結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2001−31146(T2001−31146/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2189832号商標(以下「本件商標」という。)は、「メルモ」の片仮名文字を横書きしてなり、昭和62年4月14日登録出願、第7類「建築または構築専用材料、セメント、木材、石材、ガラス」を指定商品として、平成1年11月28日に設定登録され、その後、同12年5月16日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中の『金属製建造物組立セット』についての登録を取り消す。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
1.請求の理由
(1)甲第3号証(被請求人の「会社概要」)及び甲第4号証(「東京商工リサーチ企業情報」)によれば、被請求人は、業種名を「建築用金属製品製造」、営業種目を「建材(アルミサッシ、インテリア、工クステリア製品)、ファスニング製品製造」とするとの記載がある。また、甲第5号証(被請求人「ウォールエクステリア総合カタログ '97−'98」)、甲第6号証(被請求人「ガーデンエクステリア総合カタログ/業務用1999−2000」)、甲第7号証(被請求人「2001−2002 ガーデンエクステリア/業務用総合カタログ」)によれば、被請求人は、「玄関、門まわり、フェンス、テラス」及び「金属製建造物組立てセット」の範疇にある「カーポート、サイクルポート」を取り扱う会社であると解される。
しかしながら、被請求人は、本件商標の指定商品中の「金属製建造物組立てセット」を取り扱う会社であっても、過去3年の間に本件商標を「金属製建造物組立てセット」に使用している事実はない。
(2)甲第1号証によれば、商標登録原簿には専用使用権又は通常使用権の設定登録がされた事実もないから、使用権者が本件商標を使用したとすることもできない。
(3)よって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中「金属製建造物組立てセット」についての登録を取り消されるべきである。
2.答弁に対する弁駁
(1)被請求人の答弁2.における主張は、エクステリア製品のデザイン等を中心とした解釈であって、商標の区分では、あくまで「金属製面格子」は「建築用又は構築用の金属製専用材料」であって、一式のセットとして取引に供される「金属製建造物組立てセット」の類似範囲でもなく、この「金属製建造物組立てセット」の範疇に含まれるものではない。
すなわち、「商品及び役務区分解説」(甲第8号証、35頁)に「建築用又は構築用の金属製専用材料」とは、「専ら建築又は構築に使用される材料のうち、金属製のものがこの概念に属する。専用材料という意味は、専ら建築又は構築に用途を限定されたものとして取引される材料のことである。また、物それ自体として建築又は構築以外の用途に使われないようなもの(例えば、「金属製とびら」「金属製はり」等)がこの概念に属することは当然である。」と明記されており、「金属製面格子」がこの「建築用又は構築用の金属製専用材料」の範疇にあることは明らかである。また、「金属製建造物組立てセット」(同37頁)とは「この概念には、特定の使用目的を有する簡易な金属製の組立式建造物の専用部材であって、一式のセットとして取引に供されるもの(例えば、金属製物置組立セット)が含まれる。したがって、建造物として完成されたもの又は需要者の注文により任意に建造物の設計を変更することができるものは、この概念には含まれない。」と明示されている。
しかも、「類似商品・役務審査基準」(甲第9号証)に示すとおり、第6類の「建築用又は構築用の金属製専用材料」(23頁)中に被請求人の販売している格子等が明記されており、「金属製建造物組立てセット」(24頁)とは明らかに別個に区分されているものであり、「格子(面格子)」は「金属製建造物組立てセット」に属するものではない。
(2)現状の商品の流れを見てみると商品「金属面格子」は、家を建てる時に施主が建築業者(建築士)との設計段階で、施主がカタログにより仕様を決めていく事が多く、この「金属面格子」の取り付けも、建築業者の中の「大工」さんとか「ブロック屋」と言われる人が施工していくものであり、一般の需要者が「金属面格子」を建材店で関心を持ち購入する商品ではない。
しかし、「金属製建造物組立てセット」である物置、カーポート、ガレージは現在、一般需要者用のホームセンターや建材店で販売されており、一般需要者がその商品又はカタログを見てその商品を購入し、自分で組み立てるか、専門の組み立て業者に頼んで組み立てる商品である。
このように、「金属製面格子」と「金属製建造物組立てセット」とは商品の販売方法及び施工状態が全く異なるものである。
3.むすび
以上の事実から、被請求人が本件登録商標をその指定商品中「金属製建造物組立てセット」について、過去3年の間日本国内において使用しているとはいえず、「金属製建造物組立てセット」について登録を取り消すべきものである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した。
1.本件商標は、被請求人の系列会社に通常使用権を許諾し、本件商標の指定商品中「建築または構築専用材料」に係る商品に使用しているものである。
乙第1号証は、被請求人の系列会社であるYKKAPエクステリア株式会社のオーナメント(建築用装飾材)カタログ(2000年12月発行)の写しであるが、53頁に、ユニットパネルとして、アンタッチャブル面格子なる商品群中に本件商標の付された商品が施工例と共に掲載されており、また、97頁及び152頁にも、それぞれ本件商標を使用した商品の商品写真並びに寸法図が掲載されている。
