sokuhyo

Trademark Appeal Case

VとICEの結合商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2002−1995(T2002−1995/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1.本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,カクテル」を指定商品として、平成13年1月5日に登録出願されたものである。

第2.原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、商品の品番・規格・型式等を表す記号・符号表示の一類型と認められるローマ字の一文字『V』と、『氷』の意味を有する英語『ICE』の文字とを上下に表してなるものであるところ、酒類を氷で冷やし、あるいは酒類に氷りを入れて味わうことはきわめて日常的に行われているばかりでなく、ぶどうを氷結状態のまま摘み取り、粒中の氷結によって固体化した水分が再び溶けないうちに搾り取り熟成させたワインを『アイスワイン』と名付けている実状よりすれば、これをその指定品中前記『ICE』文字に照応する商品に使用しても、取引者・需要者は、単に商品の品質、使用の方法及び極めて簡単で、かつ、ありふれた標章を表示したものと理解するに止まり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3.当審の判断

本願商標は、別掲に示すとおり、大きく表したローマ字「V」 と、その下段に「ICE」の文字を表した構成からなり、指定商品を第33類「日本酒,洋酒,果実酒,カクテル」とするものであるところ、請求人は、本願商標が登録されるべき理由として、大旨、(1)ローマ字「V」は、特定の商品を示す記号・符号ではない。(2)本願の「V」と「ICE」よりなる結合商標は、外観上一つの図形化された標章としての自他識別性を有する。(3)本願商標のかかる構成をみて、それを「アイスワイン」と認識する者はいない、旨述べ、主張しているので、その当否について判断する。

1.まず、上記(1)に関して判断すると、各種業界においてローマ字の1字若しくは2字は、商品の品番・規格等を表示する記号・符号として一般に採択使用されているものであり、本願指定商品を取り扱う業界の実情について、いわゆるインターネット・ホームページ上の製品紹介情報をみるに、例えば、(ア)「ウイスキー」については、「楽天市場」のインターネット・ショップ(http://www.rakuten.co.jp/nero/465901/)によれば、注文リストに「バーボンV(1)、バーボンV(2)」等のごとく使用され、(イ)「カクテル」については、「カクテル&ショットバー さらさ」のホームページ(http://www2s.biglobe.ne.jp/~sarasa/index.htm#aa)によれば、カクテルのリストに「スクリュードライバー*V*甘、モスコミュール*V*甘」等の表記が、(ウ)「ワイン」については、「楽天市場」のインターネット・ショップ(http://www.rakuten.co.jp/yamaichi/411870/414846/412508/)によれば、「超おすすめ!!ブルゴーニュよりも旨い?!アルザスのピノノワール。」の見出しの下、「ピノ ノワール”V” 1999」のタイトルが付いたワインが販売されているごとく、欧文字の「V」が、商品の規格・品番等を表わす記号・符号として使用されていることは、しばしば見受けられるところであって、これらの用例は、洋酒、ワイン等の種別・規格等を表示したものと理解されるものとみて差し支えないものである。

よって、本願商標のローマ字「V」は、その類型というべきものであるから、この点について述べる請求人の主張は、採用することができない。

2.次に、上記(2)に関して判断すると、該商標の構成上記のとおりなるところ、上段の「V」と下段の「ICE」とは、文字の大きさが相違する以外、これらの文字に何らかの装飾等が加えられているわけでなく、単に上下二段に表現されているだけであって、それぞれは視覚上分離して看取されるばかりでなく、その全体をもって観念しなければならない事由も認められないほか、これらを常に一体のものとして把握しなければならない特段の事情も見出し得ないものである。

また、構成中の「ICE」の文字部分が、指定商品中「ワイン」との関係では、商品の品質を表す附記的な文字と看取されるから、一段と大きく表された「V」の文字との結合度はさらに弱いものとなり、全体としても、本願商標は、外観上一つの図形化された商標として理解されるというより、単に上記認定のごときの「V」と「ICE」の文字からなる標章と理解されるに過ぎないと判断するのが相当である。したがって、この点について述べる請求人の主張は、採用することができない。

3.最後に、上記(3)に関して判断するに、本願の指定商品には「ワイン」が含まれており、その指定商品との関係では、「ICE」の文字は、凍結したブドウの果汁から製造するワインの「製法」を看取させる語であるから、取引者、需要者は、ワインの外箱ないしラベル中に構成中の「ICE」の文字があった場合、該ワインを「アイスワイン」であると誤認する可能性を否定することはできない。

4.以上のとおり、請求人の(1)ないし(3)に述べる主張はいずれも採用することができない。

しかして、「V」及び「ICE」の文字を書してなる本願商標を、その指定商品中「ワイン」に使用したときは、格別顕著なところがなく、自他商品の識別標識として商品の出所を表すような、特に目を惹く部分が存しないから、本願商標に接する取引者、需要者は、「V」を単なる記号・符号と、また、「ICE」の文字を、商品が「アイスワイン」であることを端的に表示したものと理解するに止まり、全体として、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものとみるのが相当である。かつ、これを上記以外の「ワイン」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

5.なお、請求人は、過去の登録例を挙げて「商標中に『ICE』の文字があるからといって、その商品が現実に有する品質と異なるものであるかのように、一般需要者をして誤認させるおそれがあるとは思えない」旨主張しているが、本願商標が商標登録を受けることができるか否かの判断は、個別具体的に検討した上でなされるべきものである。そして、請求人が挙げた過去の登録例をみるに、該出願の査定時における「アイスワイン」という商品の周知度等を無視して一律に比較することはできないと言わざるを得ず、既登録例があることをもって、本願商標の商品の品質の誤認に関する前示の認定、判断を覆すことはできない。

6.したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。