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結論

敗訴(請求棄却)

第4条第1項第11号「称呼の類似性と要部抽出」の商標審決・判断理由(審判番号:異議2002−90010(T2002−90010/J7)|登録維持)

審判番号
異議2002−90010(T2002−90010/J7)
審判種別
異議

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
称呼の類似性と要部抽出
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
第12類・第16類・第25類・第35類・第41類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2002−90010(T2002−90010/J7)・異議)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の類似性と要部抽出」です。指定商品・役務は第12類・第16類・第25類・第35類ほかに属します。特許庁は「登録第4511855号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4511855号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4511855号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第12類、第16類、第25類、第35類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品又は役務を指定商品又は指定役務として、平成12年9月27日に登録出願、同13年10月5日設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由

(1)引用商標

異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2420170号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第12類「自動二輪車、自転車、これらの部品及び附属品、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和63年8月9日に登録出願、平成4年6月30日設定登録、同14年4月23日に商標権存続期間の更新登録がされ、同登録第2599068号商標(以下「引用B商標」という。)は、「DERBY MARK X」の欧文字を横書きしてなり、第9類「産業機械器具、動力機械器具、風水力機械器具、事務用機械器具、その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品、機械要素」を指定商品として、平成3年4月23日に登録出願、同5年11月30日に設定登録され、同登録第1739427号商標は(以下「引用C商標」という。)は、「DERBY」の欧文字を横書きしてなり、第11類「電気機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和54年7月11日に登録出願、同60年1月23日に設定登録、平成6年12月21日に商標権存続期間の更新登録がされ、同登録第2068356号商標(以下「引用D商標」という。)は、「Canon」「DERBY」の欧文字を二段に横書きしてなり、第10類「理化学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)、光学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)、写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具(電子応用機械器具に属するもの及び電気磁気測定器を除く)、医療機械器具、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)、写真材料」を指定商品として、昭和52年7月29日に登録出願、同63年7月22日に設定登録、平成10年5月19日に商標権存続期間の更新登録がされ、同登録第2679762号商標(以下「引用E商標」という。)は、「ダービー」の文字を書してなり、第10類「理化学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)、光学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)、写真機械器具、映画機械器具、測定機械器具(電子応用機械器具に属するもの及び電気磁気測定器を除く)、医療機械器具、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)、写真材料」を指定商品として、平成4年1月13日に登録出願、同6年6月29日に設定登録され、該商標権はいずれも現に有効に存続しているものである。

(2)商標法第4条第1項第11号の該当性について

(ア)称呼について

本件商標は「SOAP BOX DERBY」の欧文字及び図形からなるところ、当該文字部分は図形とは独立して類否判断の対象となるものである。そして、「SOAP BOX」の語は「石鹸入れ、石鹸箱」の意を有する英語の熟語であり、「DERBY」の語は「ダービー競馬、競馬」の語を有する英語として我が国において広く知られているものである。また、「SOAP BOX DERBY」の一連の称呼は極めて冗長であり、「SOAP BOX」の語と「DERBY」の語との間には何等の観念上の関連性もないから、本件商標に接した需要者、取引者は、簡易迅速を尊ぶ取引の実際上これを「SOAP BOX」と「DERBY」の語に分断し、当該要部「DERBY」の文字部分に相応して、「ダービー」の称呼が生ずるものである。

ー方、引用A商標は「DERBi」(iは図案化した文字)との構成に係り、「ダービ」の称呼を生ずるものと容易に認識される。また、引用B商標は、「DERBY MARK X」の欧文字を横書した構成に係り、「MARK」の語は「商標」を意味する語として識別力がなく、「X」の文字はローマ字1字であって、これも識別力がない。したがって、引用B商標は「DERBY」の文字部分が要部となり、これより「ダービー」の称呼が生ずるものである。「DERBY」の文字を横書してなる引用C商標は、「DERBY」の文字を横書してなるものであるから「ダービー」の称呼が生ずるものである。引用D商標は「Canon」及び「DERBY」の欧文字を二段に横書してなるところ、「Canon」の文字部分は権利者の著名なハウスマーク及び商号の略称であるから、引用D商標の要部である「DERBY」の文字部分より「ダービー」の称呼が生ずるものである。引用E商標は「ダービー」の片仮名文字を横書してなるものであるから「ダービー」の称呼が生ずるものである。

したがって、本件商標と引用各商標とは「ダービー」の称呼において類似する商標である。

(イ)観念について

本件商標の要部「DERBY」は、「ダービー競馬、競馬」の観念を生ずるものである。

他方、引用B、C、D商標の要部「DERBY」の文字部分も同一観念を生ずるものである。また、引用E商標は、「ダービー」の片仮名文字からなるところ、「ダービー」の語は「ダービー競馬、競馬」の意を有する「DERBY」の片仮名表記であり日常語として定着した外来語となっているところから、引用E商標からも上記観念が生ずるものである。

したがって、本件商標は、引用B商標ないし引用E商標と観念において類似する商標である。

よって、本件商標の登録は、指定商品中第12類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は、別掲(1)のとおり種々の図形と文字の組み合わせよりなるところ、構成中の央部にエンジンの無い手作り風の車に人が乗り疾走している図形を顕著に表しており、また、構成中の「SOAP BOX DERBY」の欧文字部分が、「モーターのついていない手作りの車(カート)に乗って坂を下る速さを競う競技」を意味する英語で、同競技は青少年のために米国で発祥し、「ソープボックスダービー」の名称で1934年以来米国全土で開催されており、我が国においては2001年5月に第1回「ソープボックスダービー大会」が大磯で開催されていることなどからすれば、前記図形部分と文字部分全体が相俟って強い印象力を有すると認められこと、これに加えて前記文字部分より生ずる一連の称呼「ソープボックスダービー」は一気一連に称呼し得ないほどの音数ではないことを考慮すると、「ソープボックスダービー」の称呼及び観念のみを生ずるというのが相当である。

そうすると、「ソープボックスダービー」の称呼及び観念のみを生ずる本件商標と「ダービー」(ダービー競馬)の称呼、観念を生ずる引用各商標とは、称呼、観念上明確に区別し得るものである。

本件商標と引用各商標とは、構成上顕著な差異を有するので、外観上においても明確に区別し得るものである。

したがって、本件商標と引用各商標とは非類似の商標である。

以上のとおり、本件商標の登録は、指定商品中第12類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号の規定に違反してされたとは認められないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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