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Trademark Appeal Case

不使用取消と商標同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−30620(T2001−30620/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1826742号商標(以下、「本件商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、昭和56年4月24日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同60年12月25日に設定登録、その後、平成8年6月27日に商標権存続期間の更新登録、また、商標権一部取消し審判があった結果、その指定商品中「回転電気機械、配電用または制御用機械器具」について登録を取り消す旨の審決がなされ、その確定登録が同10年2月18日になされたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録は、その指定商品中「電子応用機械器具」についてこれを取り消す、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べた。

1 請求の理由

本件商標は、商標権者により継続して3年以上商品「電子応用機械器具」に使用していない。また、本件商標には専用使用権は設定されていないし、通常使用権も登録されていない。したがって、本件商標の登録は、商標法50条第1項の規定により取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人は商標「COMB1000」「コンビスマート/CombiSmart」を「カードリーダ/ライタとICカード」に使用していると主張している。

(2)「COMB1000」ついて

(イ)取消に係る商品について使用されていない。

パンフレット表紙の「COMB1000」は「体力測定システム」について使用されていると認められる。この「体力測定システム」は「測定」の語から明らかなように本来的に測定機械器具といいえるものであり、実際にも身長等の形態測定及び行動体力測定等を測定し、これを評価診断するものである。このように、「COMB1000」は測定機械器具に使用されるものであって、不使用の取消請求に係る「電子応用機械器具」に使用されているものではない。次に、「COMB1000」は「ICカード」上に表示されているが、商品上の表示されるものが全て標章が自他商品識別標識として使用される商標となるものではないことは取引きの経験則上明らかである。商標法第50条の取消審判の趣旨が不使用による業務上の信用の化体しない登録商標の排除であることから、商標法第50条にいう「商標の使用」は当然自他商品識別標識として使用されるものでなければならない。この点で、単に商品上の表示されるだけで商標法第50条にいう「商標の使用」がされたとはいえない。「ICカード」の商標としては、そのパンフレットの記述及び納品書及び請求書の上で「コンビスマート」「スマート」と記載されていることから明らかなように、被請求人によって商標「コンビスマート/CombiSmart」が使用されている。「COMB1000」は当該商品の商標としては決して使用されていない。「COMB1000」は「フィットネス ステーション」なる表示が付記されていることから、単にその「ICカード」が「体力測定システム」の部品として使用されるものであることを示すために表示されているにすぎないといえる。このように、「COMB1000」は「ICカード」についての自他商品識別標識として使用されているものではない。逆にいえば、「COMB1000」は「ICカード」には使用されてはいない。以上述べた如く、「COMB1000」は取消に係る商品「電子応用機械器具」には使用されていない。

(ロ)商標の非同一

本件商標はローマ字で「Combi」と書されてなるものに対して、「COMB1000」は「COMB1000」と「O」の文字が「0」に代わり、さらに、「000」が「COMBI」と分離されることなく付加されていることから、当該商標の使用によって本件商標に業務上の信用は化体するとは考えられない。したがって、本件商標とは同一のものとは認められない。

(ハ)予告登録前3年の使用ではない。

被請求人の主張によれば、「COMB1000」が表示されたパンフレットは平成9年5月に発注され、同年6月に納入されたとのことである。パンフレットの最後のページの「1997.6.01」の数字からも該パンフレットの納入が平成9年6月であることは推測される。このように、問題のパンフレットは本件審判の予告登録前3年前の更に1年前以上に被請求人に納入されたものであるから、予告登録前3年以内に頒布されたものであるとは考えられない。そして、被請求人は該パンフレットが予告登録前3年以内に頒布されたことを証する証拠方法は何ら提出していない。さらに、このパンフレットから、平成9年6月時点では「ICカード」に「COMB1000」が表示されていることは判るが、予告登録前3年以内の時期に「ICカード」に「COMB1000」が表示されていることも立証されていないといえる。以上述べた如く、「COMBI000」が予告登録前3年以内に使用されたことも立証されていない。

