結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第31180号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第1865666号商標(以下「本件商標」という。)は、「エンデューロ」の文字よりなり、昭和58年9月6日に登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品及び附属品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、昭和61年5月30日に設定登録、平成8年8月29日に存続期間の更新がなされたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求めると主張し、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出している。
被請求人が審判事件答弁書にて提出した乙第1号証に示された「エンデューロ」の文字部分は、自己の商品と他人の商品とを区別する、いわゆる自他商品の識別標識としての機能を果たすものとは認識できないので、被請求人が本件商標をその指定商品中「自転車、自転車の部品及び附属品(但し、自動二輪車用タイヤを除く)」について本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたとは認められない。
(1)本件商標は、「エンデューロ」のカタカナ文字を同一書体及び同一間隔で一連に横書きしたものである。
(2)被請求人は、本件商標の使用事実を証明するために乙第1号証として、被請求人が製造販売するオフロードバイクTT250Rのカタログを提出した。このカタログを見る限り、本件商標「エンデューロ」はオフロードバイクTT250Rの車体自体には付されていない。一方、「エンデューロ」の文字は、このカタログのTT250Rについての解説中に、「オープン・エンデューロレース」、「ピュア・オープン・エンデュー口」、「エンデューロレース」、「エンデューロ・イクイップメント」、「オープン・エンデュー口対応」、「オープン・エンデューロ」、「エンデューロでの心強い味方」のように用いられている。
ところで、甲第3号証として提出するカタ力ナ外来語/略語辞典104頁、甲第4号証として提出するバイク用語ハンドブック19頁、甲第5号証として提出する日本二輪車協会が提供するインターネット上のホームページの二輪関連レース解説プリントアウトから明らかなように、バイク業界においては、エンデューロ、エンデューロレース、ENDURO等がオフロードを走行する耐久レースを示す用語として普通に用いられているのは明らかである。
さらに、甲第6号証、甲第7号証、甲第8号証及び甲第9号証は、インターネット上の検索エンジンで「オープンエンデューロ」をキーワードとしてヒットした多数のホームページ上の記事からほんの一部をプリントアウトしたものであるが、これらの証拠から「オープンエンデューロ」あるいは「OPEN ENDURO」がバイク業界では、一般公道を使用したエンデューロを指す用語として普通に用いられているのは明らかである。
一方、被請求人が提出した乙第1号証をみる限りでは、被請求人はカタログ中で「エンデューロ」という文字を、オフロードバイクTT250Rがエンデューロ(レース)あるいはオープンエンデューロ(レース)に対応したバイクの機種であることを示すために用いているにすぎない。従って、被請求人による「エンデューロ」の文字の使用は、商品の出所識別機能を有する使用態様とは到底いえない。
(3)以上述べたように、被請求人が提出した乙第1号証中で使用されている「エンデューロ」の文字部分は、自己の商品と他人の商品とを区別する、いわゆる自他商品の識別標識としての機能を果たすものとは認識できないので、被請求人が本件商標を取消しに係る指定商品について本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたとは認められない。
被請求人は、答弁書及び第2答弁書において「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と答弁し、その理由を次のように述べ証拠方法として乙第1号証を提出している。
(1)被請求人は、平成8年(1996年)12月発行の同社製造、販売に係る自動二輪車「TT250R」のカタログ(乙第1号証)に示しますように、自動二輪車「TT250R」を製造,販売し、現在に至るもので、本件登録商標「ENDURO」を上記自動二輪車「TT250R」に使用している。
(2)即ち、乙第1号証の表紙に表記されているように、自動二輪車の車種名である「TT250R」(図案化されたローマ字と数字とからなる)の標章の上に本件商標と同一構成の商標「ENDURO」が記載されており、さらに、疾走する姿の自動二輪車の車体における燃料タンクカバーにも本件商標と同一構成の商標「ENDURO」が赤字をもって記載され、さらに乙第1号証の見開きページの右手ページの右欄中央にも「エンデューロ・イクイップメント」として上記二輪自動車に搭載されているエアクリーナー・エレメントなどの装備品の説明がなされ、上記自動二輪車「TT250R」が「ENDURO」若しくは「エンデューロ」自動二輪車である位置付けがなされ、かかる状況のもとにあって、「TT250R」自動二輪車が「ENDURO」の商標のもとに取引者、需要者(ユーザー)間において知られていることが乙第1号証をもって疎明することができる。
