Trademark Appeal Case
図形商標の称呼観念の有無
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90425(T2002−90425/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4553233号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成13年4月18日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年3月22日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和61年11月5日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和63年10月26日に設定登録された登録第2088247号商標(以下「引用商標1」という。)、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成4年9月30日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成8年8月30日に設定登録された登録第3189586号商標(以下「引用商標2」という。)、別掲(4)のとおりの構成よりなり、平成9年12月22日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年9月17日に設定登録された登録第4315339号商標(以下「引用商標3」という。)及び別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成9年12月22日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年9月17日に設定登録された登録第4315340号商標(以下「引用商標4」という。)とは、「バラ花・アアル」の称呼、観念を共通にする類似の商標である。
さらに、引用各商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の商標として広く知られているものであるから、これと類似する本件商標が指定商品に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、その登録を取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、別掲(1)のとおり、八角形の二重輪郭(外側の輪郭は内側の輪郭よりやや太い輪郭よりなる。)内に、薔薇と思しき花と葉ととげを有する枝をほぼ垂直に極めて看者の注意を惹くように大きく描き、該枝の上部から三分の一の位置から曲線が描かれ、上記垂直の薔薇の木と曲線とを結合した全体の構成がローマ文字の「R」を表したと理解される図形、及び該図形の下部に上下二段に書した「DAMASCU」と「ROSE」の各文字とを配してなるものである。
そして、本件商標中の図形部分は、薔薇の木をもって、ローマ文字の「R」を極めて図案化した点において、看者の注意を強く惹くものであって、その構成全体の特異性をもって認識されるというのが相当であるから、これより特定の称呼、観念を生ずるものとは認めることはできない。
そうとすれば、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中の図形部分に印象付けられ、これを記憶して、商品の取引に当たる場合が多いとみられるほか、文字部分から生ずる「ダマスクローズ」の称呼をもって商品の取引に当たる場合もあるというのが相当である。
してみれば、本件商標は、その構成中の特に印象付けられる図形部分からは特定の称呼、観念は生じないが、文字部分より「ダマスクローズ」の称呼を生ずるものである。また、該文字部分は、特定の観念を有しない造語と理解されるとみるのが相当である。
(2)引用各商標
ア.引用商標1及び引用商標2は、それぞれ別掲(2)及び(3)のとおり、ローマ文字の「R」と極めて細い枝についた薔薇の花との組合せよりなるものである(ただし、引用商標2中の薔薇の花部は赤色が施されている。)ところ、薔薇の花は「R」の右上部に配し、花の下についた枝はその切り口部を「R」の左側の下に位置するように描かれ、全体として斜めに配した細い枝付き薔薇の花と「R」の文字部分とが重なるように描かれた図形よりなるものである。
イ.引用商標3は、別掲(4)のとおり、引用商標1と同様の図形を描き、さらに、該図形中の「R」の文字部分を、太線をもって表したやや縦長の楕円輪郭で囲み、薔薇の花部及び枝の切り口部が該楕円輪郭の外側に出るように描いた図形よりなるものである。(ただし、薔薇の花部の位置は、引用商標1より高い位置に描かれ、枝部も引用商標1よりやや長い。)
ウ.引用商標4は、別掲(5)のとおり、引用商標3と同様の図形を描き、さらに、その図形中のやや縦長の楕円輪郭の外側に、輪郭に沿って「KONDITOREI UND CAFE(「E」にはアクサン−テギュを付してある。)WIENEY」の文字を書してなるものである。(ただし、引用商標3と異なり、薔薇の枝の切り口部は楕円輪郭の外側に出ていない。)
エ.上記ア.ないしウ.のとおり、引用商標1ないし3及び引用商標4中の図形部分は、ローマ文字の「R」に枝付き薔薇を重ねるように配した図形が看者の注意を強く惹くものであり、その組合せの態様等構成の特異性をもって認識されるというのが相当であるから、これより特定の称呼、観念を生ずるものとは認めることはできない。
また、引用商標4は、その構成中の文字部分より「コンディトライウントカフェヴィーナー」若しくは「コンディトレイウンドカフェウィナー」なる称呼を生ずるものであり、該文字部分は、全体として特定の観念を有しない造語と理解されるとみるのが相当である。
(3)本件商標と引用各商標との対比
本件商標は、その構成中の文字部分より「ダマスクローズ」の称呼を生ずるとしても、引用商標1ないし3は、前記したとおり、特定の称呼、観念を生じないものであるから、これら商標は、称呼、観念において比較することはできない。
また、本件商標より生ずる「ダマスクローズ」の称呼と引用商標4より生ずる「コンディトライウントカフェヴィーナー」若しくは「コンディトレイウンドカフェウィナー」の称呼は、構成する音数、音質等の差異により相紛れるおそれはないものであり、観念については比較することができない。
さらに、本件商標中の図形部分と引用商標1ないし3及び引用商標4中の図形部分は、いずれも特定の称呼、観念を生ずるものではないから、称呼、観念において比較することはできない。
してみると、本件商標と引用各商標は、その構成よりみて外観上明らかに区別し得るものであり、称呼、観念においては、上記のとおり、比較することができないものである。
したがって、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても非類似の商標というべきである。
(4)本件商標の登録出願日前に発行したと明らかに認め得る甲第15号証ないし甲第17号証によれば、登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その取扱いに係る「洋菓子」について、引用商標3の下部に「ローゼンハイム」の文字を配した商標を本件商標の登録出願前より使用していたことが認められるが、上記証拠のみをもってしては、引用各商標が申立人の「洋菓子」について単独で使用され、本件商標の登録出願前よりその取引者、需要者に広く認識されていたとまでは認めることはできない。
加えて、本件商標と引用各商標とは、前記したとおり、需要者等に与える印象において全く異なった商標と認識されるものであるから、本件商標より引用各商標を連想又は想起させることはないものである。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、その商品が申立人又は申立人と経済的、組織的に関係のある者の業務に係るものであるかの如く、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
(5)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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