(3)「コンビスマート/Combismart」ついて

「コンビスマート/Combismart」 はそのカタカナ文字部分が同一の書体、同一色彩、同一の大きさで一体のものとして記載されており、また、ローマ字部分も同一の書体、同一色彩で一体に記載されている。したがって、「コンビスマート/CombiSmart」 は「コンビスマート」の称呼・観念をもって取扱われる。それ故、「コンビスマート/CombiSmart」は本件商標とは同一はおろか類似のものともいえない。さらに、納品書及び請求書の写し及び答弁書の主張から、現実取引においても「コンピスマート」「スマート」と当該商標は称呼・観念されていることが分かる。すなわち、商標「コンビスマート/CombiSmart」 は現実取引でも「コンビ/Combi」の称呼・観念をもって取扱われていない。 なお、証拠方法の中には「Combi」と「Smart」との間に多少の間隙を設けているものもあるがローマ字からなる語を記載する場合には一文字程度の間隙を設けるものであるから、「Combi Smart」 は極く自然に一体に記載されているといえる。この点で、「Combi」と「Smart」とが多少の間隙を設けて記載されていることが、本件商標と同一とされる理由とはなり得ない。また、「コンビ スマート」とカタカナ文字についても間隙を設けて記載されるものもあるが、この程度の間隙をもって、本体的には「コンビスマート」なる商標が本件商標と同一とされる理由とはなり得ない。

被請求人は、「スマート/Smart」は商品の形態を表示するものであるから、商標「コンビスマート/CombiSmart」は本件商標と同一のものと主張するが、「スマート/Smart」は商品「ICカード」の形態を表示するものとは考えられない。また、披請求人自身取引きにおいて当該商標を「スマート」と表示していることから、「スマート/Smart」が自他商品識別標識として機能できることを認めているといえる。

したがって、「スマート/smart」は商品の形態を表示するものであるから、商標「コンビスマ一ト/Combismart」は本件商標と同一のものなる主張は受け入れられない。

以上述べた如く、「コンビスマート/CombiSmart」は本件商標とは同一のものではなく、当該商標の使用によっては本件商標が使用されていることが立証されない。

(4)まとめ

以上述べた如く、被請求人が提出した証拠方法によっては、本件商標がその取消請求に係る商品「電子応用機械器具」に使用されていることが立証できない。

なお、被請求人は「パーソナルコンピュータ」に使用されていることをも主張するが、該商品に本件商標が使用されていることを何ら立証していない。

第3 被請求人の答弁

1 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし同第10号証を提出した。

2 答弁の理由

(1)被請求人は、本件商標の指定商品中「電子応用機械器具」について、登録権利者及び使用権者が継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張している。

(2)そこで、被請求人は、乙第1号証ないし同第10号証によって本件商標を商品「電子応用機械器具」について使用している事実を立証する。

(イ)乙第1号証の第6頁の右下部に掲載されている商品「コンビスマート/CombiSmart」は、測定データをカードに入力したり、測定項目の重複やもれのチェックを行ったり、データべースに読み込ませるのに使用するカードリーダ/ライタとICカードである。該商品は、電子の作用を応用したもので、その機械器具の機能の本質的な要素としているものであるから「電子応用機械器具」の範ちゅうに属するものである。