このことから、本件商標が「建築または構築専用材料」に係る金属製建築パネル及び金属製面格子に使用されていることは明らかである。
2.「金属製建造物組立てセット」との関係について
乙第1号証にみられるとおり、本件商標が使用されている商品は、建築用のパネル商品ではあるが、建築物の外まわりに設置される、いわゆるエクステリア製品の範囲にも利用されるものである。
そこで、本件審判で取消対象となる「金属製建造物組立てセット」に係る具体的製品には、請求人も例示するように、「カーポート」、「サイクルポート」等エクステリア製品に属するものが挙げられるが、甲第5号証ないし甲第7号証からも見て取れるように、最近のエクステリア製品は、門扉、フェンス等と共にカーポート等の組立て構造物もデザイン等がトータルでコーディネートされて企画・提案される傾向にあり、また、デザイン等コンセプトを共通化した範囲でシリーズ(商品群)名称を採択することが日常的になっている。
このような状況においては、乙第1号証にみられるような商品が、エクステリア製品のデザインを共通化するための材料として利用される場面や、そのデザインを中心としたネーミングが行われる可能性も当然に生じるのであって、元来需要者・取引者を同一として製品が流通するエクステリア業界にあって、製品のデザインに資する構成材の用途や流通過程を無視して商標の使用を論ずるべきではないし、またその商標の使用の範囲を明確に区別できるものでもない。
したがって、たとえ本件商標の使用商品が金属製建築パネルあるいは金属製面格子であっても、金属製建造物組立てセットの構成材の用にも供されるような商品で、取引者・需要者や流通過程を共通とする場合には、これを非類似の商品とみるべき特段の事情はないというべきである。
3.むすび
以上の理由により、本件商標は、その指定商品である「建築または構築専用材料」に使用するものにて、その指定商品中「金属製建造物組立てセット」について登録を取り消されるべきではない。
1.被請求人は、本件商標をその指定商品中の「建築または構築専用材料」に属する「金属製建築パネル及び金属製面格子」に使用するものであるから、その類似商品である「金属製建造物組立てセット」についての登録を取り消されるべきではない旨主張し、乙第1号証を提出しているので、以下検討する。
2.乙第1号証(YKKAPエクステリア株式会社、2000年(平成12年)12月発行「オーナメント総合カタログ」)よれば、「アンタッチャブル面格子/メルモ(WOC−LK−KA2)」に関し、その設置例の写真並びに該商品の写真及び寸法図が掲載され、使用に係る商品は、「金属製面格子」であって、建築物の窓の外側に取り付ける金属製の格子であることが認められ、該「金属製面格子」は、専ら建築又は構築に用途を限定されたものとして取引市場に流通する材料であるということができる(なお、乙第1号証に示された本件商標を使用した商品は、「アンタッチャブル面格子」との表示があるのみで、「金属製建築パネル」の表示はない。また、該「面格子」と「金属製建築パネル」とが同一の商品であるとの証左もない。)。
これに対し、本件取消に係る商品「金属製建造物組立てセット」は、「商品及び役務区分解説」(社団法人発明協会、1999年(平成8年)12月25日 改訂第3版発行)の「金属製建造物組立てセット」によれば、「この概念には、特定の使用目的を有する簡易な金属製の組立式建造物の専用部材であって、一式のセットとして取引に供されるもの(例えば、金属製物置組立セット)が含まれる。」との記載がある(なお、昭和55年3月31日発行「商品区分解説」中の「建造物組立てセット」にも同趣旨の記載があるが、これには金属製以外のものが含まれる。)。
してみると、使用に係る商品「金属製面格子」と取消に係る商品「金属製建造物組立てセット」とは、いずれも「建築または構築専用材料」の範疇に含まれる商品であるとしても、その使用目的等を異にするばかりでなく、「金属製面格子」が、「金属製建造物組立てセット」と同一の商品であるとか、「金属製建造物組立てセット」中に含まれる商品であるとは認めることができない。
3.ところで、商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、「その審判の請求の登録前三年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその取消に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない」ところ、本件における取消に係る指定商品は、「金属製建造物組立てセット」であることは明らかであり、前記2.で認定した事実を合わせて考慮すると、使用に係る商品「金属製面格子」と取消に係る商品「金属製建造物組立てセット」とが類似するか否かにかかわらず、被請求人は、取消に係る商品とは認められない商品「金属製面格子」についての使用の事実を立証するのみで、取消に係る商品「金属製建造物組立てセット」について本件商標を使用していることを証明するところがない。
また、被請求人は、本件商標を請求に係る指定商品について使用していなかったことについて、正当な理由があることも明らかにしていない。
4.したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の「金属製建造物組立てセット」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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