Trademark Appeal Case
著名映画題名の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90288(T2002−90288/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第4541012号商標(以下「本件商標」という。)は、「ALL ABOUT EVE」の文字と「オール アバウト イヴ」の文字とを二段に横書きしてなり、平成13年4月17日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年2月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、著名である米国の映画のタイトル「ALL ABOUT EVE(日本版タイトル「イヴの総て」)」(以下、同映画を「本件映画」という。)と同一又は類似であるから、その指定商品に使用した場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。また、本件商標は本件映画の著名性にただ乗りし、不正な利益を得ようとする目的によるものであるというほかはなく、商標権者には不正な目的が認められる。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、「ALL ABOUT EVE」及び「オール アバウト イヴ」の両文字よりなるところ、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る証拠によれば、原題を「ALL ABOUT EVE」とし、邦題を「イヴの総て」とする本件映画は、1950年のアカデミー賞の6部門を獲得し(甲第1号証)、我が国では1951年に公開(甲第2号証)、キネマ旬報の1951年度ベストテンの外国映画部門で第1位であった。本件映画は、平成12年及び同13年発行の書籍に紹介され(甲第7号証及び同第8号証)、平成14年3月現在、本件映画のDVD作品が一般に流通していることが認められる(甲第3号証ないし同第6号証)。
上記事実によれば、本件映画が邦題「イブの総て」、原題「ALL ABOUT EVE」として我が国で公開されたのは、本件商標の登録出願の50年も前であり、現在、本件映画のDVDによる販売がされていることが認められるとしても、申立人提出の証拠よっては周知著名なものと認めるに足りない。しかも、「ALL ABOUT EVE」は、本件映画のタイトル(原題)に使用されているにとどまり、申立人の提出に係る証拠には、商品・役務の出所を識別する商標として使用されていた事実を示すものはない。
そうとすれば、同証拠では、本件商標の登録出願時に、本件映画の原題である「ALL ABOUT EVE」の文字からなるものが我が国において取引者・需要者の間に広く認識され著名であったものとは判断することができないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接した取引者、需要者が該商品を申立人又は申立人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同するおそれはないものといわなければならない。
(2)上述のとおり、「ALL ABOUT EVE」の文字からなる表示は、商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国においての著名性が認められない以上、本件商標は、その著名性にただ乗りし、不正の目的をもって使用するものということもできないものである。
以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号の規定に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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