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Trademark Appeal Case

電子機器商標不使用取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−31099(T2001−31099/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2109223号商標の指定商品中の「電子応用機械器具(電子管、半導体素子、電子回路を除く)」についての登録を取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2109223号商標(以下「本件商標」という。)は、「SCOTT」の文字を書してなり、平成3年政令第299号による改正前の商標法施行令(昭和35年政令第19号)第1条別表に定める商品の区分第11類に属する商品「電気機械器具、電子応用機械器具(電子管、半導体素子、電子回路を除く)電気材料」を指定商品として昭和54年4月24日に登録出願、平成1年1月23日に設定登録され、その後、同10年12月22日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、次の旨主張した。

本件商標は、その指定商品中の「電子応用機械器具(電子管、半導体素子、電子回路を除く)」について、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれもが継続して3年以上日本国内において使用した事実がないから、商標法第50条第1項の規定により、当該指定商品についての登録を取り消すべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、以下の旨答弁し、証拠方法として登録商標の使用説明書(1)ないし(5)から構成される乙第1号証(これらの登録商標の使用説明書(1)ないし(5)については、以下、「乙第1号証の1ないし5」として取り扱う。)を提出した。

(1)被請求人は、本件商標を取消請求に係る商品に現在も使用中であるから、その登録を取り消す理由はない。

(ア)被請求人は、乙第1号証の1(YOKOGAWAグループの商品カタログ「YOKOGAWA Scott AR Series」)(以下「YOKOGAWAグループのカタログ」という。)のとおり、「万全ですか避雷対策」の説明文ほかにより、本件商標を取消請求に係る商品に使用している。

(イ)全ての電子関連機器は、誘導雷サージからそれを守ることが不可欠である。

前記YOKOGAWAグループのカタログの第2頁及び第3頁の記載、すなわち、電子計算機を用いて行う管理(例えば、上下水道監視システム、ビル管理システム、気象・公害監視システム、ゴルフ場、河川監視システム、ダム監視システム、公衆回線/専用回線管理システム、トンネル管理)などにおいては、一瞬でも停電等が発生すると、突発事故の発生原因となったり、付随する電子機器の復旧に多大の費用と信用回復の労力を必要とする。そのためにScott AR Series製品は、電子計算機を用いて行う各種管理システムに絶対不可欠の構成機器であり、現在も多方面で有用されている。

(ウ)乙第1号証の2(YOKOGAWAグループのホームページ)におけるビジネスコンセプトに記載のとおり、YOKOGAWAグループは、「製品を提供するメーカーとしてのワクを超えて、企業活動全体を対象に総合的ソリューションを提案する企業」を目指している。したがって、YOKOGAWAの資本関係100%の関連会社もYOKOGAWAグループの業務を分担しており、横河M&C株式会社もその関係企業である。そして、「横河M&C株式会社」の「M」は「Measurement」であり、「C」は「Control」であって、当該会社は、主に計測と制御関連を主業務としている(乙第1号証の2に添付した横河電機株式会社の「経歴書」の中に横河M&C(株)に関する記載があることから、同社は、横河電機株式会社の関連会社であることがわかる)。

(エ)乙第1号証の3(横河M&C株式会社の「電流信号用避雷器」に関する仕様書、すなわち、GS(General Specifications)には、「電流信号用避雷器」に関する説明文が記載されており、商標SCOTTも表示されている。「電流信号用避雷器」は、システム構成品及び単品販売の際にも使用される仕様書集に記載の使用例であって、YOKOGAWAグループにおいて使用されているものである。

(オ)乙第1号証の4(横河M&C株式会社の「電圧信号アイソレータ」に関する仕様書、すなわち、GS(General Specifications)には、「電圧信号アイソレータ」に関する説明文が記載されており、商標SCOTTも表示されている。変換器収納ボックスなどに収納された「電圧信号アイソレータ」は、各種伝送器、分析計、調節計、分散制御システムとの組み合せ特性において最適である。これもシステム構成品及び単品販売の際にも使用される仕様書集に記載の使用例であり、YOKOGAWAグループにおいて使用されているものである。

(カ)乙第1号証の5(横河M&C株式会社の「製品情報(計装機器)」に関するホームページ)の製品案内欄中には、「避雷器SCOTT―ARシリーズ」についての記載がある。

(2)以上のとおり、被請求人は、「YOKOGAWA Scott AR Series」のカタログに本件商標を使用している。なお、昨今の電子応用技術の目覚ましい進歩・発展は、既成の概念を突き破って、新製品を生み出している。

被請求人は、本件商標「SCOTT」を途中に介在させて使用した電子計算機を用いて行う各種管理システムを多岐に亘って提供している。これは、つまり、電子応用機械器具の範疇で、商標「SCOTT」が使用されている事実の証明である。

上記のとおり、被請求人は、本件審判請求の登録日前3年以内よりも前の1996年から現在に至るまで、本件商標を取消請求に係る商品に使用している。

4 答弁に対する請求人の弁駁

請求人は、被請求人の答弁に対して弁駁していない。

5 当審の判断

(1)本件商標は、改正前の商標法施行令(昭和35年政令第19号)第1条別表に定める商品の区分第11類に属する商品「電気機械器具、電子応用機械器具(電子管、半導体素子、電子回路を除く)電気材料」を指定商品とするものであり、明らかに「電子管、半導体素子、電子回路」は除かれているものである。

