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Trademark Appeal Case

品種名と商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−5848(T2000−5848/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「SUMMER SWEET」の欧文字を標準文字で書してなり、平成10年7月7日に登録出願、指定商品については、願書記載の指定商品を、平成12年1月17日付けの手続補正書により、第31類「人の食用に供するとうもろこし,野菜,野菜の種子」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、種苗法による品種登録を受けた農林水産植物『とうもろこし』に使用する品種の名称『サマースイート(平成10年7月17日登録、登録番号第6622号)』と類似するものであって、その品種の種苗又はこれに類似する商品に使用するものである。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第14号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の拒絶理由

当審において、新たに請求人(出願人)に対して通知した拒絶理由は、次のとおりである。

[拒絶理由]

本願商標は、「SUMMER SWEET」の文字を標準文字で書してなるところ、これは種苗法に基づく品種登録がされた農林水産植物の種類「とうもろこし」の登録品種の名称「サマースイート」(平成10年7月17日登録、登録番号第6622号:品種登録者の名称北海道、ホクレン農業協同組合連合会)を、欧文字で表示したものと容易に看取させるものであるから、このようなものを本願の指定商品中「人の食用に供するとうもろこし」に使用しても、上記品種の名称が「とうもろこし」の品種の名称として存在することよりすれば、これに接する取引者・需要者は、本願商標が該とうもろこしの品種の名称を表示したものであると理解・認識するにとどまるというのが相当であり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

なお、「サマースイート」の文字は、日本農業新聞(1995.11.21・7面)に、「▽トウモロコシ「サマースイート」(とうもろこし農林交36号)=旧系統名「十生26号」。北海道立十勝農業試験場(国の指定試験地)が育成した中生、多収で缶詰加工に適する品種。道立十勝農試とホクレンの共同研究で、十勝農試が育成した「Tos10」を種子親に、ホクレンが昭和六十二年に米国のアズグロシード社から導入した「87:14」を花粉親として交配、育成した一代雑種。平成元年から生産力検定予備試験を開始。三年から「十生26号」の系統番号で適応性を検討してきた。稈(かん)長は「メロディスイート」より低い「短〜中」。着雌穂高は「中」で、雌穂長は「メロディスイート」より長く「スイートメモリー」よりやや長い「長〜極長」。粒色は「黄色」。粒形は「長方形」となっている。・・・・」と、前記品種の名称に関係する記事が掲載され、また、インターネットの農林水産研究情報センターのホームページにおける北海道立農業試験場集報のページ(http://rms2.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/JASI/pref/hokkaido_syuuhou-b.htm)に、前記品種の名称に関係する内容(加工用スイートコーン新品種「サマースイート」の育成について)が掲載されている事実がある。

4 当審の判断

本願商標は、前記のとおり、「SUMMER SWEET」の欧文字を横書きしてなるところ、これは種苗法に基づく品種登録を受けた農林水産植物の種類「とうもろこし」の登録品種の名称「サマースイート」(平成10年7月17日登録、登録番号第6622号:品種登録者の名称北海道、ホクレン農業協同組合連合会)を欧文字で表示したものと容易に看取させるものである。

そうとすると、本願商標からは、該文字「SUMMER SWEET」に相応する「サマースイート」の称呼を生ずるものというべきであり、また、登録品種の名称「サマースイート」からは、該文字に相応する「サマースイート」の称呼を生ずるものである。

してみれば、本願商標と該登録品種の名称とは、互いに「サマースイート」の称呼において類似するものである。

そこで、本願商標が商標法第4条第1項第14号に該当するか否かについて検討するに、本願指定商品中「野菜の種子」については、「とうもろこしの種子」を包含し、商品「種子類」に包含される商品であると認められるものである。

よって、本願商標は、種苗法による品種登録を受けた農林水産植物の植物「とうもろこし」の登録品種の名称「サマースイート」と類似するものであって、その品種の種苗「とうもろこしの種子」又はこれに類似する商品「野菜の種子(「とうもろこしの種子」を除く。)」について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第14号に該当するものである。

次に、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて検討するに、本願商標の「SUMMER SWEET」の文字は、「とうもろこし」の品種の名称「サマースイート」が存在することよりすれば、これを欧文字で表示したものと容易に看取させるものであるから、このようなものを本願の指定商品中「人の食用に供するとうもろこしのサマースイート」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「とうもろこしの品種の名称」であると認識し、商品の品質を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は、結局、商品の品質を表示したものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。

ところで、種苗法は、新品種の保護のための品種登録に関する制度、指定種苗の表示に関する規制等について定めることにより、品種の育成の振興と種苗の流通の適正化を図り、もって農林水産業の発展に寄与することを目的としており、1つの品種については、単一の名称が使用されるよう促すことをも意図しているものである。そして、同法による品種の名称は一定の品質を表示するものであるから、このような品質に該当しない商品について同一又は類似の商標を登録することは、商品の品質の誤認を生ぜしめるおそれがあるというべきである。

そうとすると、本願商標は、その指定商品中「人の食用に供するとうもろこしのサマースイート」について使用するときは、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品「とうもろこし(「とうもろこしのサマースイート」を除く。)」に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するものである。

なお、請求人は、当審において拒絶理由通知を発したのを捕らえて、原査定が、本願に商標法第4条第1項第14号を適用して拒絶査定したのは誤りであることを認めたものである旨述べているが、本願における原審の拒絶理由(商標法第4条第1項第14号)は、商標法第56条で準用する特許法第158条の規定により、審判においても、その効力を有しているのであるから、原審の拒絶理由を当審において撤回したものではないことを付言する。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号、同第4条第1項第16号及び同第4条第1項第14号に該当するものであるから、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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