(2)以上述べたように、被請求人は、本件審判請求時よりも3年前から乙第1号証に示すように、その製造、販売に係る自動二輪車に本件商標を少なくとも平成8年12月から継続して3年以上にわたり使用しているものであり、この点で、本件審判請求は、成立しない。
(1)請求人は、被請求人が本件審判請求に対する答弁書に対し、被請求人が提出した乙第1号証中で使用されている「エンデューロ」の文字部分は、自己の商品と他人の商品とを区別する、いわゆる自他商品の識別標識としての機能を果たすものとは認識できないと述べている。
(2)しかし、辞典、用語ハンドブックを引いて初めて意味が判る言葉は、一般に浸透しているとは認めることはできないのであって、この時点においても現在においても自他商品の識別標識を有すると判断されて然るべきである。
また、甲第6号証、甲第7号証、甲第8号証及び甲第9号証のインターネットのホームページ上の記事は甲第6号証の「え」の「エンデューロレース」の欄では「ヨーロッパ発祥のオフロードバイクを用いた...」、甲第7号証「エンデューロとは...」の欄では「あまり聞いたことがないのでよく分からない?」と記載されているように、ヨーロッパでは知られているかもしれないが、日本では一般に浸透しているとは考えられないのである。
そうとすれば、被請求人が本件審判請求時よりも3年前から、乙第1号証に示すように、その製造、販売に係る自動二輪車に本件商標を使用し現在に至るのであるし、「エンデューロ」印としてこの種商品の取引者、需要者に深く浸透している事実を勘案すれば、本件商標は、自他商品の識別機能を十分具備するものである。
被請求人の提出に係る乙第1号証の「オフロードバイクTT250R」の商品カタログの内容により、以下のことが認められる。
三つ折りにされた裏面に「1996年12月現在」の記載がある。
同ページのお客様相談室の項目に「このカタログに関するお問い合わせは・・・下記のお客様相談室へ。0120−090−819 〒438 静岡県磐田市新貝2500」「ヤマハ発動機株式会社 〒438 静岡県磐田市新貝2500」の記載がある。
さらに、前記カタログの表紙に表示された「オフロードバイクTT250R」の写真(以下、「写真1」という)の燃料タンクカバー側面には「OPEN ENDURO」の欧文字が表されている。また、同じく表紙裏面の「オフロードバイクTT250R」の写真(以下、「写真2」という)の燃料タンクカバー側面には「OPEN ENDURO」の欧文字が表されている。そして、該カタログ中に「PURE OPEN ENDURO」、「ピュア・オープン・エンデューロ」、「エンデューロ・イクイップメント」、「オープン・エンデューロ対応」、「オープン・エンデューロ」、「エンデューロでの心強い味方、・・・」、「オープンエンデューロレース」の各文字を見いだすことができる。
しかして、「写真1」の燃料タンクカバー側面の「OPEN ENDURO」の欧文字は、メタリックシルバーで彩色されたZ状の図形の中央部分に赤色で、「写真2」の燃料タンクカバー側面の「OPEN ENDURO」の欧文字は、黒の下地に白色で、それぞれ太文字で顕著に一体の文字として表されているものであり、また、カタログ中の「PURE OPEN ENDURO」、「ピュア・オープン・エンデューロ」、「エンデューロ・イクイップメント」、「オープン・エンデューロ」等の各文字も商品の説明文中に一連の言葉の如く用いられている。かかる態様の使用商標は、構成中の「ENDURO」「エンデューロ」文字部分のみを独立した商標として認識することは極めて不自然であり、全体として「OPEN ENDURO」、「オープン・エンデューロ」という一個の商標を構成するものというのが相当である。
そうとすると、被請求人が本件商標を使用したものとして主張し、提出した前記証拠に係る使用商標は、何れも本件商標と社会通念上同一の商標ということはできない。
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中請求に係る指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者または質権者により使用されたものとは認められない。さらに、本件商標を使用していないことについての正当な理由があるものとも認められない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により指定商品中「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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