Trademark Appeal Case
結合商標の識別性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90304(T2002−90304/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4543009号商標(以下、「本件商標」という)は、平成13年3月2日に登録出願、「バイオクリーナ」の片仮名文字を横書きしてなり、第3類「便器用洗浄剤、流し用洗浄剤、洗濯槽用洗浄剤及びその他のせっけん類」を指定商品として、同14年2月8日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
本件登録異議申立人(以下、「申立人」という。)は、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第12号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)バイオについて
本件商標は、「バイオクリーナ」の片仮名文字からなるものであるが、前半部の「バイオ」の文字部分は英語「bio(バイオ)/生命を意味する結合辞」、「生命・生物の意。他の語と複合して用いられる」、「バイオテクノロジーの略」などと理解され、「生物を工学的見地から研究し応用する技術。環境浄化などに応用する技術をさす」語として一般に認識、使用されているものである(甲第2号証、甲第3号証)。
(2)クリーナについて
後半部「クリーナ」の文字部分は、英語の「cleaner(クリーナー)」に通じる語で、指定商品との関係で説明するならば、「洗剤」(甲第2号証)、「汚れ落とし」(甲第3号証)などと理解されて使われている語である。
(3)バイオクリーナの観念
「バイオ」については、審決において「バイオテクノロジーを利用してつくり出された物を表示するものとして、『バイオ野菜』『バイオ食品』『バイオ農薬』あるいは『バイオ化粧品』等のごとくに使用されていて」とされている通り、本件商標の指定商品である洗浄剤、せっけん類を取り扱う業界においてもバイオ技術を利用して製品化された商品について「バイオ洗剤」などの如く使用されている現実があること(甲第9号証の1、甲第9号証の2)、また「クリーナ」についても、英語の「cleaner(クリーナー)」と同義語として使われている現実があること(甲第8号証の1〜甲第8号証の4参照)などから、「バイオクリーナ」に接した一般取引者、需要者は、バイオテクノロジーを利用して作り出された「洗剤」、「洗浄剤」、「せっけん」の如き意味・観念を容易に感得するものである。
「バイオ」も「クリーナ」の語も指定商品に関係する人々にとって良く使われる言葉、つまり日本人の人口に膾炙された言葉であるから、「バイオクリーナ」としての語全体からも品質表示以外の特別の意味観念は形成され得ない。よって、一連不可分の造語と判断されることはありえない。
(4)バイオクリーナ(バイオクリーナー、バイオ洗剤)などが使用されている現状
「バイオクリーナ」は、「バイオクリーナー」とか「バイオ洗剤」などの意味に理解されるものであること既述の通りであるが、一般取引社会では、既に例えば「バイオクリーナー」(東レ株式会社)、「バイオクリーナー」(クラレ株式会社)ほか(甲第10号証の1〜甲第10号証の5)に示すように商品の品質表示として使っている現実がある。
(5)本件商標の指定商品
本件商標の指定商品は、「便器用洗浄剤,流し用洗浄剤,洗濯槽用洗浄剤及びその他のせっけん類」である(甲第1号証参照)。
本件指定商品の特質は、或る物を洗い浄めるもの、あか汚れを落とすもの、であるから、諸々の事物をきれいにし、また衣服、身体に付着した汚れを落として清潔にするための商品と言うことができる。本件商標は、「クリーナー(cleaner)」と同義的に使用される「クリーナ」を含む商標であり、本件指定商品は本件商標の観念と密接な関係がある商品と言うことが出来る。
(6)まとめ
本件商標「バイオクリーナ」は、指定商品に関し商品の品質、効能、用途などの品質(以下、「品質等」という。)を表示するものであるから、商標法第3条第1項第3号、同第6号に該当し、その登録は、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである。
3 当審の判断
本件商標は、「バイオクリーナ」の片仮名文字を一連に横書きしてなるものである。
そして、前半部の「バイオ」の文字部分が、英語「bio(バイオ)」に通じ、「生命を意味する結合辞」、「バイオテクノロジーの略」等を意味する語であることを認め得るところである。
ところで、後半部の「クリーナ」の文字部分が、英語の「cleaner」に通じ、「洗剤」等を意味する場合があるとしても、該「クリーナ(ー)」の文字は、「掃除機、汚れを落とす薬品、器具」(広辞苑 岩波書店発行)の意味でも一般に親しまれた語であるというべきである。
してみれば、これら両語を結合してなる本件商標は、直接、具体的に商品の品質等を表示するにすぎないものとはいい得ないものである。
けだし、申立人説示のごとく、指定商品との関係において、本件商標が「バイオテクノロジーを利用して作り出された洗剤」等の意味、観念を把握し得る場合があるとしても、これがいかなる品質等を示しているかを直接的に認識し得ないばかりでなく、これに接する取引者、需要者は、必ずしも、上記意味合いをのみ看取するものとはいい得ないからである。
また、申立人が提出している証拠において、「バイオクリーナー」の文字の使用例があるとしても、これが一般的であるとはいい難く、それをもって、本件商標が直ちに指定商品の品質等を表すものとして取引上普通に使用されていると認めることはできない。
そして、本件商標は、全体にまとまりよく一体的に構成されているものである。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、商品の品質等を表示したにすぎないものということができず、また、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというを相当とする。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同第6号に違反して登録されたものでないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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