Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90279(T2002−90279/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4541606号商標(以下「本件商標」という。)は、「ES NOW」の欧文字と「イーエスナウ」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、平成12年8月1日に登録出願、第9類及び第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年2月1日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る、「NOW」の文字を標準文字としてなり、平成9年7月17日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年11月26日に設定登録された登録第4339368号商標(以下「引用商標」という。)と「ナウ」の称呼において類似する商標である。また、引用商標は録音済みのコンパクトディスクで著名であるから、本件商標は商品の出所について混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものであり、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)本件商標は、前記のとおり「ES NOW」と「イーエスナウ」の両文字よりなるところ、「ES NOW」の欧文字は「ES」と「NOW」の各文字が半文字程度の間隔をもって表されていて、これら両文字よりなるものと看取されるものであるが、両文字は同じ書体でまとまりよく一体的に表されていて、両文字間には特に軽重の差を見出すことができないものである。しかも、該欧文字部分の読みを併記したと認められる「イーエスナウ」の文字が同じ書体で一連に表されていて、これより生ずる称呼も格別冗長なものではなく淀みなく称呼し得るものであるから、かかる構成にあっては、欧文字の「ES」の文字部分を商品の記号、符号を表したものとみるべきではなく、欧文字部分、仮名文字部分ともに全体をもって一体不可分の構成よりなるものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、両文字のそれぞれの全体に相応して「イーエスナウ」の称呼のみを生ずるものと認められる。
これに対し、引用商標は、「NOW」の文字よりなるものであり、その構成文字に相応して「ナウ」の称呼を生ずるものである。
そうとすれば、本件商標は、引用商標と外観、観念においてはもとより、「イーエスナウ」と「ナウ」の称呼間においても明らかに聴別し得る差異を有する非類似の商標と判断するのが相当である。
(2)申立人の提出した甲第3号証ないし甲第12号証によれば、申立人の関連企業である東芝イーエムアイ株式会社は、洋楽を収録したコンパクトディスクのタイトル名として「NOW1、NOW2、NOW3、・・・」のように「NOW」の文字を使用していることが認められる。しかしながら、「NOW」の語は「今、現今」を意味する平易な英単語であって、この語を仮名文字で表した「ナウ」の語とともに日常的に一般に広く使用されている語であることを併せ考慮すると、引用商標は本件商標の登録出願の時に、我が国において取引者、需要者の間に広く認識されていたものとまで推認することができない。
してみれば、前記したとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標でないばかりでなく、それぞれの構成よりして、両商標は誤認、混同の生ずる理由の見出し得ない別異の商標というべきであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接した取引者、需要者がこれより直ちに引用商標を連想、想起するとは認められない。
そうとすれば、本件商標は、申立人又は申立人と経済的、組織的に関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとは判断することができない。
(3)以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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