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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第10号「図形商標の類否判断」の商標審決・判断理由(審判番号:異議2002−90183(T2002−90183/J7)|登録維持)

審判番号
異議2002−90183(T2002−90183/J7)
審判種別
異議

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
図形商標の類否判断
適用条文
第4条第1項第10号
指定商品・役務の区分
第18類・第25類・第28類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2002−90183(T2002−90183/J7)・異議)は、本件商標について、商標法第4条第1項第10号への該当性が争われた事例です。主な争点は「図形商標の類否判断」です。指定商品・役務は第18類・第25類・第28類に属します。特許庁は「登録第4530210号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4530210号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4530210号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成12年1月28日登録出願、第18類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同13年12月21日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)

(1)本件商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないものである。

(2)本件商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成9年8月28日登録出願(優先権主張1997年7月9日イタリア共和国)、第3類、第9類、第14類、第16類、第18類、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年1月14日に設定登録された登録第4230834号商標(以下「引用商標」という。)と外観、称呼、観念が類似する商標であり、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は抵触するものである。

(3)引用商標は、本件商標の登録出願前より、我が国において「かばん、靴、被服」等のファッション関連の商標として著名になっていたものであるから、これと類似する本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品の出所について混同を生ずるおそれがある。

(4)本件商標は、上記のように著名な引用商標にただ乗りするものである。

(5)以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項柱書きの要件を具備しないものであり、同法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)本件商標が商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないとの登録異議申立人(以下「申立人」という。)の主張についてみるに、申立人は、上記のように主張するのみで、これを立証する証拠を何ら提出していないものであるから、本件商標は、自己の業務に係る商品について使用をする商標ではないと認めることはできない。

(2)本件商標は、別掲(1)のとおり、籠字風に表した文字と図形とを結合した構成よりなるところ、それ自体独立して自他商品の識別標識としての機能を有すると認められる図形部分は、直ちに何を表してなるのか判断し得ないものであるが、図形部分の下に書された「DAL」の文字との関係からみれば、欧文字「D」を、「D」の左縦線部と接する右曲線部の上部を斜め左上方向に角が生えたように極端に長く伸ばした図形と理解される場合もあるといえる。そして、該図形部分は、欧文字「D」を図案化したものと理解される場合があるとしても、「D」における左縦線部と接する右曲線部の上部を斜め左上方向に極端に長く伸ばした点において、看者に強く印象付けられるものであって、その構成の特異性をもって認識されるというのが相当であるから、これより特定の称呼、観念は生じないものである。

これに対し、引用商標は、別掲(2)のとおり、黒塗りの図形のみからなる構成であるところ、該図形は、欧文字「D」の左縦線部と右曲線部とで囲まれた内側が逆台形状となるように、右曲線部における右上部をやや鋭角にし、かつ、通常曲線的に描かれる部分を直線的に描いてなるものである。また、左縦線部の上下の先端と接する右曲線部の上下の横線は、いずれも左縦線部と接した後も左方向に横に長く伸ばし、上に位置する横線は、下に位置する横線よりやや長くして描いてなるものである。そして、該図形は、欧文字「D」の左縦線部と右曲線部とで囲まれた内側が逆台形状となるように描かれた点、及び右曲線部の上下2本の線を横に長く伸ばした点において、看者に強く印象付けられるものであって、その構成の特異性をもって認識されるというのが相当であるから、これより特定の称呼、観念は生じないものである。

してみると、本件商標と引用商標とは、称呼、観念において比較することはできない。

また、両商標は、外観上明らかに区別し得る差異を有するばかりでなく、本件商標中の図形部分のみをとって、引用商標と比較した場合においても、上記したとおり、いずれの図形もその表現方法を全く異にするものであり、看者に与える印象において著しく相違するものであるから、両商標を時と所を異にして離隔的に観察した場合においても、外観上、互いに紛れるおそれはないものである。

そうすると、本件商標と引用商標は、その称呼、観念及び外観のいずれからみても、非類似の商標というべきものである。

(3)引用商標は、前記したとおり、図形のみからなるものであるところ、申立人が提出した証拠のみをもってしては、引用商標が申立人の業務に係る商品「かばん、靴、被服」を表示するものとして、本件商標の登録出願前より、ファッション関連の取引者、需要者の間で著名性を獲得していたものとは、到底認めることはできない。

のみならず、本件商標は、上記のとおり、引用商標とは商標それ自体別異のものであるから、これをその指定商品について使用しても、引用商標を想起させることはなく、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものである。

(4)本件商標は、上記認定のとおり、引用商標と類似しない別異の商標といえるから、引用商標の出所表示機能を希釈化させたり又はその名声を毀損させるなど不正の目的をもって出願されたものとは認められない。

(5)したがって、本件商標は、商標法第3条第1項柱書きの要件を具備しないものではなく、また、同法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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