そこで被請求人提出の本件商標の使用事実を示す各証拠についてみるに

(ア)乙第1号証の1(YOKOGAWAグループのカタログ)は、商品「避雷器」に関するカタログであるところ、「避雷器」は、上記指定商品中の「電気機械器具」に属する「配電用又は制御用の機械器具」に含まれる商品であって、取消請求に係る商品「電子応用機械器具(電子管、半導体素子、電子回路を除く)」には属しないものである。

したがって、乙第1号証の1をもって、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る商品に使用した事実を示す証拠とみることはできない。

(イ)乙第1号証の2(1枚目:14/02/15「ビジネスコンセプト」という表題の被請求人のホームページ1/1頁及び被請求人の経歴書)には、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標を使用した事実は皆目見当らない。

(ウ)乙第1号証の3(被請求人の関連会社である横河エムアンドシー株式会社の「電流信号用避雷器」という表題の付された一般仕様書[General Specifications])には、本件商標と社会通念上同一の範囲に属する「Scott」の文字が見受けられるとしても、被請求人がこれを用いて、何時、如何なる取引者・需要者と如何なる数量の取引を行ったというような具体的な取引事実を客観的に示す証拠の提出はなく、しかも、「電流信号用避雷器」は、上記(ア)と同様に、本件商標の指定商品中の「電気機械器具」に属する「配電用又は制御用の機械器具」に含まれる商品ではあっても、取消請求に係る商品「電子応用機械器具(電子管、半導体素子、電子回路を除く)」には含まれないものである。

なお、本件指定商品から「電子管、半導体素子、電子回路」が既に除かれていることは上述のとおりである。

したがって、乙第1号証の3をもって、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る商品に使用した事実を示す証拠ということはできない。

(エ)乙第1号証の4(被請求人の関連会社である横河エムアンドシー株式会社の「電圧信号アイソレータ」という表題の付された一般仕様書[General Specifications])には、本件商標と社会通念上同一の範囲に属する「Scott」の文字が見受けられるとしても、当該仕様書の1頁の右最下部の「1997.6.25」の日付は、本件審判請求の登録(平成13年10月31日)前3年以内よりも遙かに前であり、この点のみをもってしても、本件商標の使用の証拠とはなし得ないだけでなく、被請求人がこれを用いて、何時、如何なる取引者・需要者と如何なる数量の取引を行ったというような具体的な取引事実を客観的に示す証拠の提出もなく、しかも、「電圧信号アイソレータ」は、上記(ア)と同様に、本件商標の指定商品中の「電気機械器具」に属する「配電用又は制御用の機械器具」に含まれる商品ではあっても、取消請求に係る商品「電子応用機械器具(電子管、半導体素子、電子回路を除く)」には含まれないものである。

なお、本件指定商品から「電子管、半導体素子、電子回路」が既に除かれていることは上述のとおりである。

さらに付言すると、(財)日本規格協会発行「JIS工業用語大辞典(第4版)」(第21頁)の「アイソレータ isolator 入力信号と出力信号を直流的に絶縁する機器」の記載及び株式会社オーム社発行「電気術語大辞典(改訂3版)」(第427頁)の「isolator(=disconnecting switch)断路器(電力)」の記載からも窺い知れるように、前記商品「電圧信号アイソレータ」は、「配電用又は制御用の機械器具」の概念中に属する商品であり、これとは別異の概念の商品である「電子応用機械器具」(注:本件指定商品から「電子管、半導体素子、電子回路」は既に除かれている)には属しないものというべきである。

したがって、乙第1号証の4をもって、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る商品に使用した事実を示す証拠ということはできない。

(オ)乙第1号証の5(被請求人の関連会社である横河エムアンドシー株式会社の「製品情報(計装機器)」という表題の付されたホームページの1/2頁には、本件商標と同一の「SCOTT」の文字が見受けられるとしても、当該頁の右最下部の「2002/02/26」の日付は、本件審判請求の登録(平成13年10月31日)後であり、この点のみをもってしても、本件商標の使用の証拠とはなし得ないだけでなく、被請求人がこれを用いて、何時、如何なる取引者・需要者と如何なる数量の取引を行ったかというような具体的な取引事実を客観的に示す証拠の提出はなく、しかも、「避雷器」は、上記(ア)で述べたとおり、本件商標の指定商品中の「電気機械器具」に属する「配電用又は制御用の機械器具」に含まれる商品ではあっても、取消請求に係る商品「電子応用機械器具(電子管、半導体素子、電子回路を除く)」には含まれないものである。

なお、本件指定商品から「電子管、半導体素子、電子回路」が既に除かれていることは上述のとおりである。

したがって、乙第1号証の5をもって、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る商品に使用した事実を示す証拠ということはできない。

(2)以上のとおり、被請求人提出の乙各号証によっては、本件商標を取消請求に係る商品に使用した事実を示す証拠は一切見当らないから、被請求人は、本件審判請求の登録日前3年以内に我が国において、本件商標を取消請求に係る商品について使用した事実を立証し得なかったものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「電子応用機械器具(電子管、半導体素子、電子回路を除く)」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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