもって自他商品の識別標識としては機能し難いといわざるを得ず、需要者をして何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものといわなければならない。また、該ソフトウエア以外の商品について使用するときは商品の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
(3)さらに、オーディオ関連機器において、オーディオ装置の構成をソース(レコードプレーヤー、CDプレーヤー、チューナ、テープデッキ等)、アンプ及びスピーカーの3部分を各々独立したケースに収納したものを「コンポーネント形(タイプ)」ないしは「コンポ型演奏装置(component)」と称していることから、本願商標を指定商品中、電気通信機械器具に属する音声周波機械器具に使用するときは、これに接する需要者等は構成前半の「Component」の文字からは「コンポ型演奏装置」を表したものと、同後半の「AA」の文字は商品の型式、規格等を表示するための記号、符号を表したものとそれぞれ理解・認識するに止まり、これをもって自他商品の識別標識としては機能し難いといわざるを得ず、需要者をして何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものといわなければならない。また、該コンポ型演奏装置以外の商品について使用するときは商品の誤認を生じさせるおそれがあるというべきである。
(4)したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
3 請求人の意見
請求人は、上記2の拒絶理由に対し、意見を要旨次のように述べた。
<意見内容>
拒絶理由では、本願「ComponentAA」を「Component」と「AA」に分離して観察することを前提にしている。
しかし、本願は「ComponentAA」の文字を、同大・同間隔で、全体として纏まりよく横書きしてなるもので、外観上分離して観察する特段の事情はないものと考る。
また、本願より生じる称呼「コンポーネントエーエー」も冗長ではなく、全体として澱みなく一気に称呼し得ることから本願は「ComponentAA」で一連一体のものと認識されるものと考える。
したがって、本願商標は、「ComponentAA」全体で称呼認識されるものであり、特定の観念を生じない造語であることは明らかであり、拒絶理由に言うような意味合いを理解、認識させるとは思えない。
なお、本願と同様の商品分類において「Component」の語を含む商標が以下のとおり登録されている。
COMPONENT/X 登録第4281291号
COMPONENT/J 登録第4281292号
ComponentStudio/コンポーネントスタジオ
登録第4381472号
これは、これらの商標が、それぞれ「COMPONENT」と「/」と識別力のないアルファベット1文字「X」あるいは「J」に分離されて捉えられたのではなく、全体として特定の観念を生じない語として判断されたからに他ならない。また、後者については「Component」と「Studio」とに分離されて、例えば、「アプリケーションを構成する特定の機能を有するファイルの作成ソフト」等の意味を看取させるものと判断されたのではなく、全体として特定の観念を生じない語として判断されたからに他ならない。したがって、本願当該部分も特定の観念を生じない語であることは明らかである。同様に本願商標も一連一体で特定の観念を生じない語であることは明らかである。
以上により、本願商標「ComponentAA」は何ら特定の観念を想起させない造語であり、自他識別標識としての機能を十分果たし得るものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び第4条1項16号には該当するものではないと考える。
4 当審の判断
本願商標についてした先の拒絶理由(上記2)は妥当であって、その認定の誤りを述べる請求人の意見は、以下の理由により、採用することができない。
すなわち、請求人は、本願は「ComponentAA」の文字を、同大・同間隔で、全体として纏まりよく横書きしてなるもので、外観上分離して観察する特段の事情はないものであるから、特定の観念を想起させない造語である旨述べ、また、「COMPONENT」の文字と他の文字との結合商標が一連の造語と認識され、当該他の文字により構成される商標が登録されているから、同様に、本願商標も一連一体で特定の観念を生じない語であることは明らかである旨述べその登録適格性を主張しているが、本願商標は「ComponentAA」の文字よりなるところ、冒頭の「C」を大文字、中間を「omponent」の小文字、及び末尾の「AA」を大文字により表してなり、視覚上において「Component」と「AA」とに自ずと分離して看取させるものといえる構成である。
そして、先の拒絶理由において認定したとおり、構成中「Component」の文字部分は、「コンポーネントソフト(component software)」又は「コンポーネント形(タイプ)」ないしは「コンポ型演奏装置(component)」を、同後半の「AA」の文字は商品の型式、規格等を表示するための記号、符号を表したものとそれぞれ理解・認識されるに止まり、両文字を結合することによって、それぞれのもつ意味合いを超えるものとして把握されるべき事情もなく、かつ、それ以上に商品の出所を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが取引の実情よりみて相当である。また、請求人の挙げる商標登録例をもつて現在における本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でなく、本件については前記認定を相当とするものであるから、前記各事情に照らし、請求人の主張は採用できない。その他、その主張を認めるに足りる証拠の提出はない。
また、本願商標を前記商品以外の「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について使用するときは、あたかも該商品が「コンポーネントソフト(component software)」又は「コンポーネント形(タイプ)」ないしは「コンポ型演奏装置(component)」仕様のものであるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがある。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条1項16号に該当し、本願を登録することができない。
よって、結論のとおり審決する
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