(ロ)次に、本件商標を「電子応用機械器具」の範ちゅうに属する商品「カードリーダ/ライタとICカード」に使用している事実を証明する。

本件商標の構成は「Combi」の欧文字より成るものであるところ、これよりは「コンビ」の自然の称呼が生ずるものであり、被請求人の社名でもある。そこで、被請求人の乙第1号証として提出した商品パンフレットをみるに、表紙の下部に赤色の楕円形を含む「COMBI000」の文字が書されているものである。また、パンフレットの第6頁の右下部に掲載されているICカードには表紙の下部に書された商標と同一の「COMBI000」の文字が書されているものである。この「COMBI000」の文字は、多少モノグラム化されているが本件商標の「Combi」の書体を変更したものと認識し得るものであるから、これよりは「コンビ」の称呼が生ずるものである。また、パンフレットの第6頁の右下部に「コンビスマート/CombiSmart」の文字が書されているものである。そして、当該文字中「スマート/Smart」の文字部分は、商品の形態を表す文字であるから「コンビ/Combi」の文字が自他商品の識別機能を有するものである。そうしてみると、これらの商標と本件商標とは「コンビ」の称呼を共通にする類似の商標である。ところで、登録商標の使用であるかどうかは、自他商品の識別を本質的機能としている商標の性格上、単に物理的同一にこだわらず取引社会の通念に照らして判断する必要がある。そうとすれば、前記の乙第1号証に使用されている商標「COMBI000」及び「コンビスマート/Combismart」の文字は、その要部において「コンビ」の称呼を生ずるものであるから、これらは社会通念上登録商標と同一の使用と認められる商標であるといわなければならないところである。

(ハ)次に、本件審判請求日前に本件商標が指定商品に使用されている事実を立証する。

a)乙第1号証の商品パンフレットは、平成9年5月に横浜市西区平沼1丁目40番11号所在の株式会社櫂人に依頼し、同年6月に5、000部納入があったものである。なお、このパンフレットは、掲載器材の仕様に変更が無いものであるから現在も使用しているものである。そして、乙第2号証ないし同第10号証の納品書(元帳用)及び請求書(代理店元帳用)によれば、現実に当該商品が販売された事実が分かるものである。なお、請求書(代理店元帳用)及び納品書(元帳用)は、被請求人の取引先及び単価、金額は営業上の関係により黒く塗り潰してある。

b)乙第2号証の納品書(元帳用)は、平成11年2月8日に被請求人が東京都新宿区西落合所在の会社に商品「コンビスマート」を納品したもので、右上の「1999年2月8日、伝票番号0366−31」は、乙第3号証の請求書(代理店元帳用)の出荷年月日「99、02、08」、区分「30」、納品書No.「036631」、品名「スマー卜」(これは「コンビスマート」を略したものである。)、数量「9」と一致するものである。

c)乙第4号証の納品書(元帳用)は、平成11年2月25日に被請求人が千葉県白井市所在の会社に商品「コンビスマート」を納品したもので、右上の「1999年2月25日、伝票番号1163−60」は、乙第5号証の請求書(代理店元帳用)の出荷年月日「99、02、25」、区分「30」、納品書NO.「116360」、品名「スマート」(これは「コンビスマート」を略したものである。)、「数量4」と一致するものである。

d)乙第6号証の納品書(元帳用)は、平成11年3月16日に被請求人が東京都港区所在の会社に商品「コンビスマート」を納品したもので、右上の「1999年3月16日、伝票番号2135−73」の記載と乙第7号証の請求書(代理店元帳用)の出荷年月日「99、03、16」、区分「30」、納品書NO.「213573」、品名「スマート」(これは「コンビスマート」を略したものである。)、「数量5」と一致するものである。

e)乙第8号証の納品書(元帳用)は、平成11年3月26日に被請求人が東京都港区所在の会社に商品「コンビスマート」を納品したもので、右上の「1999年3月26日、伝票番号5271−26」の記載及び乙第9号証の納品書(元帳用)は、平成11年3日26日に被請求が東京都港区所在の会社に「コンビスマート」を納品したもので、右上の「1999年3月26日、伝票番号6273ー28」は、乙第10号証の請求書(代理店元帳用)の出荷年月日 「99、03、26」、区分「30」、納品書NO.「527126」、品名 「スマート」(これは「コンビスマート」を略したものである。)、「数量5」と一致するものである。及び納品書NO.「627328」、品名「スマート」(これは「コンビスマート」 を略したものである。)、「数量5」と一致するものである。

