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Trademark Appeal Case

商標使用意思と公序良俗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90320(T2002−90320/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4543634号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4543634号商標(以下「本件商標」という。)は、「ワンタツチ」の片仮名文字を標準文字として、平成12年3月27日に登録出願、第36類「前払式証票の発行,有価証券の売買,商品市場における先物取引の受託,生命保険の引受け,損害保険の引受け,建物の売買,土地の売買,中古自動車の評価,企業の信用に関する調査,ガス料金又は電話料金の徴収の代行」を指定役務として、同14年2月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立の理由

本件商標は、証券業務を営むことについて、証券取引法によって定められている要件を具備していない商標権者が本件商標の指定役務中の「有価証券の売買」について本件商標を使用するものであるから、商標法第3条第1項柱書きに該当する。

また、本件商標は、第三者による商標の選択の範囲を不当に狭める目的をもってなされたものと推認でき、不正な利益を得るために使用する目的、その他不正な意図をもってなされたものであり、商取引の秩序を乱す公序良俗を害する行為というべきであるから、商標法第4条第1項第7号に該当する。

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標の指定役務は、第36類「前払式証票の発行,有価証券の売買,商品市場における先物取引の受託,生命保険の引受け,損害保険の引受け,建物の売買,土地の売買,中古自動車の評価,企業の信用に関する調査,ガス料金又は電話料金の徴収の代行」を指定役務とするところ、証券法によれば、「証券業は、内閣総理大臣の登録を受けた株式会社でなければ、営んではいけない。」(第28条)、「内閣総理大臣は、株式会社でない者による登録を拒否しなければならない。」(第28条の4)と規定されていることは認めることができる。

しかして、本件商標の権利者は自然人であり、本件商標の登録査定時において、その指定役務中「有価証券の売買」については営むことはできないものであったとしても、本件商標権者が将来において、この分野の役務の株式会社を設立し、営むことを必ずしも否定することはできない。

してみれば、本件商標権者は、本件商標の登録査定時において、本件商標の使用の意思がなかったものということはできないし、使用の蓋然性は全くないものということもできない。

そうとすれば、本件商標は、自己の業務に係る役務について使用をしないことが明らかであるものと断定することはできない。

さらに、本件商標は「ワンタッチ」の文字よりなるところ、本件商標権者が本件商標以外にも多数の商標登録出願をしていることをもって、本件商標は、第三者による商標の選択の範囲を不当に狭める目的をもってなされたものと断定できないし、このことをもって、不正な利益を得るために使用する目的、不正な意図をもってなされたものであり、商取引の秩序を乱す公序良俗を害する行為ということはできない。他に不正な利益を得るために使用する目的、不正な意図をもってなされたとする根拠は見出せない。また、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということもできない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書き及び同法第4条第1項第7号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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