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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用証明

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−31376(T2001−31376/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3017191号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第3017191号商標(以下「本件商標」という。)は、「エコラミ」の片仮名文字と「ECO−LAMI」の欧文字を横書きしてなり、平成4年5月12日登録出願、第16類「家庭用食品包装フィルム」を指定商品として、同6年12月22日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

1.被請求人によって商品「家庭用食品包装フィルム」についての本件商標の使用の事実は現在及び過去3年以内には存在しない。そして、商標登録原簿によれば、専用使用権及び通常使用権の設定の登録もない。

したがって、本件商標は、その指定商品「家庭用食品包装フィルム」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。

2.答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証を提出し、本件商標は通常使用権者たる富士特殊紙業株式会社(以下「富士特殊紙業」という。)が指定商品についてその使用をしている旨主張し、また、その事実は明白としている。しかし、被請求人は、その主張をするのみであって、本件商標が取消請求に係る指定商品「家庭用食品包装フイルム」について使用していた事実を証明していない。

すなわち、乙第1号証は、「米袋開発の軌跡と今後」という見出しに対応し、米袋「エコラミ」の開発等に関する記事が記載されているが、乙第1号証は、指定商品に関する広告、定価表又は取引書類とは認められない。また仮に、広告等と認められるとしても、その記載内容からして、本件商標が指定商品について具体的に使用されていることの証明がされているとは認められない。

また、乙第2号証は、「無孔袋」という見出しの商品「米袋」についてのパンフレットと見受けられ、そこには米袋についての現状、特長等が記載されているものの、この乙第2号証によっては、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に指定商品について使用されていることの証明がされているとは認められない。

(2)以上のとおり、本件商標は、被請求人において請求に係る指定商品についての登録商標の使用をしていることを証明していないから、その登録は、商標法第50条の規定に該当するものであり、取消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。

本件商標は、通常使用権者たる富士特殊紙業(愛知県瀬戸市暁町3−143)が2000年6月米袋用として、PE/印刷/PEをラミネートしたフィルムの開発に成功し、これに「エコラミ」の名称を付し、現在もその販売を行っている。この事実は、乙第1号証「PACK PIA」2000年6月号11頁に掲載された富士特殊紙業、技術開発室日比野恵里のレポートにより明白である。

また、通常使用権者たる富士特殊紙業は、自社の配布に係るカタログで、無孔袋の材質(フィルム)に「エコラミ」を使用していることを説明している。

したがって、本件商標を過去3年以上不使用である、との請求人の主張はあたらない。

第4 当審の判断

1.乙第1号証及び乙第2号証によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証は、「食品包装の情報誌/PACK PIA」(株式会社日報、2000年6月1日発行)であるところ、「特集1 米包装」(5頁)中の「『エコラミ』から『トータルシステム』まで/米袋開発の軌跡と今後/日比野 恵理/富士特殊紙業(株) 技術開発室」(11頁)によれば、被請求人が通常使用権者であると主張する富士特殊紙業は、米の包装用袋に使用される「PE/印刷/PEのラミ袋の開発に成功」し、「PE/PE袋は“エコラミ”という名称」であることが認められる。

そして、上記論文中の「今後の展開」(13頁)によれば、「当社は、大手精米機製造メーカーと技術交換を行うなか、精米メーカーの合理化を考えた。パッカー、搬送、出荷までの自動ライン化が進むなか、それにあった形態の米袋を提案している。」なる記載が認められる。

(2)乙第2号証は、富士特殊紙業の取り扱う「無孔袋」のリーフレット(作成年月日は不明)と認められるところ、その表面には、「食品としての米の包装形態・システムの提案/無孔袋」などの記載がある。

また、見開き部分には、「現状」として、米の包装に際し、荷崩れや破袋を防止するため包装用袋に通気用の穴を開けているが、保管時や流通時の雨などで米の品質の劣化を招くなどの弊害が生じているから、無孔袋を提案する旨の記載があり、「特長」として、無孔袋は、水の浸入や虫の進入が防げ、かつ、カビの発生を防ぐもので、その「材質は『エコラミ』(PE/PE)を基本構成として、Ny/PE及び、蒸着タイプも可能」である旨の記載がある。さらに、「試験方法及び結果」として、カビの発生など無孔袋と穴開け袋とを比較した結果などの記載があり、その日付として「平成8年10月1日」の記載がある。

2.前記1.の認定事実からすると、「エコラミ」と称される「PE/PE」は、米の包装用袋について使用されるものと認められ、米の包装用袋以外に、商品の包装として使用されるものであることを認めるに足りる証拠はない。

そして、該「エコラミ」を使用した米の包装袋は、精米メーカーを対象として販売される商品であることが認められる。

3.ところで、本件商標の指定商品である「家庭用食品包装フィルム」は、現行の商品区分では第16類に属するものであるが、それ以前の商品区分(平成3年政令299号による改正前の商品区分)においては、生活用品として、日常使用される器具的なものをまとめた第19類に属していた商品であって、第19類中「その他の台所用品」の範疇に属していたものである。(商品の概念については、国際分類を採用した後であっても、それ以前の旧日本分類と実質的に変更はない。)

したがって、「家庭用食品包装フィルム」は、一般の家庭で日常的に使用されることを目的として販売される商品であって、その需要者は、一般の消費者ということができる。

これに対し、使用に係る商品である「米の包装用袋の使用される“エコラミ”」ないし「“エコラミ”を使用した米の包装用袋」は、前記認定のとおり、その需要者を一般の消費者とするものではなく、精米メーカーといった中間(卸)業者であり、一般の家庭で日常的に使用されることを目的として販売される商品であるとは認めることはできない。

4.してみると、一般の家庭で日常的に使用されることを目的として販売される商品とはいえない本件使用に係る商品は、「家庭用食品包装フィルム」の範疇には属しない商品といわなければならない。

なお、付言すれば、富士特殊紙業は、米の包装用袋について開発した商品を「食品包装の情報誌/PACK PIA」(乙第1号証)に論文方式に掲載しているが、これは、単に米の包装用袋なる商品の研究、開発及び今後の商品展開について述べたというにすぎないものであり、また、富士特殊紙業のリーフレット(乙第2号証)の発行年月日は明らかではない。したがって、これらの証拠をもって、本件商標が本件審判の請求の登録前3年以内に使用されたものであるとはにわかに首肯し難いところである。

5.以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標をその指定商品について使用していたことを証明していないといわざるを得ない。また、被請求人は、本件商標をその指定商品について使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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