Trademark Appeal Case
著名商標と結合商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2001−90975(T2001−90975/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4509001号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成12年6月30日に登録出願され、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、同13年9月21日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、著名な登録異議申立人(以下「申立人」という。)の略称「カルビー」を含むものであるにもかかわらず、商標権者は本件商標の登録につき申立人の承諾を得ていない。また、本件商標がその指定役務について使用された場合、取引者、需要者は、当該役務が申立人と関係のある者によって提供される役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号及び同第15号に該当するものであるから、その登録は取り消されるべきものであるとして、甲第1号証ないし甲第42号証を提出した。
3 当審が通知した取消理由
申立人(カルビー株式会社)の提出に係る甲号各証によれば、申立人は、わが国における有数のスナック菓子及びシリアル食品の製造、販売を営むメーカーであり、商品の販売高では、特にえびせん、ポテトチップスに関しては、わが国において常にトップの座を占め、今日では、申立人による商品の販売高は1000億円を超えている。また、商品のシェアについては、ポテトチップスに関しては、約71%以上のシェアを占め、全スナック食品では、41%のシェアを占めている。
そして、申立人は、自己の名称である「カルビー」を商標として採用し、自己の製造、販売にかかるすべての商品について会社の設立以来継続して使用してきており、申立人の商品は、全国のスーパーマーケットを始め、あらゆる菓子、食料品店等で販売され、さらに、多くのテレビ、ラジオのスポンサーを務め、広く自己の商品の宣伝、広告を行ってきたことを認めることができる。
上記の事実によれば、「カルビー」の語は、申立人の略称として、また「スナック菓子、シリアル食品」の商標として、本件商標の出願日前から既に、我が国の取引者・需要者間において広く認識されていたものと認めることができる。
しかして、本件商標は、別掲に示したとおりの構成からなるところ、いずれも同じ書体で表されているとはいえ、「カルビー」の文字部分と「太郎」の文字部分とで文字の大きさを著しく異にしており、外観上、この文字間で分離した印象を与えるものである。また、本件商標は、「カルビー」の語が上記のとおり、申立人の著名な略称かつ商標であり、「太郎」の語は男子の名として親しまれていることから、看者をして、容易に「カルビー」の語と「太郎」の語とを結合させたものと理解・認識させるものであり、しかも、全体として一定の熟語的意味合いを認識させるものとも認められない。そして、近年、食料品メーカーがレストランの経営をすることもしばしばあることから、本件商標の指定役務と申立人の業務に係る商品とは密接な関連性を有するものといわなければならない。
してみれば、本件商標は、その構成中に、出所識別標識として強く支配的な印象を与える「カルビー」の文字を含むものであるから、商標権者が本件商標をその指定役務について使用するときは、これに接する取引者・需要者は、「カルビー」の文字に注意を惹かれ、申立人の著名商標「カルビー」を連想、想起し、該役務が申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その役務の出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
前記の取消理由の通知に対し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
5 当審の判断
本件商標は、前項3のとおりの取消理由により、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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