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Trademark Appeal Case

称呼類似と括弧表記

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2002−35110(T2002−35110/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4324002号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年5月11日に登録出願され、「うつろ(空)」の文字を横書きしてなり、第16類「印刷物」及び第37類「土木一式工事」を指定商品又は指定役務として、同11年10月15日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用する登録商標

請求人が、本件商標の登録無効の理由として引用する登録第3191644号の2商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年12月28日に登録出願され、同8年8月30日に設定登録された登録第3191644号商標権について、同12年4月12日付け分割移転の登録により分割された商標権に係る商標であり、第16類「印刷物」を指定商品とするものであって、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品又は指定役務中、第16類「印刷物」についての登録を無効とする、審判の費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を概略次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第7号証を提出した。

(1)本件商標は、その構成中の「空」の部分に対応して「ソラ」の称呼を生ずる。このことは、請求人の商標登録出願に係る「SOLA/ソラ」の文字を横書きしてなり、第16類「雑誌」を指定商品とする平成11年商標登録願第23847号商標に対し、本件商標が引用され、「ソラ」の称呼を共通にする類似の商標であると認定され、当該商標登録出願が拒絶査定されたことより明らかである(甲第3号証、甲第4号証)。

また、引用商標からは、その構成中の「空」の部分から「ソラ」の称呼を生ずる。このことは、請求人の上記商標登録出願に対し、登録第3191644号商標を引用して拒絶理由通知が出されたことから明らかである(甲第7号証)。

したがって、本件商標は、引用商標と「ソラ」の称呼を共通にする類似の商標であり、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、第16類「印刷物」についての登録は無効とすべきものである。

(2)答弁に対する弁駁

被請求人の主張は、本件商標の登録無効事由の主張に対する反論になっていない。ちなみに、乙第1号証ないし甲第3号証及び「登録商標の使用説明書」における「うつろ」又は「空」の使用態様は、内容を示す普通名詞としての記述的な使用であって、本件商標の印刷物への使用とはいえない。仮に、本件商標が商標的に使用されている事実があるとしても、そのことと本件商標に無効原因があるか否かという問題とは何の関係もなく、また、請求人の出願とも無関係である。

4 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証及び登録商標の使用説明書を提出した。

本件商標は、引用商標の出願日以前から乙第1号証ないし乙第3号証に示すように、既に多くの印刷物に使用されており、別添の登録商標の使用説明書に示すように、現在も使用中の商標である。

請求人の主張は、請求人が出願する「SOLA/ソラ」商標に起因した問題であり、これを理由に、それ以前に出願した本件商標に訴求するのはおかしい。

したがって、本件商標の指定商品又は指定役務中、第16類「印刷物」についての登録は無効とすべきでない。

5 当審の判断

本件商標は、前記したとおり、「うつろ」の語の後に「空」の漢字を括弧書きした構成からなるものである。

ところで、「うつろ」の語は、「中に何も満たすものがなく、からであること、また、そういう所。心がむなしいさま」等の意味合いを表す語であり、「うつろ」の語に対応する漢字としては「空」「虚」あるいは「洞」の漢字が記載されている(株式会社岩波書店発行「広辞苑」、株式会社小学館発行「国語大辞典」参照)。また、括弧の意味合いは、例えば、日本語大辞典(株式会社講談社発行)によれば、「数字や文章を他と区別したり、注記したりするとき、前後をかこむ符号」とあり、上記の「国語大辞典」によれば、「文章や数式の全体ないしはある部分をかこって、他との区別や結合関係を明らかにする記号」と記載されている。

しかして、上記辞典の記載に照らしてみれば、引用商標構成中、括弧書きされた「空」の部分は、平仮名で表された「うつろ」と同じ読みをする漢字が複数存在するのでその中から対応するものとして表され、又は平仮名のみによる表記より漢字を併記した方がより意味合いを看取し易くするためのものとして表されたと推認される。

そうとすれば、本件商標は、その構成全体を観察してみれば、「中に何も満たすものがなく、からであること、また、そういう所。心がむなしいさま」等の意味合いを表し、「ウツロ」と読まれる語を採択したものと看取することができるものであるから、平仮名文字及び漢字を含めて、全体として「ウツロ」の称呼のみを生ずるものとみるのが相当である。

してみれば、本件商標から「ソラ」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが「ソラ」の称呼において類似するものとする請求人の主張は、その前提において誤っているものというべきであり、採用することはできない。

その他、外観及び観念の類否については、請求人も何ら主張していないように、両商標間に外観及び観念上の類似点は見出せない。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標の指定商品又は指定役務中、第16類「印刷物」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたと認められないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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