Trademark Appeal Case
地名・手作り・工房の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第21044号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「神戸手作り工房」の文字を標準文字で横書きしてなり、第30類願書記載の商品を指定商品として、平成10年11月11日に登録出願、その後、 指定商品については、当審における同11年12月24日付け提出の手続補正書をもって、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,米,食用粉類,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,ベーキングパウダー」に補正されたものである。
2 当審における拒絶の理由
この商標登録出願に係る商標は、「神戸手作り工房」の文字を標準文字で表してなるものであるところ、「神戸」の文字は、兵庫県南部に所在する政令指定都市「神戸市」に通じ、「手作り」の文字は、「手ずから作ること」を意味する親しまれた語であり、「工房」の文字は、「美術家や工芸家などの仕事場」を意味するばかりでなく、今日では、「パン工房」「ケーキ工房」等、本願指定商品についても、「こだわりを持って行う加工場」を意味するものとして、慣用的に使用されている実情にあるところから、これらを連綴して「神戸手作り工房」と表しても、本願商標は、これに接する取引者、需要者に「神戸地域における手ずから作ることにこだわりをもった加工場」であると把握、認識させる記述的にすぎないものであり、これを本願指定商品について使用するときは、上記意味合いを看取させる以上に特別顕著なところはなく、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
3 請求人の意見
請求人は、後掲のとおりの過去の判断例を示すとともに、上記拒絶の理由に対する意見を以下のとおり述べた。
本願商標の「神戸手作り工房」の文字から例え「神戸地域における手ずから作ることにこだわりをもった加工場」の如き意味が看取されるものであるにしても、本願商標が、その故をもってして需要者が直ちに何人かの業務に係る商品であることかを認識することができない商標とは言い難いものである。
即ち、「需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標」に該当するかについて検討するに、商品の品質、用途等とは、需要者の社会通念上当該商品が一般に有する共通な品質、用途等をいうものであって、本願の指定商品である「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,米,食用粉類,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドぺースト,ベーキングパウダー,化学調味料,香辛料,はちみつ,ごま塩」の商品について「神戸地域における手ずから作ることにこだわりをもった加工場」が特定できない場合においては、需要者においてその商品が何人かの業務に係るものであることかを認識するものと言わざるを得ない。
従って、本願商標「神戸手作り工房」をその指定商品に使用しても自他商品の識別機能を充分有しているものと認めるのを相当とするものである。
なお、本願商標と同様の事例に属すると考えられる次の商標が登録されている事実は本出願人の上記の見解を例証するものと確信する。
「札幌工房」 登録第4093172号
「神戸ハイカラ工房」 登録第4299387号
「銀座工房」 登録第4327640号
「六甲工房」 登録第4328080号
「巴里工房」 登録第4382755号
「デザート工房」 登録第2621151号
「できたて工房」 登録第4323897号
「つくりたて工房」 登録第4277033号
「生チョコ工房」 登録第4535057号
4 当審の判断
現行商標法第3条の一方の意義は、旧法における「特別顕著」の解釈の不統一を避けるため、「特別顕著」の文字を用いずに、この特別顕著性がないものについて、同条第1項第1号ないし同第5号に具体的に例示列挙し、これだけでは表すことができないので、総括的に同第6号を置いたものと解される。
してみれば、同第6号には、品質等、狭義の自他商品(役務)識別力のないもののほか、外観上より識別力のないもの等、一般的に「特別顕著」な部分を有しないものをも含むものであるというべきである。
そして、本願商標を見るに、本願商標は、「神戸手作り工房」の文字を標準文字で横書きしてなるにすぎないものであるから、普通の書体をもって「神戸地域における手ずから作ることにこだわりをもった加工場(で製造された商品。)」の意味を看取させる記述的にすぎないものというべきであり、これに接する取引者、需要者は、本願商標より、上記意味内容を把握する以上に、「特別顕著」な部分を見出すことはないものというを相当とする。
また、請求人の指摘する登録例は、すべて、全体にまとまりよく構成され、記述的にすぎないものといい得ないものであるから、本願商標と同列に論ずることはできない。
したがって、先の拒絶の理由は、妥当なものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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