この他に、被請求人の乙第1号証として提出した商品パンフレットの第6頁中央部の黄色の円形の中にデータ」処理を行うための「パーソナルコンピュータ」も取扱い商品の一つとして掲載されているものである。これも、「電子応用機械器具」の範ちゅうに属する商品である。

(3)以上の次第で、乙第1号証ないし同第10号証を総合して勘案すれば、被請求人は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品「電子応用機械器具」について使用しているものであることは明らかであるから、本件商標は商標法第50条第1項の規定により取り消されるいわれはない。

第4 当審の判断

1 被請求人提出の乙各号証を徴するに、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証は、請求人の平成9年6月1日付け発行の総合カタログであるが、カタログ第6頁には、その右側下部に、請求人の取扱に係る「測定データをカードに入力したり、測定項目の重複やもれのチェックを行ったり、データべースに読み込ませるのに使用するカードリーダ/ライタとICカード」について、「コンビスマート」及び「Combi Smart」の文字が付されている。

(2)そして、乙第2号証は、本件審判の請求の登録前3年以内に該当する平成11年2月8日に被請求人が東京都新宿区西落合所在の会社に商品「コンビスマート」を納品したことを示す納品書(元帳用)であるが、右上の「1999年2月8日、伝票番号0366−31」は、乙第3号証の請求書(代理店元帳用)の出荷年月日「99、02、08」、区分「30」、納品書No.「036631」、品名「スマー卜」、数量「9」と符合するものである。

(3)また、乙第4号証は、同じく平成11年2月25日に被請求人が千葉県白井市(当時、白井町。)根所在の会社に商品「コンビスマート」を納品したことを示す納品書(元帳用)であるが、右上の「1999年2月25日、伝票番号1163−60」は、乙第5号証の請求書(代理店元帳用)の出荷年月日「99、02、25」、区分「30」、納品書NO.「116360」、品名「スマート」、「数量4」と符合するものである。

(4)さらに、乙第6号証は、同じく平成11年3月16日に被請求人が東京都港区赤坂所在の会社に商品「コンビスマート」を納品したことを示す納品書(元帳用)であるが、右上の「1999年3月16日、伝票番号2135−73」の記載と乙第7号証の請求書(代理店元帳用)の出荷年月日「99、03、16」、区分「30」、納品書NO.「213573」、品名「スマート」、「数量5」と符合するものである。

(5)さらにまた、乙第8号証及び同第9号証は、同じく平成11年3月26日に被請求人が東京都港区赤坂所在の会社に商品「コンビスマート」を納品したことを示す納品書(元帳用)であるが、共に、右上の「1999年3月26日、伝票番号5271−26」の記載及び「1999年3月26日、伝票番号6273ー28」は、乙第10号証の請求書(代理店元帳用)の出荷年月日 「99、03、26」、区分「30」、納品書NO.「527126」、品名 「スマート」、「数量5」と符合するものであり、また、納品書NO.「627328」、品名「スマート」、「数量5」と符合するものである。

2 そして、請求人の使用に係る該「カードリーダ/ライタとICカード」は、用途、流通系統等よりみて、請求に係る商品「電子応用機械器具」の範ちゅうに属する商品であると認められ、また、使用に係る商標「コンビスマート」及び「Combi Smart」は、本件商標と社会通念上同一の商標といい得るものである。

けだし、その商品が一方に属する場合があるとしても、商標法第50条における商標登録の取消しの審判の場において、その商品の使用をもって、他の一方の当該商標の使用を証明するものと認定することは、格別不自然なことでなく、また、本件商標が被請求人の商号に由来するものであってみれば、構成中の「コンビ」及び「Combi」の文字部分においても、独立して自他商品識別機能を発揮し得るものといい得るからである。

3 したがって、本件商標は、上記事実に照らして、その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者によって、請求に係る指定商品について使用されたと十分に推認できるものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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